富野由悠季『大川原さんと永野君、さらにカトキハジメ君も加えてその違いを考えると、
大川原さんを古くて、ダサくて、田舎っぽいと否定するのはものすごく簡単なことです。でガンダムが良い例で、みんな未だに全否定できてないですよね(笑)
そうすると、ファッション性とかルックスの良さに捕われるのは、あまり意味がないかもしれないというところに行くわけです。
中学生ぐらいは瞬間芸に一番引っかかりやすい年代です。
20年経ってみたら「なんで俺は、こんなのに引っかていたんだ」と思ったるするのはむしろ当然のことで、
まさにファッション性とか「今っぽいルックス」がどれほど危険なものかという事を認識すべきなんです。
ところが今のCGワークを見ると、ものすごく極端な言い方をすれば、葉っぱの色でさえ「今」の色です。
つまりほんまもんの色、大川原色じゃないわけ(笑)。
さっきの大川原・永野・カトキの例と、今の例は同じことを言ってるんです、それを分かるをセンスを持つ必要があります。
つまりCGワークにみんながはまってしまって、みんな同じ事をやっている。
でもそれに気がついていないんですね。
まして出資者など作り手でない人に言わせると「いいよね。すごいじゃん。見た事のない景色!」っていうことにさえなっている。
まさにパターンで刷り込まれているのを一番格好いいと思っいて、
例えば「ロード・オブ・ザ・リング」で、お城のドアがアオリでギギーッと開くシーンがバンと来ると、それでもう全部気が済んでしまうんです。」