リレー小説!!北朝鮮vs日韓米連合軍

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既に爆撃機の度重なる攻撃によって札幌市街地は瓦礫の山と化し、
街からは市民の姿は消え、あちこちの角にロシア人の歩哨が銃を持って
警戒していた。

ロシア軍によって接収された赤レンガ(旧北海道庁)には鎌とハンマーの
旗が翻っていた。
その一室でユーリー・ガガーモフは部下からの電話を受け激怒していた。

「まだ千歳には進軍できんのか!!
いったい何をやっている?」
「申し訳ありません。実は猿どもが南部の森林地帯に拡散し、
われわれの補給部隊を大曲付近で攻撃します。
そのため36号と高速道路をさけて274号を進みましたが
上野幌付近で地雷らしきものの攻撃を受け掃討に手間取っています。」

旭川と札幌近辺のいくつかの基地を叩き潰せば北海道占領は赤子の手をひねるようなものと考えていたユーリー・ガガーモフにとって部下の報告は意外であった。
同時に札幌市長を勤めていた板垣にとっても、札幌緑地ベルト構想がゲリラ戦術を
展開する上で役立っているのは意外だった。
札幌の周囲を太さ数キロメートルの太さの緑地帯(グリーンベルト)で囲む政策は
完成していなかったが、自衛隊員たちはおそらく西岡水源地の南に広がる原始林
地帯や野幌森林公園、島松演習場などを隠れ蓑にしているだろう。
しかしこれは自分の胸にしまっておけば良いことだ。
心の動揺を監視兵に悟られないよう、板垣はまた目をつぶり眠り込んだ振りを続けた。
****
ロシア軍が進軍しようとしている道路からやや離れた藪のなかに気配を立てないよう
に後ずさりする男たちが居た。しかし自衛隊員ではないようだ。
(やはり文明兵器の弱点は文明だ。)川村は崖の下で紅蓮の炎を上げて燃え盛る
タンクローリーの姿を思い出しながらすばやくその場を立ち去った。
さすがに爆撃機を落とす武器は持っていないが、大地の上を動くものなら
何とかなる。
川村は再びしゃがみこんで後続の輸送車の車体の下にねらいを定め、
ダイナマイトをくくりつけた弓矢を放った。