軍事板 書評スレッド

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127名無し三等兵
チャーチル「第二次世界大戦」

なんといってもノーベル文学賞受賞だ(w
まあ、それはともかく戦争指導者の視点を知るには
かっこうの本でしょう。
128名無し三等兵:2001/02/16(金) 03:27
いまさらですが、あがっていないようなので一応書きます。
戦略を語るならこれが必読。

「孫子」
クラウゼヴィッツ「戦略論」
マハン「海上権力史論」
マキャベリ「君主論」
ハート「戦略論」

次点 モーゲンソー「国際政治」

軍事板に書きこむくらいの人なら全員読んでるでしょうけどね。
129127=128:2001/02/16(金) 04:11
1の書きこみの趣旨からもう少し丁寧に紹介します。

「孫子」−古典中の古典。あまりにも大雑把といえば大雑把な内容ではある。
     それに断片的な記述がしてあるだけともいえる。しかし、こと戦略
     についてこれ以上の知恵がつまっている本はいまだあらわれていない
     ともいえよう。ナポレオンが読んでいなかったことを嘆いたことでも
     有名。

クラウゼヴィッツ「戦略論」
     ナポレオン戦争の経験からえられた教訓を体系化しようとした論述と
     いわれる。内容については毀誉褒貶があいなかばしている。しかし、プロの
     軍人に一番読まれている本だろう。よくも悪くも必読の本であり、軍人の
     常識の一部か。

マハン「海上権力史論」
     セオドア・ルーズベルトが読んで感激したといわれる本。それ以降
     マハン流のシーパワー確立がアメリカの国家戦略となった。そして、
     セオドアの甥のフランクリン・ルーズベルトが海軍のことを「My
     Navy」というくらいルーズベルト家は海軍に肩入れすることになる。
     米国の国策に関して絶大な影響があった本である。

マキャベリ「君主論」
     外交・国家戦略についての古典。国家指導者はどうあるべきか、
     どう行動すべきかについて指針となる知恵がつまっている。現代に
     おいても正しいかどうかはともかくとして、国家理性が求める
     正解の一つを示す本。

ハート「戦略論」
     著者はジャーナリスト。間接的アプローチという手法をこの
     本で主張した。たいした内容はないと批判する人も多い。
     しかし、戦間期において軍事に関し最大級の影響を持った
     著者の著作であるから、一読の価値はあるだろう。本人は
     英国人であるが、敵となったドイツ人も注意深くその言論を
     読みとっていたといわれる。

モーゲンソー「国際政治」
     著者はキッシンジャーの師匠といわれ、パワーポリティクスの
     提唱者。パワーポリティクスは冷戦期における米国外交の指針と
     なった外交アプローチである。ブッシュ新政権で国家安全保障
     担当補佐官となったライス氏の主張もこのパワーポリティクス路線
     そのもの。米国の行動を理解するうえで必読といえよう。
130127:2001/02/16(金) 17:27
下がってきているので上げよう。

カエサル「ガリア戦記」
    著者は人類史上最高の英雄の一人。軍人として政治家としてかつまた文人として
    あげくにナンパ師として最高の資質を持っていたといわれる。古代世界最強軍団
    ともいわれるローマ軍のことを知るには必読の書。ちなみに本書は近代以前のヨー
    ロッパにおいてラテン語の必須の教材として扱われアホ学生たちの怨嗟の的となっ
    ていた(w

宮本武蔵「五輪書」
    著者は剣豪として有名だが、本人は一介の剣達者ではなく兵法家を自認していた。
    書画家としても一流であったことは知る人ぞ知る事実である。バガボンドなんぞ
    読んでいないで、本書で文人としても一流であった著者の真髄をあじわおう。

陸奥宗光「けんけん録」
    著者は日清戦争時の外務大臣。坂本竜馬の仲間の一人でもある。1941年ハル・
    ノートをつきつけられた日本にはもはや開戦の道しか残されていなかった。そう
    安易に語られることが多いが、それは半分以上いいわけに過ぎないということを
    気付かせてくれる書。本書を読んでいると松岡があんなにアホじゃなければ、とか
    近衛がもうちょっとしっかりしていればとかいろいろと考えさせられる。日本の
    近代史を考える上で必読の書。
131127:2001/02/16(金) 18:22
日本の仮想敵国は中国だと語られることが多いこのごろ。中国を知るために。

司馬遷「史記」
    中国文化から滲み出た人間学の集大成ともいえる書。中でも史記
    列伝はどんな人にもおすすめ。

毛沢東「毛沢東選集」
    日中戦争で勝てなかったのは土地が広大だったからとか、人口が
    とにかく多すぎたとかアメリカの物資援助のせいだとか語られる
    ことが多い。しかし、本書は指導者の知的水準ことに洞察力にお
    いて決定的に負けていたことを教えてくれるだろう。「戦略なき
    日本」などといわれて、戦略がないからアメリカにいいようにさ
    れるのだ。それにくらべて戦前の日本にはちゃんと戦略はあった
    と語られることが最近多い。しかし、その戦前の日本もあれだけ
    あなどってばかにしていた中国にさえ戦略的思考という点では完
    全に負けていたということがわかる。また、毛がなぜあれだけのカ
    リスマ的指導者になりえたのかも、本書を読めばわかるだろう。
    もちろん、本人に都合よく編集されているだろうから、割り引いて
    読む必要はある。しかし、本書を読む限り並ぶ者のない賢者として
    状況を洞察し、神がかった予言者として人々に進むべき道をしめし、
    こと戦争に関しては彼の言った通りになったことがわかる。どういう
    編集がされているかはわからないから眉につばをつけて読む必要は
    ある。しかし、たんなるエロ親父でなかったのはたしかだろう(w
    ミネルバのふくろうは夕闇に向かって飛び立つという名言があるように
    後知恵で賢げに書かれた本は数多い。しかし、これは指導者本人の
    戦争当時の論説である。「銃口から政権が生まれた」という名言を
    残し、曹操を意識していたともいわれる著者のこの著作はこと
    軍事に関しては必読の書であると私は考える。