リレー小説!!北朝鮮vs日韓米連合軍

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470一等自営業
北海道 道央 

北部方面隊は各師団の特科を集成し、北部方面隊直属として
その前線指揮所を剣淵町の近くの森の中に置いた。指揮官には
特科の神様である富士教導団研究本部の橋田一佐が赴いた。
橋田一佐は完全に偽装されたテントの中で、他人任せにせず
自分と幕僚とで徹夜で射撃計画を作っていた。見た目どっかの
大学教授のような橋田一佐は言った。
「そろそろ始めようか・・・」
とても戦史に残るような名言ではないが、そのお気楽な言葉に
長年の自信があった。迫撃砲に74式や90式の主砲、果ては
MLRSの導入された兵器の射表プログラムは全部この見た目
パットしないオヤジが作ったのだ。誰よりも専門家であって
火砲の総てを知り抜いている。

計画は簡単だった。幅2キロ長さ1キロの長方形に集成した
師団特科(砲兵)とMLRSで同時交差射撃を加えるのだ。
一つのブロックを斎射すると、射程を延伸し次のブロックに
射撃を加える。これを士別町の南から名寄町の北まで続けていく。
後には動くものは理論的にないはずだ。

MLRSは射程は長い、特科のFH70も最大射程は30
キロあるが遠いと散布界も大きくなる。ここは小さく刻んだ
ほうが効率がいいはずだ。MLRSは榴弾と目標識別の目を
持った対戦車用子弾は混ぜて使える。かたやFH70は
対人用の白燐弾と破壊力の大きい榴弾を撃てる。

「始めましょう・・・」橋田一佐の命令が飛んだ。
前線指揮所の指揮所の多数のモニターには、伝送した各特科
中隊の射撃諸元と弾種に弾数が表示され、モニターの端には
それぞれの気温に気圧がでていて、中隊本部では各砲にその
諸元を送るだけだ。同じことがMLRS大隊から中隊に諸元
が送信され、操縦室でMLRS用の射撃諸元をインプットした。
まずMLRSが数分早く発射した。
特に意味はない。交差射撃での空中衝突を避けるためだ。
MLRSのロケットは轟音と白煙を噴いて士別の空へ
飛んでいった。