リレー小説!!北朝鮮vs日韓米連合軍

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赤レンガ(旧北海道庁)や植物園にも近い北海道ウタリ協会本部の一室で額を寄せて黙り込む男たちの姿があった。ガラス戸に小雨がぱらぱらとあたり、重苦しい雰囲気のせいで部屋の中はさらに薄暗く感じられた。
まず口火を切ったのは小山だった。
「これはまたとない機会というべきだ。
確かにいままでチャランケ(話し合い)で解決しようとしてきたが、
今を逃せば今まで犠牲になってきた先祖たちに顔向けできない。
若い衆も無謀だが、これを機会にみなでまとまるべきだ」
「しかし、今動いて成算はあるのか?シャクシャインの時に鉄砲という武器に太刀打ちできなかったせいで涙を飲んで松前藩に膝を屈したことはしっているよな。今だって武器でいったら全然敵わないんだぞ。へたしたらアイヌは全滅だ」
「秋田、その悔しさを物心つかぬうちから聞かされて育っていないものはこの中にはいないはずだ」
「そんなことより」川村はこう引き取って続けた
「今は露助、日本、そしてNHKに立てこもっているわかもんたち、いやバカもんと言っても良いかも知れんが、アイヌ全体としてこれらにどう向き合うか決めるのが一番大事だ」
何人か得心したようにうなずくものがいた。
「でだ、まず露助なんだが俺が感じたところではどうもあいつらは信用ならん、
と思う。散々甘いこといっているが目を見ていると心のそこからそう言っているとはとてもおもえん。」
「しかし、申し出にのってみてそれから判断しても良いのではないか」
「俺もそう思う」
「しかし、ロシアも最近は自衛隊にやられて退却しているというではないか。
わざわざ手を貸して日本人の憎しみを受けるのはまずいのではないか」
自治と権利回復という言葉に魅力を感じるもの、申し出を断るべきと説くもの
真っ二つに分かれた中で不意に男たちの中で一番最長老らしい老人が
口を開いた。
「わしはこうかんがえたんじゃが、どうじゃろう?」
みなが老人を注目する中、老人は言葉を続けた
「危害を加えられない限りにおいて双方邪魔立てはしない。」
静まり返った部屋の中で老人はさらに続けた。
「だが、誰かの血が大地に流された時点で報復すると」
*****
その晩深川市街地近くの幕舎で「糞いまいましいクリル人どもめ」
と呟くユーリー・ガガーモフの姿があった。
男にはさらに旭川まで撤退するか、留萌方面に進むか、まだ
結論をつけていなかった。