ヨーロッパの剣は…

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563お馬と槍と
>>562
名著ですね
御存知の通りネタ元はその本です
しかし、引っ越しの際に紛失してしまったため、他の本や歴史年表なんかを引っくり返しつつ
うろ憶えの記憶で書いてます
間違いあったら訂正お願いします

 1304年、モン・ザン・ペヴェールの戦で、フランドル軍はクルトレーの戦を
再現しようとしていた
 フランドル軍の陣地は1000メートルに達する長大なものだったが、
前線に車輪を外した荷車を鎖で繋いだ3線の障害物で守られていた
 陣地には1万5千の槍兵が配置され、弩兵が使う大型の盾が並べられていた
 フランドル軍の作戦は、フランス軍をこの強力な陣地に誘引し、
もう一度「金の拍車」を奪い取ることだった

 一方、フランス軍はフランドル軍の堅固な野戦陣地を見て本格的な攻撃を諦め、
フランドル軍を陣地から引きずり出すことを考えた
 散発的な弩の射撃、騎兵の偽突撃等が繰り返されたが、功を奏することはなかった

 結局、戦いの帰趨を決めたのは戦士としての資質だったのかも知れない
 8月の照りつける日差しの中で、先にキレたのは平民の槍兵だった
 フランドル軍は全力出撃を決心し、巨大な横隊を維持しながらゆっくりと
前進を開始した
 フランドル槍兵は、敵と交戦しながら横隊を整然と維持して前進するという
離れ業をやってのけたが、結局、巨大な戦線の統制を失い、フランス騎兵の突撃により
大量の損害を受けるになった

 この戦闘で、槍兵はその能力がいかに限定的であるかを露呈した
 後の1328年、カッセルにおいてフランドル軍はもう一度クルトレーの再現を試み、
そしてモン・ザン・ペヴェールをより悲惨に再現することになる

 スコットランドとフランドルでの一連の戦闘は、中世ヨーロッパにおいて
徹底した防御戦術こそが勝利を得る最上の策であり、攻撃に出ることが
いかに自滅的であるかを夥しい流血とともに証明し、以後の戦術に大きな
影響を及ぼすことになった


そんだけ