続・獣巡ねこたま艤装計画

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266あんたら@もう寝ようかな
(つづき)
話を元に戻して、ここからがホントの主題。
装薬が日米で大きく異なる。ここがポイント。
3年式15.5cm砲は分離式薬包。戦艦の主砲や8inなんかと同じ。
6in砲Mk16は半分離式薬莢。これは傑作との誉れ高い5in38口径高角砲Mk12と同じ。
薬莢式の方が当然装填時間が短くてすむ。この差が毎分3発の差になるにゃ。
もうひとつ。
弾丸の装填可能位置だが、3年式15.5cm砲の3連装砲塔は+7°で固定。
6inMk16の3連装砲塔は+20°までの範囲内で自由。
+20°というのはだいたい射程18000ヤード付近かにゃ。
18000ヤードを切った距離ならMk16は装填の度に砲身を上下する必要がなく、詰めちゃ撃
ち、詰めちゃ撃ちてなことができる。このときの発射速度は毎分10発。つまり3年式15.
5cm砲の2倍。
8in砲であっても20000メートルでの射撃なんてまず当たらない。勝負は15000メートルと
か、それ以下の距離になる。
それくらいの、最も活発に砲戦が行われる距離では、ブルックリン型1隻は最上型2隻に相
当する。ブルックリン恐るべし、にゃ。
単位時間あたりの投射弾量で比較すると・・・

タスカルーサ(8inL55×9)…152(kg)×3(発/分)×9(門)=4104(kg)
最上@改装後(8inL50×9)…125(kg)×3(発/分)×10(門)=3750(kg)
ブルックリン(6inL47×15)…59(kg)×10(発/分)×15(門)=8850(kg)
《発射速度を毎分8発と見積ると59(kg)×8(発/分)×15(門)=7080(kg)》
最上@改装前(6inL60×15)…56(kg)×5(発/分)×15(門)=4200(kg)

アメリカの砲戦巡洋艦の主力は隻数だけでなく、日本海軍に対する戦術思想においても
6in砲搭載艦が主力であり、8in砲搭載艦はその補助であったのではないかと推察するにゃ。
8in砲搭載艦は打撃力の強化、特に遠距離砲戦における6in砲の不利をカバーするものだが、
既述のように20000メートルを超える距離ではまず当たらないにゃ。
15000メートル以下になれば6inMk16の発射速度の高さがモノを言う。投射弾量で圧倒でき
る。それに日本の大型巡洋艦は砲塔と魚雷発射管に防御上の弱点を抱えているから、6in
砲で戦闘能力を喪失させることが十分に可能だにゃ。

クリーブランド型で6in主砲が3門減ったのは、「15門もいらないにゃ」と思ったんでしょ
うね。また、50隻を超える大量建造計画になったのは、ひとえに6inMk16の優秀さがある
と思うにゃ。
もうお分かりだと思いますが、WW2に就役した巡洋艦が搭載した6inクラスの砲の中では、
Mk16はダントツ最優秀の砲にゃ。
それと、日本海軍が最上型砲力の主砲を8inに換装したのは正解だと思うにゃ。
3年式15.5cm砲のままだとブルックリン型にはで対抗できないんだから、1発の威力に頼る
より他ないということにゃ。

酸素魚雷なくしては日本の巡洋艦は砲力においては同格の艦には対抗できない。だから、
主砲って実は格下の艦の排除用ということになるにゃ。
やっぱり日本の巡洋艦は魚雷が主兵装だということですにゃ。

<結論>
69式氏マンセー!