ヨーロッパの剣は…

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573槍鼠ども
 紀元前8世紀頃に編み出されたファランクス戦術は、同じギリシア人と戦うため、
ギリシア英雄じみた個人の武勇ではなく集団の力により敵を撃破しようとする
試みだった
 初期のファランクスの戦士は、兜と盾以外に身を守るものは腰巻き一つで、
中には全裸の者も珍しくなかったという
 これは、負傷の際に傷口に汚れた衣服が入り込み化膿することを防ぐ
ためだったと言われている
 マラトンの戦において、ギリシアの戦士達が青銅製の膝当てを装備していた
ことが特筆されているが、これは青銅製の防具の普及が戦術程には進んでいなかった
証明であると思われる

 ファランクスは、後の中世ヨーロッパの歩兵方陣と違い、
極めて攻撃的な性格を持っていた

 通常、ファランクスは敵のファランクスと会敵すると行進隊形から突撃隊形に組み替え
可能な限り隊形を保ちつつ全力疾走で突撃した
 この際、転倒することは後方を走る戦友に踏み殺されることを意味した
 衝突したならば、先頭の者は努めて槍を保持することが生き残る唯一の道だった
なんとなれば、彼の槍には自分だけでなく後ろで槍を構える
戦友達の体重がかかることになり、その圧力に耐えかねて槍を外したり、
槍が折れたりした場合、彼は敵兵と戦友に挟まれて押し潰される恐れがあった


そんだけ