しょうもない知識を披露するスレ 第24幕

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154名無し三等兵
 第二次大戦で大規模な夜間爆撃を行ったイギリス空軍は、ドイツ夜間戦闘機隊の迎撃に大損害を出していた。広範囲をカバーする早期警戒線と管制レーダーは、戦闘機隊を護衛のない爆撃機編隊の進路へと誘導し、一夜のうちに何度も襲撃を受けることも多かった。
 もちろんイギリス空軍も指を咥えて見ている訳もなく、夜間護衛戦闘機の投入やECMの使用で大きな成果を上げる。その中でも無線管制に対する妨害は最も人間的なものであった。
 最初彼等はティンセルという、地上の聴音員にアンプで増幅したエンジンの爆音を轟かせる装置を流用した。ドイツ軍の周波数に介入し、これを流したのである。しかしこれはあくまで副次的なものであった。
 その後登場したより本格的な妨害手段は、あらかじめ受信しているドイツ軍の管制誘導周波数帯に対してあらゆる騒音を流すもので、ABC(エアボーンシガー)と呼ばれた。
それはクラシックの大音響であったり、黒板を引っ掻く音を延々流すものであり、爆撃機編隊への最終誘導を管制誘導が担っているドイツ軍にとっては気分のいいものではなかった。
 イギリス空軍は更にこれを発展させ、地上の管制員がドイツ軍の管制誘導に介入し、偽誘導で混乱させるコロナ作戦を実行に移す。

ドイツ管制「JG2、方位○○、高度○○」
  偽管制「方位が違っているぞ…」
    P「!?」
ドイツ管制「別の声に注意!! 方位そのまま」
  偽管制「ヘタクソな誘導はやめたまえ…」
ドイツ管制(イライラ…)
  偽管制「こちら管制…方位○○へ…」
    P「確認する」(偽誘導だ、しかし、どっちだ???)
ドイツ管制「惑わされるな、方位そのまま!!」(落ち着け、落ち着け…)
  偽管制「違う…方位○○…」
ドイツ管制「黙れ、消え失せろ!! この田舎っぺが!!」
  偽管制「イギリス人が暴言を吐いているぞ…奴の声は無視せよ…」

 尚、後に女性の艶っぽい声での偽管制も行われたという…。