独ソ開戦から60年、本当はどうだったの?

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421ドイツ空軍の黄昏
「ヒトラーの戦争」(デイヴィッド・アーヴィング 早川書房)P296
・・・前略・・・・クライペ将軍が九月三日燃料状況について―すべての
爆撃機および一部の戦闘機と急降下爆撃機の作戦を切り詰めなければ
ならないほどいまは深刻であると―説明したあとで、ヒトラーは
「空軍をすっかり解体して、対空火砲を三倍にすることを考えている」
と述べ、空軍参謀総長をたまげさせた。ゲーリングが五日、“狼の巣”
に恐る恐る再び姿をみせると、ヒトラーは空軍攻撃を繰り返した。
クライベの日記はこう記録している―

 総統がまずしゃべった。空軍非難の長広舌、空軍は全然よくない、
年ごとに悪くなる、生産数字と航空機の性能についてもずっと嘘
をつかれた、フランスにおける完全な崩壊、地上員と無線部隊は
陸軍の戦闘を援けようとしないで命からがら飛行場を捨ててあわて
ふためいて逃げ出した、と。
 Me262の件が再び議論になった。なんで「高速爆撃機」しか考えられない
かについての同じ議論、将来はMe262だけ生産するとともに、対空火砲を
三倍にする考えを前より穏やかな形で再び展開。・・・・・・わが方の戦闘機の
設計はみな間違っている、四発爆撃機と闘うのに必要なのは、大口径の
機関砲を備えた双発の重戦闘機である、全国元帥の要求で、戦闘機中隊
を指揮している〔ハンス・〕ベーム=テッテルバッハが呼び入れられた。
経験から彼は、戦闘機に護衛された重戦闘機でさえも重爆撃機と闘う最善の
方法でないと説明した。ベーム=テッテルバッハは乱暴に退去を命ぜられた。