1 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
が最近よく聞かれますが。どんなもんでしょ?
撃墜にまで至らなくても日本機には被弾率上がるだけでかなり有効に
思えますけど。
相対距離を気にせずひたすら飛行機の方向に打ち上げてるだけで
攻撃機の照準を狂わせ、メカニックを破壊、安定した飛行を妨げ、
破片で穴を開けるのならやっぱり相当凄いでしょ?
たとえその場で落とせなくても。
3 :
名無し三等兵:2000/11/04(土) 17:25
まあある程度有功だったとは思うけど過大なのは確かでしょう。
今、いくらSAMが実用化されたからといってても
対空機銃は残ってても高射砲は絶滅しているし。
もともと高射砲だから直撃でなく周囲で爆発・空間を震動させる
ってイメージだったが。
5 :
名無しさんの野望:2000/11/04(土) 18:13
故障率も高かったよ。
B-29やVT信管や原子爆弾といった
無茶な兵器を実用化というか半実用化状態
でインフラでなんとかするのがアメリカの凄い所。
6 :
名無し三等兵:2000/11/04(土) 18:18
つまり総合力で完全にジャプをなめきってたのね。
というより「貴様の技は見切った」か。
7 :
校倉木造:2000/11/04(土) 18:53
VT信管の評価
これ、どこかのHPで見たことなんだけど、当時の日本の高角砲は「敵飛行機の距離と高度と速度と方向を測距儀みたいなもので測定して、さらに砲弾が至近距離に到達する時間を計算してその秒数を弾頭にセットして撃ち上げる」ものだったとか。
しかも補給が乏しいので2@`3発ずつ惜しみながら撃っていたと。
それにくらべてアメリカさんはレーダーで測定して近接信管。しかも弾数は豊富。
まぁ、VTだけがスゴいわけではなくて、その周辺技術もすごいんですが、発射の衝撃に耐える真空管…てのはやっぱすごいと思うなぁ。
こういうムチャな技術って日本のお家芸だと思ってたけど、イザというときのアメリカさんの底力のほうが恐いと思いました。
ま、日本は一品一品のデキはなかなかなんだけど、手間がかかって生産が追い付かないこと(結果、粗製乱造)と、トータルでの効果を考えてなかったのが敗因では…と思いまふ。
零戦だっていい飛行機だったんだけどねぃ…レーダーで距離と高度を前もって知られて、アメリカさんはその上空1000mで“待機”して上空から一撃離脱でしょ。空中戦にもなりませんや。(^_^;)
以上、後半はNHK取材班・編 角川文庫:大平洋戦争日本の敗因シリーズ3「電子兵器カミカゼを制す」を参考にいたしまちた。(^^;)
8 :
名無し三等兵:2000/11/04(土) 20:21
VTって陸上砲では生き残ってるんじゃないの?
9 :
名無し三等兵:2000/11/04(土) 20:34
VTが凄いんじゃない。アメリカの防空火器の単位時間当たりの弾丸投射量が凄いんだ。
下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる。ましてゼロコンマ何%でも確立を高めるVTがあればなおさら。
近接信管そのものは、ちょっと前までのAAMでも使ってたよな。
今は直撃狙いだっけ。
10 :
名無しさん@:2000/11/04(土) 20:46
某艦船雑誌の今月号では、
1機の撃墜あたりVT弾624発を消費したとある。
11 :
対空砲の意義は:2000/11/04(土) 21:08
少なくともWWIIにおいては弾幕を張り敵機の侵入を妨害すること。
その意味で弾幕としての有効性が時計信管とは桁違いのVT信管は
撃墜率以前に有効性が段違いだと思うが・・
12 :
名無し三等兵:2000/11/04(土) 21:10
ちなみに最近のミサイルなんかの近接信管は敵のいる方向へ
破片をまき散らすように進化していたような。
もちろん直撃狙いがトレンドなんだけどもちろん近接信管も
装備されてるし@`その改良もやはり続けられている。
13 :
名無し三等兵:2000/11/05(日) 00:30
やっぱ過大評価ってのこそ過小評価じゃーん
14 :
名無しさん@:2000/11/05(日) 23:19
>11
桁違いというのは大げさだと思いますが・・・・・
私は桁違いだと思いますが…なにしろ「爆発する時間のずれ」はほとんどないんてすし。
16 :
しろうとですが:2000/11/06(月) 00:20
つまり、撃墜率が約3倍とは言え、飛躍的に増えたわけではないが(0.6%ぐらい)、
敵機からの攻撃を守る能力は数倍以上増えたって感じでしょうか・・・。
17 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 00:34
被弾率は相当上がったというのが常識みたいだな・・・
一回穴だらけや接合部がたがたになったら可動機数大幅にダウンしそうだし。
編隊を組んでの雷爆同時攻撃もまず有効打は望めなさそう。
資源・時間を消費して危険を冒す攻撃が殆ど無駄になったんじゃ日本側は実際
手足をもがれた様なもんだ。
そういえば紫電改を戦闘爆撃機として使おうとしたときアメリカ機動部隊の輪型陣を
突破するためにロケットを増設しようと計画している。
その時の損耗率の見込みが片道40%だかだったらしい。
これでも大分下がったという意識だった。
18 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 00:38
ところで、近接信管って撃った後に時間で自爆しましたっけ?
米軍の記録見ると、上から降ってきた弾で被害を受けた船が
結構有るんですが。
19 :
野良:2000/11/06(月) 00:58
>下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる。
9さんの言う通りで、そもそも、当時の対空砲はそういう物です。
予め調整しておいた距離で割裂させて、破片をまき散らす。
ちょうど敵機が通るタイミングを測って、予測位置に弾幕をはる。
弾幕を突破されたらそれまでです、時限信管は。
(とっさに再調整、なんて芸当は無理)
VT信管なら弾幕が敵機に追従します。
常に敵機の周辺に弾幕ができます。
20 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 01:02
VTの恐怖再確認でいいですね?
過大評価だの高射砲太郎だの言い出した人はどうよ?
21 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 01:19
つまりへたっぴでも名人が(何百人も)居るのと同じ効果が望めたんですね?
22 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 01:21
撃墜数はともかく、攻撃から守るには非常に有効だったって事ですか。
23 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 01:27
輪型陣の中にいるうちは常に周りで高射砲弾が爆発してたら
ものすごいプレッシャーだろう・・・
24 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 01:30
確かに20mmとか40mmの近接射撃のほうが撃墜数が多いけど、VT信管つきの砲が
その弾幕に追い込んだという事を考えれば効果は絶大だったのでは?やはり。
>18
近接信管も一定時間飛び続けると自爆するようになってますよ。
味方艦船への被害…雷撃機(低空・水平飛行で魚雷を投下するやつ)を狙って角度が低すぎた時に起きたんですかねぇ。
26 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 02:23
>>19 >時限信管は。(とっさに再調整、なんて芸当は無理)
当時は、ですよね? 現在は可能です。
27 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 02:38
対空砲は時限散弾で、あらかじめ決めておいた
距離に鉄のバリアーを張る。
VT信管は敵にまとわりつく様に散弾(破片だけど)をばらまく。
だたし、距離のみ追従可能で、完全に外れている弾は無力。
ちなみに、距離だけでなくて、コースまで追従可能
なら(ミサイルね)一発でもOK。
28 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 04:53
>それにくらべてアメリカさんはレーダーで測定して近接信管。しかも弾数は豊富。
> まぁ、VTだけがスゴいわけではなくて、その周辺技術もすごいんですが、発射の衝撃に耐える真空管…てのはやっぱすごいと思うなぁ。
> こういうムチャな技術って日本のお家芸だと思ってたけど、イザというときのアメリカさんの底力のほうが恐いと思いました。
要するに物量の差だな。
真空管はしっかり固定さえしていれば、丈夫なの。
なにせ、「真空」の中に材料が込められているのだからね。
そんなところに「脅威」を感じてどうすんの。
アメちゃん神様か。日本人も手なずけられたものよな。
29 :
名無し三等兵 :2000/11/06(月) 05:19
>真空管はしっかり固定さえしていれば、丈夫なの。
>なにせ、「真空」の中に材料が込められているのだからね。
間違っちゃいないが、この表記に思わず笑ったのは俺だけではあるまい。
つーか、材料ってのはなんなんだよ、おい!(藁
もうちっとまともな表現あるだろう。
だいたい、「真空の中の材料(笑)」じゃなくて、真空保ってるガラスが
もたねえんじゃねーのか?
樹脂で固めて耐衝撃性を出したってのは、当時としては画期的なことだよ。
ま、アメリカが本当にすごいのは、こいつを砲弾に組み込めるほど大量生産
したことだと思うけどね。
当時の日本なんか・・・、
はあ・・・。
30 :
テリ造:2000/11/06(月) 05:35
VT信管を装着した高射砲の弾幕は、防御兵器として絶大な効果を
上げたことは確かなようです。
敵機に投網をかけるように、弾片を浴びせることが可能な砲弾に
することが可能だからです。
狙って撃ち上げるというよりは、多弾数で包囲するような
感じで射撃する方法を一般にとっていたようです。
VT信管を装着した砲弾は、弾体から電波を周囲に出し(極短い距離で楕円状)、
機体からの反射波形のドップラー効果が生じた瞬間に起爆するしくみです。
真空管の話が出ていますが、真空だからといって丈夫な訳ではなく、
砲弾発射時に於ける高G(30@`000〜50@`000G)と高回転運動における
遠心力作用に耐えうる特殊な真空管を用いています。
構造的には真空管内部のフィラメントなどにスプリングを装着し、Gに
対処し、なおかつ信管内部に収まるように小型化し、周囲を高密度樹脂で固め
回転に耐える用に設計されています。電極部分の素材も展伸性に優れた特殊
合金を用いているようです。
なお、それでも不具合が出る可能性があるので、信管には複数の真空管を内蔵
させ、さらに真空管外周部にゴムをかぶせてあります。
アバディーン射爆場で何度も試験をくり返して(実際にVT 信管を装着した
作薬を装填していない砲弾を撃ち上げ回収する方法)、丈夫な真空管を
1942年頃に開発したといわれています。
エレクトロニクス技術の大きな差も、日米決戦の勝敗の一要因に
なったことは確かだと思います。
31 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 05:48
秋月級の10センチ砲(自動で時限信管設定)ですら
アメリカは脅威だったらしいから、さらに高性能のVT信管は
かなり有効だったでしょう。
32 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 07:56
それにくらべると三式弾はヘタレですか?(既出の場合は失礼)
33 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/06(月) 08:22
うぉぉこっちからきた〜
あっちからきた〜
真上からきた〜
さぁどうしましょ(笑)<三式弾
34 :
名無しさん@小夜:2000/11/06(月) 08:29
ところで、VTとは何の略なのでしょう?
Vacume Tubeで真空管?
まさか。
35 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 08:37
いや、Variable Time
36 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 09:22
いつも疑問なんですが、VT信管つきの砲弾は装填された時点では
まだ信管は作動していないんですか?
いつから作動するんでしょう? 装填直前に安全ピンでも抜いて
作動させる仕組みでは、装填した瞬間に砲身に反応して炸裂しそうだし。
37 :
そのあたりは:2000/11/06(月) 09:25
普通の砲弾と同じでしょ。
発射されてから規定の回数、弾体が回転したら信管On、ってな
もんで。
着発信管の榴弾と事情はさして変わらない。
38 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 10:54
VT信管資料集 CPU.BACH
0.5リットルのミルク瓶ほどの大きさの秘密兵器は、日本が捨てばちで最後の抵抗をした
期間において、米国海軍の戦いで最も有効な勝因の一つであった。この「砲兵隊の夢」
は、砲弾が鉄機に被害を及ぼせる距離に接近したらすぐさま薬莢を破裂させる信管で
ある。
この開発品は、公式には「無線近接信管」として知られ、近接信管,誘導信管,
VT信管(VTはvariable timeの略)とも呼ばれる。極秘のうちに開発されていた時期
には、また「プロジェクトA」、「マダムX」、「バック・ロジャース」あるいは「ポジ」とも
呼ばれていた。
この信管は、3インチ(76mm)薬莢の先端にとりつけ可能な大きさで、非常に頑丈に
作られた5球式送受信器である。この信管を装備した砲弾が、敵機から70フィート(約21m)
以内に接近すると、小型送信器から発射された電波が反射してきて薬莢を破裂させる。
この信管は、水面や地面さらには金属物体での反射波は、薬莢と物体との距離が接近す
るにつれて増加する原理を応用したものである。反射波の強度があらかじめ決めた値よ
りも強くなると、信管が作動して装薬を爆発させる。
この種の信管は、相手に最大の被害を与えられる位置で起爆するのが理想的である。
接触形や時限形は、相手が高速で動いている物体の場合には特に不正確である。
互いに離れて高速で飛んでいる飛行機を狙うときには、飛行機の近傍で起爆する方法が
実用的である。
39 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 10:56
[信管の製造]
この近接信管の基本構成部品は、以下のものである:
(1)補聴器に使用される小型真空管と同型状のもので、発射時の衝撃に耐える構造に
改めたもの。
(2)電源を供給する小型電池。
(3)発射されてから安全な距離離れるまでは起爆させないための安全装置。
送信器の発振回路は高周波を発生する。標的が接近すると、信管から発射した送信
電波の一部が標的で反射されて信管に戻り、ここで送信波と反射波の干渉によるパルス
が発生する。この信号は信管に内蔵された低周波増幅回路で増幅され、薬莢の起爆を
行うスイッチとしてのサイラトロンに入力される。薬莢は、ダイナマイト・キャップに
類似した電気式の起爆装置である。標的が接近して得られるパルスでトリガされたサイ
ラトロンのプレート電流は、電気式の起爆装置が補助裂薬を爆発させるのに十分な値ま
で増加する。その結果、薬莢に詰められた爆薬が爆発することになる。信管の断面を写
真(略)に示す。
初期の近接信管は、カナダの会社の協力によって英国で開発された。これはマイカ
(雲母)を積層した構造の4極管で作られていた。その後、遠心力発生機を用いた試験
やアバディーン試射場での発射試験が行われ、この信管は20@`000G(重力加速度の20@`000
倍)の衝撃に耐えることが確認された。20@`000Gというのは、砲弾が砲口から発射される
ときの衝撃に耐えるために必要な条件である。しかし、この信管は形状が大きく、増幅
度も低かったため、即座には近接信管用として採用されなかった。
図1(略)に示した真空管は、一見すると普通の球に見える。何気なく見ただけでは
驚くほどの違いに気づかないが、実際の使用状態でのマイクロフォニックノイズを抑圧
するために頑丈に作る必要があるので、個別の部品や材料は発射時の衝撃に耐えられる
ように注意深く設計され、試験されたものであった。1億3千万本もの真空管が、5年
間に製造された。言いかえれば、当時の米国の人口一人あたりに一本ずつの真空管が作
られたことになる。真空管の製造は極秘であり、製造会社の従業員は、レーダや補聴器
用の真空管を作っていると信じていた。しかし、ときには従業員達も米軍の士官や兵士
には、これほども大勢の耳の不自由な人たちがいるのかと思ったことだろう。
40 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 10:57
[電池]
電池も、もう一つの主要な開発課題であった。当時の電池は、保存寿命が3〜4ヵ月
しかなく大きな問題になっていた。このため、乾電池の開発と並行して、数年以上の保
存寿命を目標とした蓄電池の開発も行われた。そのためには、革新的な電池の設計と製
造方法が必要であった。保存寿命を伸ばすのも重要であったし、小口径の時限信管とし
ても使えるためには、電池の小型化も重要であった。National Carbon社の開発品は、
乾電池をやめて、電解液をガラス容器(アンプル)に封入しておく方式であった。この
方式の電池は、発射時の衝撃でアンプルが壊れ、電解液が電極の間に流れ込んで電池と
して動作し始めるというものであった。
1941年に最初の試作品のテストが行われた。このテストの第一の目的は、小型の
薬莢に封入した発振器を発射し、結果を見るというものであった。薬莢が飛んでいる間
地上の受信器で発振器の電波をとらえることにして、願わくは薬莢が着地した後も電波
を受信することになっていた。
10日後、発振器の電波は、着地してから半分地面に潜り込んだ状態でも、受信可能
なことがわかった。これほどに高感度で敏感な部品では、暴発や砲口から発射されると
きの衝撃による誤動作が懸念された。そのため、従来の時限信管や近接信管以上の取扱
い上の注意や、安全装置が工夫された。起爆装置は小さなダイナマイト・キャップによ
るものであったため、動作状態になるまでは電極を短絡しておくのが、安全策として有
効であった。このキャップは雷管と呼ばれていたが、内部抵抗が2〜7Ωと低いもので
50〜100mAの小さな電流で起爆するものであった。従って、安全装置は極力低い
抵抗値で電極を短絡しておく必要があったし、機械的にも安定で、経年変化によっても
抵抗値が増加しないように配慮された。当初の安全装置は、導線を電極間にはんだづけ
して作られていた。砲弾が発射された後にこの導線を切断して雷管を作動させるしくみ
になっていた。その後の改良によって、発射されるときの衝撃を利用して導線を切るも
のや、時限式の装置で短絡を解除するものも現れた。
41 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 10:58
信管に内蔵された安全装置の他に、信管の土台の部分には予備の起爆装置が内蔵され
ていた。この起爆装置は、遠心力を利用して正規の場所からずれてしまった爆薬を移動
し、雷管を使って爆発させる機構を有していた。発射時に爆発しないための時限装置は
二種類に大別される。一つの方式は、一定の時間だけ遅らせて回路を動作させるもので
普通は、0.5秒程度の遅延時間を設定していた。もう一つの方式は、水銀を接点に用
いたスイッチで、これは砲弾の回転周期を検出して短絡している回路を開放するもので
あった。このスイッチには、同軸状の二つの部屋が設けられ、中心の部屋には水銀が充
填されて雷管を短絡させていた。外側の部屋は、普通は空になっていて、砲弾が回転を
始めると徐々に水銀が入り込む構造になっていた。二つの部屋は小さな穴のあいた隔壁
でしきられていた。このスイッチは、側面を砲弾の後部に向けて固定された。砲弾が回
転すると、当初電極を短絡していた水銀は、穴を通って外側の部屋に入り込み、遂には
中心の電極と砲弾の外壁とが電気的に開放されるしくみであった。遅延時間は、穴の数
と砲弾の回転周期で決定された。
信管が不良の際には、砲弾を自爆させるための薄板式回転スイッチも設けられていた。
このスイッチは、絶縁された金属円筒の中に、片端を埋め込んだ伸縮性のある金属薄板
でできていた。このスイッチは、遠心力を受けない限り、閉じている構造になっていた。
このスイッチは、砲弾が停止状態では起爆用のコンデンサを放電させておくような回路
に接続してあった。起爆用のコンデンサは、サイラトロンが動作したときに、雷管が起
爆するのに十分な電流を供給するための部品である。砲弾が発射されると、遠心力によ
って回転スイッチが開放され、起爆用のコンデンサに充電が始まる。この状態では、暴
発を防ぐ役目は水銀スイッチが果たすことになる。回転が遅くなると遠心力が減少する
ので、回転スイッチが再び閉じる。この頃には、水銀スイッチの水銀は外側の部屋に移
動しているので、このスイッチによる安全装置は解除状態になっている。回転スイッチ
が閉じた瞬間に起爆用コンデンサが放電して、雷管が爆発する。雷管が爆発すれば、後
は自然に爆薬全体が爆発することになる。
42 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 10:59
これに加えて自爆装置として設けられていたのは、近接信管が不良になって砲弾が地
上に落ちた際に、強制的に爆発させるための衝撃装置であった。この装置は当初、近接
信管が故障して動作しないことを懸念して設けられた。砲弾が発射されたときには、す
さまじい加速度が中の部品にかかり、1オンス(28g)の小型真空管が理論的には、
250ポンド(113kg)にも感じられるほどである。信管の故障は頻繁に起きてもしかた
がないと、当初は考えられていた。
近接信管がヨーロッパに登場したときには、米海軍には精神的な高揚をもたらし、同
時に一方のドイツ空軍には、対照的な退却をもたらした。ドイツ空軍機は、突然飛来し
また突然いなくなった。この消滅の主たる要因は、VT信管によるものであった。
近接信管の発想は、何も特別なものではないとも言える。現に英国では、ドップラ効
果を利用し、導体の接近による放射抵抗の変化を利用した近接信管を開発していた。
さらに、押収されたナチスの記録には、ドイツでも静電容量を利用した近接信管の開発
を1930年代の早いうちから進めていたことが記されていた。これらの発想を生みだ
そうとすることと、その発想に基いた現実の装置を大量生産することとは、大きな違い
がある。我々(米国)は、それをやったのである。
これらの開発を実行した人たちに感謝を捧げるべきであろう。軍服を着て第一線で戦
わない理由を知人に説明することもできず、製図板に向かっていた人たちに。
(出典:Radio Craft@` December@` 1945: Courtesy of W8KBF)
43 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 11:26
貴重なスレになりました、VT誹謗花子も8割未帰還です。
おそらく貸そう戦記、ハンドブック型大戦記で誘導ミサイル的記述をされてるのが
論争の元ですが。
44 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 12:19
3式弾の被害半径は36センチ砲で240メートルくらいだそうですが
あまり有効じゃなかったのかな?
45 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 12:20
時限信管ないから駄目駄目でしょ。
46 :
45:2000/11/06(月) 12:22
おっと。言葉足らず。
VT+三式弾なら有効だろうが、そうじゃないやつだと200mくらいの効果範囲じゃ足り無すぎ。
47 :
>44:2000/11/06(月) 12:24
アレは技術的にはまったく見るところのない開発にカネと手間
とヒマをすごく食った「だけ」の昔からある榴散弾です。
対空火器として使う発想は新しかったのかもしれませんがその
発想そのものがズレていたので目も当てられません。
妄想戦記ヲタや海軍太郎さんたちは「地上砲撃には効果的」と
か言うのが好きですがそれならもっとお手軽に同様の効果を持
つものがあるわけですからね。
48 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 12:31
海軍記念日の花火としてはどうよ?
「やあ すげえ 花火ぢやあ ないですか」
「大日本帝国も安寧ですなあ」
49 :
名無し四等兵:2000/11/06(月) 13:15
ほのぼのとしていいね。
「やは、きれいな飛行機雲ですなあ」
「あれだけの空中艦隊があるのなら、帝都の空も安泰ですなあ」
50 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 13:40
見ているのは犬の親子と眼鏡の蛸です。
>34
Variable Time Fuse =可変時限式信管 でございますが、これは暗号名です。 イギリスが戦車開発中、秘密保持のため「戦場に水を運ぶ水槽車」という意味で「タンク」と呼んでいたのとおなじことです。
正しい意味の「近接信管」は、さてどう英訳したらよいのか。(英語再履修)
52 :
>51:2000/11/06(月) 20:06
逆だよ。「近接信管」を英訳するんじゃなくて、
proximity fuse を訳したら「近接信管」になったんだよ。
53 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 20:38
学生の頃、朝鮮戦争当時の近接信管に使われていたのとおなじ型の真空管を
教授にみせてもらったことがあります。真空管としてはかなりごついっす。
そうそう、日本軍が近接信管の存在を知ったのは戦後(自衛隊発足後)と聞きましたが
ほんとのとこはどうなのでしょう?
54 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 20:41
地上砲撃の時のVT信管つうのは?自営業先生のユギオ2であったが。
55 :
名無し:2000/11/06(月) 20:47
>VT+三式弾なら有効だろうが
三式弾は手前で炸裂させないとダメなんですが・・・。
当時のVTは単純なドップラ効果を使用しているので
「あと何m!」で炸裂するのではなく
「今通りすぎた!」で炸裂してるので
あさがお状に炸裂する三式では・・・。
56 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 20:48
そういや、わかんないことがあるんだけど誰か教えて。
日本海軍は駆逐艦に至るまで3式弾を配備していたのに、
秋月型以外は主砲を高射装置(機械式対空射撃コンピュータ)と
リンクしてなかったのは何故?
主砲を対空射撃に使う発想はあったわけでしょ?
57 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 21:14
3式弾って20cm以下の砲にもあったんだ。
58 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 21:40
55>
ドップラ効果を使ってたんですか。
自分のイメージでは円盤状に指向性のある電波を出してその反射を拾うと
思っていました。
(なんかのテレビでそんなイメージの説明を絵入りでしてたな。)
ドップラ効果を利用すると言う事は、自分の発する電波と同じ周波数の電波を
拾ったら爆発するということかなぁ?
...なるほど...確かにすれ違う瞬間は相対速度がゼロで電波が反射するな....
以上、自分の妄想ですがこんな感じですか?→ドップラ利用
まさか、相対速度によって爆発タイミングを変えるとか。(これはすごい)(w
それとも、動くものだけに反応するとか。(これもすごい)(w
40>
そうそう、先に上げたそのテレビ番組でも電池の解説をしてました。
「あたまいい〜」って感心しましたよ。ホント。
アンプル方式は電源の長期保存と、信管の自動起動の一挙両得ですもんねぇ....
59 :
名無しさん:2000/11/06(月) 22:14
対空用のVT信管は航空機からの反射波で作動しますが、地上用のVT信管は
地面からの反射波で作動します。
着発信管では地面に当たってから作動するので伏せていれば破片は当たりにくい
のですが、VT信管を使えば伏せた敵の頭上から破片をばら撒けるわけです。
もちろん装甲化された敵にはあまり有効ではありませんが。
60 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 22:17
やっぱ地上用は現代でも生き残ってるんだ。
>52
そ、そう言われればそですね。(^_^;;;;)
近接信管って日本語がモトじゃないから。
おお間抜けでちた。
62 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/06(月) 23:28
ファランクスっすよー
63 :
名無し三等兵:2000/11/06(月) 23:50
いまさら、当時の日米の科学力の差を指摘してどうする。
そんなこた、昭和17年当時の日本人はすでに知っていたさ。
種明かしを本で知って、米式信管の優秀さと、三式弾を比べて
>アレは技術的にはまったく見るところのない開発にカネと手間 >>
>とヒマをすごく食った「だけ」の昔からある榴散弾です。
>対空火器として使う発想は新しかったのかもしれませんがその
>発想そのものがズレていたので目も当てられません。
>妄想戦記ヲタや海軍太郎さんたちは「地上砲撃には効果的」と
>か言うのが好きですがそれならもっとお手軽に同様の効果を持
>つものがあるわけですからね。
なんていうお前、ホントに馬鹿だね。モノを自分の頭で考えたことがない。
お前なんか、今だって、今様の三式弾を考えられないだろう。つまり、
知恵がないから。
三式弾を考えた奴は、現状与えられた技術力、生産力からそこにたどりついたのだよ。
そういう「実存的営み」(お前なんか意味がわからないだろう)に着目しなくちゃ
駄目なんだよ。今、「本当の教訓」を得るならね。
米さん、崇拝、素晴らしい。第二次世界大戦かっこいい。
なんて、論議しているようじゃ、ま、先が知れてるね。
>63
誰に対して言っているのやら。誤爆か?
65 :
名無し三等兵:2000/11/07(火) 00:50
>56 ふねが揺れるのでほかの対空火器の初旬が狂う。
一発でほかの全部が無駄になる。
そのうえ、
30分に一発では意味がない。
66 :
名無し三等兵:2000/11/07(火) 01:19
>64
アンチ風船爆弾論者に対してではないかと・・・
67 :
>64:2000/11/07(火) 01:44
44 名前:名無し三等兵投稿日:2000/11/06(月) 12:19
3式弾の被害半径は36センチ砲で240メートルくらいだそうですが
あまり有効じゃなかったのかな?
47 名前:>44投稿日:2000/11/06(月) 12:24
アレは技術的にはまったく見るところのない開発にカネと手間
とヒマをすごく食った「だけ」の昔からある榴散弾です。
対空火器として使う発想は新しかったのかもしれませんがその
発想そのものがズレていたので目も当てられません。
妄想戦記ヲタや海軍太郎さんたちは「地上砲撃には効果的」と
か言うのが好きですがそれならもっとお手軽に同様の効果を持
つものがあるわけですからね。
========
というやつに、レスしたのじゃないか。
68 :
64:2000/11/07(火) 01:48
ああ、そういうことか。66.67、ありがとう。
しかし、何の脈絡も無く出てきたもんだから、
上の誰かの書き込みを指してるのかと思ったんだよ。
69 :
名無し三等兵:2000/11/07(火) 02:06
かんたんに人を馬鹿扱いしちゃいかんね
70 :
66:2000/11/07(火) 02:09
>68
オレのはネタです・・・
チョイと前に有った風船爆弾スレにピッタリだなぁと思ったもんで。(^^;
71 :
玉屋:2000/11/07(火) 02:29
VTを使った弾幕が脅威なのは当然ですが、
特攻機の突入を見ていて、
バーチャル小説でよく強調しているほど決定的な阻止力があったのかな?
と疑問に思ったことがあります。
過大評価論もそんな感じから出ているのでは?
時限信管より有効性が高いことに疑問はないと考えます。
それから当時のドイツでも時限信管を使ってます。
確か数学者の提案で大戦末期には信管を最大高度に調停して
直撃狙いで撃ってたと書いた記事を読みました。
時限信管も直撃も加害確率が変わらないと計算で証明されたからだと、
その記事には書いてありました。
すぐにはなんの記事だったか調べられないので、ごめん。
72 :
名無し三等兵:2000/11/07(火) 10:10
特攻機は落ちないで飛んでるように見えるけど破片で小さな穴がたくさん空いてる
んだよ。最後の瞬間に目標に突っ込めないんじゃない?
73 :
名無し三等兵:2000/11/09(木) 21:02
98式10センチ高角砲が高性能だったのは認めるが、戦果はあまり期待できなかったろう。
実際のところ89式12.7センチ高角砲と比較して目立つような戦果をあげたのか?
74 :
名無し三等兵:2000/11/09(木) 21:28
素朴な疑問だけど目標の直近を通過しないとVT信管は作動しないんでしょ?
時限信管で進路の前方に弾幕を張った方が心理的な圧迫感はあるような気がする。
75 :
名無し三等兵:2000/11/09(木) 22:19
実際何キロも離れた相手の進路前方に弾幕が張れたら
後々、ミサイルは必要ないと思いますが…
76 :
>74:2000/11/09(木) 22:21
うむ、そうかも知れない。
だが「進路の前方」とか「編隊の中」とかに都合良く弾幕を張れ
ないからこそVT信管が開発されたわけだ。
77 :
名無し三等兵:2000/11/09(木) 22:25
>73
7式戦車に搭載され、アメリカ大陸で活躍してます・・・。
78 :
75:2000/11/09(木) 22:26
VT信管を開発できた事がスゴイと思うよ。
今では当たり前の兵器だけど。
79 :
>78:2000/11/09(木) 22:44
日本>大和魂で当てろ!
合衆国>馬鹿でも当てられるにはどうすれば良かんべ。
これじゃ、戦争はどっちが勝つか分かるよねえ。
80 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/09(木) 22:56
>>79 同意。
漫画入り取説なんぞを活用して、莫迦でもそれなりに使える様
にする姿勢は大変宜しいと思う。
81 :
名無し三等兵:2000/11/10(金) 20:04
いまの日本の工業大国としての姿からは考えられないほど、お粗末で脆弱な工業生産基盤だったのだな>戦前の日本
82 :
名無しさん@すまんが、みんな、:2000/11/10(金) 23:49
いくらVTといえども、そもそもの射撃技術が大事だってのは知ってるな?
あさっての方向に撃ってたら意味ない(笑
信管そのものより、信管を有効に作動させるための
射撃管制技術の方を褒めてあげなさい(藁
83 :
名無しさん@看護兵:
アメリカの凄いのはVT信管の開発と共に空母を中心にして
その周囲に対空専用の駆逐艦と迎撃機を誘導できる指揮管
制系統をシステム化(ピケットライン)したことだね。