〜起て! 萌えたる者よ〜 慶祝スレッド第七章

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77醍醐旅団長
旅団長のひ・み・つ☆手記

 大変な事になってしまった……(冷汗)
 吉野御所の居候……いや食客の事である。
 “加藤”と名乗る男が連れてきた新たなる皇女“萌姫”(いたいけ類ダウナー病弱系お人形を片時も離そうとしない上目遣い目無口で弱気種)にな・ぜ・か、懐かれてしまったのである。私が御所へ参上すると気配もなく、私のすぐ後に隠れるようにして軍服の裾を離そうとしない。
「すみませんが、執務中なので」
 と離れようとすると、涙目で私を上目遣いで見上げながら、ふるふると首を振るのである。そもそも、これで少女を邪険にするようであったなら“萌道”を標榜する資格などない。が、非常に困った。
「どうやら気に入られてしまったようですな」
 と加藤は笑って言う。どうも加藤はこの姫に大変に信頼されており(うらやましいことだ)、決して離れる事はないのだが、一面姫には大変恐れられているようでこのような懐かれ方はしていない、との事だ。どうも複雑な関係らしい……。
 確かに少女に懐かれるのは悪い気はしないのだが、私の萌誠の対象は唯一萌之院殿下だけである。それが困った事に萌之院殿下の視線が痛い。
 決して嫉妬などという麗しい感情などではない、ようするに普段使っている靴置きを他人に勝手に使われて機嫌が悪いといった感情と思われる。とても、視線や表情が冷たく私に突き刺さるようになってきているのだ。
「その子に好かれたんだったら、お前も東朝へ行ってしまえば?」
 などとのたまう。
「軍事顧問としても萌えの伝道師としても、中佐がいるしね」
 ……シャレになってません……、お仕置きの方が数万倍楽でございます……。
 ちなみに殿下は“萌姫”に対しては優しく、三角巾で一緒に御仕事しながらの女官井戸端会議情報によれば御寝所で魘される少女に添い寝してやりながら介抱してやったり、ぬいぐるみを貸してあげたりしているそうだ。
 あああ、それ素晴らしく萌える光景であらせられる……。
 「寂しいときはねこうやって“ぬいさん”に話しかけるの」と御教えする殿下、「……ぬい……さん?」と小首を傾げる萌姫。
 ああああああ! ナイスですキュートですラブリーですプリチーですっっっ!
 ですから、本当に殿下あっての“萌え”であり、廣瀬なのであります。少女に対する感情とは別物ですゆえ、どうか御見捨てならぬよう、伏して御願い奉ります……。