ヨーロッパの剣は…

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 イタリア戦争初期は、フランス野戦戦力の中核であった装甲槍騎兵の戦力は
貧弱な他の野戦兵科を補って余りあった
 スイス傭兵を雇用することによって槍兵を調達しようとするフランスの政策は
槍兵の常備戦力を削減させることになり、慢性的な槍兵の不足を引き起こしていたが、
フランス軍はそれほど悲観していなかった

 1495年のフォルノヴァの戦は、フランス、イタリア両軍とも砲兵を投入していたが、
砲兵は緒戦時の短時間の斉射以外はほとんど戦闘に関与しなかった
 イタリア騎兵はフランス軍が戦闘展開を完了する前に不意を打とうとして
雨で増水したタロ川を強行渡河して突撃した
 このような突発的な戦闘に対処できる兵科は騎兵だけだったため、
フランスは騎兵により反撃し、典型的な騎兵戦の後にイタリア騎兵を川向こうに
追い返した
 騎兵が主役の戦闘であったにも関わらず、この戦闘におけるフランス軍の
死傷者は、騎兵よりもイタリア騎兵に追い回された歩兵のほうが多かった
 フォルノヴァにおいて、騎兵の戦術的価値が低下したことを示唆する要素は
全くなかった
 新しい形態の野戦は、フランスと同じようにイタリアに介入を始めたスペインとの
一連の戦闘で出現することになる


そんだけ