ヨーロッパの剣は…

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512長弓射手をやっつけろ
 フランスの騎兵達は中世騎士の例に漏れず飛び道具を操る兵士を嫌悪していたが、
イングランドの長弓戦術を侮ってはいなかった
 フランス軍は、同盟国であったスコットランド軍があれ程壊滅的な敗北を喫した
原因について十分分析していたと思われる
 1339年、ラ・フラマンジェリーで英仏両軍が対峙した際、エドワード3世は
ダブリン・ムーアで地獄を築いたあの三日月陣をとったが、結局睨み合いのまま
戦闘に発展することはなかった
 長弓戦術にとり、攻勢とは即ち戦術上の利点を放棄することであり、
フランス軍もその点は熟知していたのだろう

 フランス軍は、防御に徹したイングランド軍を打ち破るべくいくつかの方法を試みた
 1346年、クレーシーの戦でフランス軍はジェノヴァ傭兵の弩兵6000名を
戦闘に投入した
これは、イングランドの準備した長弓射手とほぼ同数で、弩の射程の利を活かして
長弓射手を圧倒できると期待されていた
 しかしながら、長弓の圧倒的な発射速度の前にわずかな射程の有利は功を奏さず
結局痺れを切らしたフランス騎兵が突撃を開始した
 そして、これが15回跳ね返された突撃の第1回目となった


そんだけ