ヨーロッパの剣は…

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559槍、戦場のその他大勢たち
 寄せ集めの雑兵、士気と練度が低く、戦闘よりも掠奪を好む無法者とするイメージの
付きまとう中世ヨーロッパの槍兵であるが、彼らは自分達が戦場においてやるべきことと、
隊列の重要性については十分に認識していた
 そして、実戦ではそうではなかったかもしれないが、少なくとも
自分たちが十分な装備と訓練を与えられていたと考えていた
 槍兵は、通常、可能な限り密集した隊形を組んで槍襖を構成した
 このような隊形では、隊形全体を維持するためには必要とあらば
一部を平然と見殺しにする覚悟が必要とされた
 槍兵は、断末魔を上げる僚友の隣で槍を前方に構え続け、その場で死ぬことが
要求されていた
 槍兵の密集隊形が装甲槍騎兵の突撃を正面から受け止めるためには
非常な勇気と意志、義務、団結などが必要とされたが、それは騎兵とて同様だった
 騎兵は、乗馬の蹄が先頭の槍兵を蹴り倒す前に槍兵たちが逃げ散ってしまうことを
内心では望んでいたが、槍兵が最後まで踏み止まったからといって
突撃を止めることはなかった
 結果、騎兵と槍兵の正面衝突はお互いにとって凄まじい試練となった


そんだけ