〜起て! 萌えたる者よ〜 慶祝スレッド第七章

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616萌之院
たまには愚痴を言うのもよいことみたい。目が覚めたとき心配そうにわたしの
顔を見ていた女官たちやあきいえの顔を見ていたら、くよくよしている自分が
馬鹿のように思えてきたわ。時々はあの男たちの顔を思い出すかもしれない。
でも、彼らは別にわたしのために死んだわけではない。何よりも自分の心に忠
実だっただけなのでしょう。では、わたしもどこまでも自分自身の心に忠実に
生きてみよう。まだ、この国の行く末を見届けるまでは逃げ出したくはない。
しかし、このごたごたが収まったあとも生きていて、わたしも旅団も不要になっ
たその時には、一人の人間として幸せを求めてみましょう。考えてみればこれ
まで主としてどうあるべきかということはいつも頭を離れなかったけど、自分
の幸せが何かということなど考えたこともなかったわね。
いつかあの男にも、主人と臣下という立場を離れて感謝を示すことができるで
しょう。その日が来ることを信じて頑張らなければ。そう、今はまだ逃げ出し
てはいけない。なによりもそのような自分をわたしは許せない。
旅団の兵士たちにも余計な心配をかけたかもしれないわね。でも、かれらなら
わたしの態度と姿を見れば、わたしがもう落ち込んでなどいないことはわかる
でしょう。いつから素直にありがとうと言えなくなったのかしら。でも、それ
ももうすぐ……。