ヨーロッパの剣は…

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503長弓射手君リターンズ
 1332年、親イングランド勢力であったが故に領地を奪われた旧貴族軍と
スコットランド軍との間で生起したダブリン・ムーアの戦は、
スコットランド内戦の形をとりながら、イングランド長弓戦術が
完成したことを示す戦いとなった
 旧貴族軍は、イングランドの戦術を修得したイングランド人で編成されていたが、
戦力は小さく、500名の装甲槍騎兵と長弓射手を主力とする2000名の歩兵
しかいなかったと言われている
 スコットランド軍は、バノックバーンの戦と同じく、スキルトローム隊形を
維持しつつ前進を開始した
 一方、旧貴族軍は、小高いなだらかな丘で三日月型の防御陣を敷いていた
 特筆すべきは、ごく少数の高級指揮官と伝令を除いて騎兵全てを下馬させ
槍兵の列に組み込んだことだった

 丘の斜面を登り始めたスキルトロームは、旧貴族軍の長弓の斉射を浴び始めたが
高い士気に支えられ、前進を止めることはなかった
 しかしながら、槍兵と下馬騎兵がスキルトロームの前進を喰い止めると、
スコットランド兵たちは身動きのとれぬままに矢の雨を浴び続けることになった
 スコットランド軍の指揮官ドナルド伯は、停滞した状況を打破すべく、
更に予備隊を増強したが、スキルトロームのような陣形では、
前の数列以外の大半の兵士は直接戦闘に関与できる訳がなく、
混乱を悪化させるだけだった


そんだけ