リレー小説!!北朝鮮vs日韓米連合軍

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北九州市。先ほどまでの雨は止んでいたが、湿度が高く蒸し暑かった。
空は曇っている。数百人の市民が集められていた。
銃を持った中国兵が市民の周囲を固めていた。市民の前には数人の中国軍将校と日本人が立っていた。
そこへ3人の陸上自衛隊員が、中国兵に銃を突きつけられながら姿を現わした。
1人は2尉で、2人は陸曹だった。
脚を骨折しているのか、その2尉は2人の陸曹に両側から支えられていた。
哀れな姿だった。3人とも戦闘服はズタズタにされ、顔は傷だらけ。
捕虜になった時は無傷だった。傷はすべて2日間の拷問によるものだった。
3人とも虚ろな視線を、目の前の市民に向けていた。
市民たちも、3人の自衛官に虚ろな視線を向けていた。
1人の中国軍将校が進み出る。何かをまくし立てる。傍らの平服の日本人が通訳する。
「本日ここに戦時戦争裁判臨時法廷を開廷する。これら3人の日本人は武器を所持して
 解放軍の兵士を攻撃した。真ん中の男に訊く。お前は何者だ?」
傷の痛みに失神しそうになる2尉は、懸命に意識を奮い立たせて答える。
「我々は陸上自衛隊の隊員だ。何度言ったら分かる?!」
2尉が叫ぶ。通訳は中国軍将校に伝える。中国軍将校と陸自2尉との間で奇妙なやり取りが始まった。
「陸上自衛隊とは何だ?」
「何を聞いてるんだ?陸軍みたいなものだ!」
「陸軍?と言うことは軍隊なのか?」
「まあ、そんなもんだが・・・」
それを聞くと中国軍将校は、傍らの日本人を聞いた。
「同志、日本に軍隊はあるのか?」
「いえ」と言いながら1人の日本人が進み出る。30代の女だった。
市民の中から「あっ!△×中学の○×先生だ」と囁き声がする。しかし中国兵を恐れすぐに静かになる。
「日本に軍隊はありません!日本は平和憲法で軍隊を持たないと宣言したんです」
その「○×先生」と呼ばれた女はキビキビと言った。
「では自衛隊とはなにか?」中国軍将校が聞く。
「はい!自衛隊は日本の帝国主義者が平和憲法に違反して造り上げた暴力集団です」
女は自衛官に軽蔑の視線を向けながら、まくし立てる。
「何を言う!」2尉が怒りの声を上げる。すかさず中国兵がライフルの銃床で3尉の
腹部を殴打する。「ううっ・・・」2尉は悶絶しながら倒れる。
「何しやがる!」2人の陸曹が中国兵を睨みながら、2尉を庇う。中国軍将校はそれを無視して続ける。
「では、この3人は軍人の恰好をしてはいるが、実は日本の憲法にも違反している暴力集団なのだな?」
「はい!そうです!」
女は得意げに答える。
「判決を言い渡す。この3人は日本の違法な武装集団である。よってジュネーブ条約に準じた捕虜としての
 待遇を受ける資格は無い。即刻銃殺刑を言い渡す」
中国兵が市民の前に3人の自衛官を引きずり出し、銃を突きつける。自衛官たちは叫び、喚く。
曇天に銃声が響く。市民は虚ろな視線で、処刑を見つめていた。