海上交通線・通商破壊と海上護衛を語る5

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283名無し三等兵
ヒ71船団の悲劇を分析してみよう。
ルソン海峡で0530頃、レッドフィッシュから雷撃される。勿論、空母大鷹が搭載機(97艦攻)を発進させたのは日の出後、である。
そして日没後、かつ風速12mの暴風雨の中、米潜水艦群はレーダーを活用し、
大鷹沈没、帝亜丸沈没、帝洋丸沈没、能代丸中破、速吸沈没、阿波丸小破、玉津丸沈没、の大被害を受ける。
ヒ81船団の被害も、夜間の潜水艦からの雷撃に集中している。
あきつ丸こそ1210沈没だが、摩耶山丸は1820沈没(対潜哨戒機着艦後)、江戸川丸は2200沈没、
神鷹の沈没は2300過ぎ。
夜間哨戒飛行ができなかったことが、輸送船団の被害を増幅させていることは明白である。

クドいようだが、対潜哨戒機の役割は、「敵潜水艦」を撃沈させることではない。
敵潜水艦を潜航に追い込み、魚雷発射の好地点を占位させなければ、その任務は充分達成されるわけである。
レーダーを装備した米潜水艦、夜に浮上した際に、レーダーで敵機接近を探知したら、潜航するしかないだろう。
潜望鏡深度ぐらいに潜ったとして、潜望鏡による目視で敵機が遠ざかった、と判断できるまでは再浮上はできないだろう。
潜航してる間は、電池を使っての推進、せいぜい時速2-3節がいいところ。
時速12節ぐらいのヒ船団だったら、一旦は米潜水艦を振り切ることもできるだろう。
夜間であっても、船団の上空を半径20kmぐらいで旋回し続ける哨戒機がいれば、再浮上して船団に近づこうとしても、再潜航に追い込まれるだろう?
旋回飛行してるだけだと、敵潜水艦もナメるだろうから、数回に1回は(ダメ元でも)九九式六番二号爆弾を、敵潜付近に投下すべきだろうね。