佐藤大輔スレPart4 急いで待て 

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487名無し三等兵
>>422
 風邪で寝込んでました。返事遅れてすみません。

 コナン=ドイルはホームズを生んだことで人気を博した。ホームズには類似
のライバルたちが続々登場し、推理小説というジャンルが短期間で確立した。
が、本人は歴史小説家と呼ばれたかったのだ。ドイルはホームズをやめたかっ
た。実際やめて、一度はホームズを死なせもした。そして歴史小説を書いたが、
そちらのほうはパッとしなかった。ホームズでなければチャレンジャー教授
(ロストワールド)、それがドイルに対する評価だった。と、これが答えです。

 この線で考えたときの、推理小説と仮想戦記の違いは何か。実はホームズに
は、知力を問うタイプの推理小説としては欠陥があった。「ずるい」要素を使っ
て犯人をあてていた。ホームズを越えようとしたライバルたちは、「公正な」
推理を競う方向に向かった。この現象は、ドイル=荒巻、ライバル=佐藤に重
ね合わせればいいだろうか。

 だが違うのは、佐藤と同じ方向に走った作家があまりに少なかったことだ。
推理小説は厳しい制限下での知的ゲームとして育った(やがてその反動もきた)
が、仮想小説は無制限に好きなことを書けるものにとどまった。なぜだ。推理
小説とても、人間ドラマの要素を削り落とし、お偉い文学者には無視され、社会
的地位も低かったのに。