〜起て! 萌えたる者よ〜 慶祝スレッド第七章

このエントリーをはてなブックマークに追加
241海上護衛総隊大井篤大佐
「帝国は、大陸との全面戦争に突入します。すくなくとも、この10年以内に」

「C国、ではないのですねーっ そして、その戦争のクライマックスはっ、第二次日米戦争ですーっ」

「幕府」と大井大佐が呼んだ施設の内部には、北極を中心に置いた巨大な世界地図が中央に
設置してあった。そして、その地図の上に映る光点は、日本のみならず米露中を初めとする
世界各国の艦艇、航空隊、師団等の戦闘部隊を現していた。

「これは、現時点での各国軍の部隊の動きを現しています」

「そしてーっ、ここに軍隊だけではなく、人々の動きや、物流も映すことができるのですねーっ」

「……仰るとおりです」

大井大佐は、これから見せようとしていたショウを言い当てられて、わずかに鼻白んだ。

「あははーっ、わざわざ「総力戦研究所」とおっしゃった以上、見せてくださるのは軍隊のお話だけではないのでは、
と思っただけですーっ それに、大陸との全面戦争、とおっしゃいましたーっ つまり、C国指導部、ではなくてっ、
これから起こるかもしれない大陸での内戦に帝国は全面的に関与せざるを得なくなる、とゆ意味なのは明らかですーっ」

わずかにかしげた小首と、その小さく桜色をしている唇に小さな指先を当てつつ、
少女は、はっきりと結論を明言する。

「それでは、御覧下さい」

そして、そこに映し出された光点で現される経済活動は、まさしく世紀のショウであった。

「今回のC国Nk国の敗戦によって、C国指導部はクーデターののち交替され、萌豹を主席とする軍部が権力を掌握しました。
そして、軍人には経済はわかりませんし、C国国民も、失われた新彊維吾爾地方と東北地方内蒙古地方の奪回を
政府に期待しています。台湾までどさくさにまぎれて独立を果たし、米露でその影響力を行使するための競争が始まっている
という状況では、他に選択肢はありません。
すでに、C国軍は行動を開始し、熱河州に大規模な部隊を集結させています。
まあ、兵站的に見ても、現在のC国の国力では、新彊維吾爾の解放はまず無理ですからね」

「そして、すでに国連軍の平和維持軍の第一波は、奉天やハルピンに入っております。
R国軍はすでにPMFと入れ換わりに後退しつつありますが、C国指導部はだからといって政治的に
それを見過ごすことはできないでいます。国民が、東北地方の奪回を求めており、脆弱な基盤の萌豹には、
それを拒むことはできないからです」

「我が国からC国へ流れていた資本と、物流は、この戦争の結果、完全に止まっております。
そして、C国の経済は、あまりにも深く我が国に依存するようになってしまっています。そして、結果としてC国は、
我が国との経済的関係が破綻したことによって、国内経済が崩壊直前であり、なんらかの形で国民から
その事実を隠さなければらないのです」

「今のC国では、PMFに戦争をしかけて、勝利することは不可能でしょう。そして、その次に来るのは、体制の崩壊と
五胡十六国もかくやという中小国家の乱立と、覇権争いです。当然、膨大な難民が生まれ、周辺諸国へ流れ出すでしょう
我が国としては、今現在の国力では、それを受け入れるわけにはいかない。台湾もそうですし、半島だってそうだ」

「そして、そうなることを防ぐためには、大陸周辺国家が連合して大陸に干渉し、状況を安定させなければならない。
だが、その結果、大陸に最も大きな影響力を持つことになる国家はどこか? それは、我が日本です。
いや、ならざるを得ない。我が国以外、大陸を経済的に支えることができる国家はいないのですから」

「そして、その様な極東に地域派遣国家が生まれる状況を、アメリカが見過ごすわけがない。
自分達の血を流したくはないが、さりとて日本が地域派遣大国としてアメリカから独立を果たすことも望ましくない。
あくまで日本は、アメリカにとって都合のよい経済植民地で居てくれなければ困るのです。
日本の金融力がなければ、アメリカはパクス・アメリカーナを維持できないのですから」

「かくして、互いが望まないのにもかかわらず、日米はC国の崩壊によって必然的に対立せざるを得ない
状況へと突き進む羽目になるのですよ」