リレー小説!!北朝鮮vs日韓米連合軍

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今週分のアニメを上げてから、中村のいるアニメスタジオは、仕事がなくなっていた。大陸、半島と戦争になっているのだから動画が入らなくて当たり前なのだが。
スタジオでは、スタッフの一部が開戦以来、国内外のニュース、対馬防衛戦や北海道での爆撃など伝聞をネタに盛り上がっていた。映像を見るとそこから絵を起こしてしまうのは、職業病に近い。あれは、4枚でいけるね。いや、5枚だよ、と。

その盛り上がりを後に、二人の男が廊下を通って、ロビーへ向かった。
廊下でタバコに火をつけながら動画の大平が、言う。
「しかし・・・どうなるんですかね?」
「なにが?」
木野内は、作画スタッフである。今朝方制作の憔悴しきった伊東と話をした事が、どうしても頭を離れなかった。
実際、スタジオの制作部の人間は、開戦以来昼も夜もなく、スポンサー、放送局、他のスタジオ等との折衝、情報交換で疲れきっていた。下請の韓国動画と、全く連絡が取れないのも、気が気で無かった。こちらからのスタッフも派遣されているし、顔を声を知っているスタッフばかりなのだ。

「何がって、次の仕事ですよ。動画を受けてくれるとこなんて、無いじゃないですか。第一、テレビつけてもどの局もニュースばかりだし」
木野内は、自分の仕事について考えられるだけ幸福だな、と思いながら同調していった。
「だな」
タバコを止めてから、どのくらいだっけ?マルボロを旨そうに呑む大平を見て、木野内は思った。
600545:2001/07/07(土) 00:32
その日の朝。
作画の木野内は、出社すると制作の伊東に呼び止められた。
「木野内さん、ちょっと」
「あ、おはよう、伊東君。なに?」
木野内は、伊東の表情に何かあるな、と感じながら伊東について、制作の雑多な狭い部屋に入っていった。
「実はね、I・Gから次の作品の下請をやってくれないかって、話が来てるんですよ」
「下請?うちが?この御時世にかい?」
「ええ、企画はテレビ局からみたいなんですけどね。詳しい事は、まだなんですが」
「・・・へえ、テレビ局からのねぇ」
気野内は、嫌な予感がした。局からの依頼は碌なものがない。

「ええ、国内で動画受けられる所がないのでって」
「うちで動画をって事はコスト度外視だね。・・・戦意昂揚って、やつか・・・」
暫くの沈黙。当然だ。何を描かされるか分かったものではない。基本的に個人のつながりの中に生きている業界なのだ。相容れない仲間も出てくるだろう。
「でも、企画はどうまとめるんですかね」
「この手のネタは、いろんな所にあるもんだよ。戦闘を扱うのは慣れたものだし、スタッフも最新の映像で勉強してるからな」
その日の夕方、次回作の話を全てのスタッフが聞かされた。