リレー小説!!北朝鮮vs日韓米連合軍

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71一等自営業
対馬17;30
対馬警備隊は、いつでも連隊規模に拡大編制出来るようになっており
本部の機能も十分に余裕が持たせてあり、本隊の増援到着までの時間
稼ぎが絶対の急務であった。対馬の民間飛行場は急遽有事法制で接収
され、増援部隊と緊急物資を載せた輸送機が着陸してくる。対馬南方
の海上は自衛艦が配置につき、海上輸送ルートをなんとか確保していた。

対馬北部の海を見下ろす断崖の上の警備詰め所では、対馬警備隊勤務六年
目の堤陸士長が一個分隊を指揮して防戦していた。詰め所の有線電話は
とっくの昔に切れている。官品の無線機は電波妨害でノイズばかり。
個人所有の携帯で本管の准尉と短時間交信た。
「弾薬が足りません!半分使いました。」堤は泣出しそうな声を殺して
報告した。堤達は中年親父と思ってる定年間近の准尉の太い自信たっぷり
な声が「安心しろ!もうすぐ増援を送る。」・・・・

准尉と交信してから三時間たっている。もう何日もいるような気がするが
まだ半日しかたっていない。時々嫌がらせの北韓の銃弾が、詰め所周囲の
数箇所の援体(これかな?)の上をかすめる。

堤陸士長は6年のベテランで自分のいる対馬警備隊は、冬戦教や空挺レン
ジャーと肩を並べるくらいの精強だと自負してる。けど、怖い・・・
遠くで戦闘雑音が聞こえる。手榴弾の爆発音も混ざってる・・・
怖い!・・・。分隊で負傷者が出たらどうしよう・・そんな訓練受けて
ないよ。自分が負傷や死ぬことまで頭が回らなかった。

堤は西側の援体に大声で伝えた。各援体は連絡壕で繋がっていなかった。
今にして思えば・・・「吉田!暗くなったらそっちから突撃してくるぞ。
そのときはフルで射撃。阻止しろよ!」
「わかりました!」元気な声が返ってきた。西側だけが、この狭い山頂の
詰め所に繋がったまともな道なのだ。あとは対馬特有のねじれた樹木で
覆われた斜面と、海側は急傾斜の断崖でさっきは下のどっかから手榴弾が
投げられたが届かなかった。チョイ下で爆発して誰かの悲鳴が聞こえた。
ちょんの野郎だ。と堤は考えた。
吉田は都会者でどっかの馬鹿な戦争劇画の影響で対馬警備隊を志願んだ。
このときを待ってたかのように張り切ってる。手榴弾を数個並べて安全ピンを
ゆるめてるに違いない。いつもはウルサイ安全規則などクソ食らえだ。

日が暮れてきた。視界が悪い・・・闇は恐怖心を倍化してくる。
堤は恐怖心を顔に出さないように決心した。