泣ける話

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739名無し三等兵
737さんに補足します。涙が止まりません。

大石清伍長「妹への手紙」

 静(せい)ちやん お便りありがたう。何べんも何べんも読みました。お送り
したお金、こんなに喜んでもらへるとは思ひませんでした。神だな(棚)などに
供へなくてもよいから、必要なものは何でも買つて、つかつて下さい。兄ちやん
の給料はうんとありますし、隊にゐるとお金を使ふこともありませんから、これ
からも静ちやんのサイフが空つぽにならない様、毎月送ります。では元気で、
をぢさん、をばさんによろしく。

兄ちやんより

このあとが737で紹介された遺書です。
740名無し三等兵:2001/06/17(日) 07:39
上の遺書を託された兵からの手紙

大野沢威徳からの手紙(万世基地にて)

 大石静恵ちやん、突然、見知らぬ者からの手紙でおどろかれたことと
思ひます。わたしは大石伍長どのの飛行機がかりの兵隊です。伍長どの
は今日、みごとに出げき(撃)されました。そのとき、このお手紙を
わたしにあづけて行かれました。おとどけいたします。

 伍長どのは、静恵ちやんのつくつたにんぎやう(特攻人形)を大へん
だいじにしてをられました。いつも、その小さなにんぎやうを飛行服の
背中につつてをられました。ほかの飛行兵の人は、みんなこし(腰)や
落下さん(傘)のバクタイ(縛帯)の胸にぶらさげてゐるのですが、
伍長どのは、突入する時にんぎやうが怖がると可哀さうと言つておんぶ
でもするやうに背中につつてをられました。飛行機にのるため走つて
行かれる時など、そのにんぎやうがゆらゆらとすがりつくやうにゆれて、
うしろからでも一目で、あれが伍長どのとすぐにわかりました。

 伍長どのは、いつも静恵ちやんといつしよに居るつもりだつたのでせう。
同行二人・・・・仏さまのことばで、さう言ひます。苦しいときも、
さびしいときも、ひとりぽつちではない。いつも仏さまがそばにゐて
はげましてくださる。伍長どのの仏さまは、きつと静恵ちやんだつたの
でせう。けれど、今日からは伍長どのが静恵ちやんの”仏さま”になつて、
いつも見てゐてくださることゝ思ひます。

 伍長どのは勇かんに敵の空母に体当たりされました。静恵ちやんも、
りつぱな兄さんに負けないやう、元気を出してべんきやうしてください。

さやうなら