この砲撃戦で最も損害を受けたのはフランス軍の歩兵で、フランス軍の隊列中央は
同盟軍の砲撃が集中した
同盟軍は野戦陣地のお陰で遮蔽物を与えられており、損害はそれ程ではなかった
しかし、質量に勝るフランス砲兵は放列を移動させ、ついに陣地後方に待機していた
スペインの騎兵集団に対しても縦射を加え始め、側面に回り込んだフランス銃兵の
射撃がこれに加わった
スペイン騎兵の反応はほとんど反射的なものだった
後方の川のせいで逃げる場所のない彼らは、各個にフランス軍隊列へ突撃を開始した
この上官不服従に近い行動は、もし消耗したフランス軍戦線の中央部を突破できれば
成功したかもしれなかった
しかし、やはり予備として拘置されていたフランス騎兵の反撃により蹴散らされる
ことになった
この戦闘を契機に、フランス軍の歩兵、主としてピカルディーの槍兵、
ガスコーニュの弩兵、ドイツ傭兵が正面攻撃で壕を超越しようと前進した
彼らがガスコーニュ弩兵の掩護射撃下でやってくると、同盟のアルケブス兵が
遮蔽物から立ち上がって射撃を開始した
この射撃はフランス軍に大きな出血を強いて前進速度を鈍らせたが、
ドイツ傭兵が壕を渡り、土塁壁を登り始めた
これにスペイン槍兵の逆襲が発起し、土塁上で激しい白兵戦が展開されることになった
この逆襲はほとんど成功しかけ、フランス軍は壕から押し戻され始めた
実際、ナバロはチェリニョーラの再現に成功したように見えたし、
一部の部隊は勝ち鬨を上げてフランス軍への追撃を開始していた
そんだけ