軍事板書籍・書評スレ44

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936岩見浩造 ◆Pazz3kzZyM
『正説 レイテ沖の栗田艦隊』を入手。とりあえず要所のみ読了。

感想。新証言が390-392ページに盛り込まれており、ヤキ一カ電は実在したであろうとほぼ確定出来ると思った。
要はこれまでの議論は電文の証拠=受信記録という議論に拘り過ぎだったが、この本のように受信記録を基にした
メモやノートまで対象にすれば、確かに大和以外の場所でも受信した証拠となる(更に補強する証言も豊富)。
また、各種電文が何故残っていないのかについての説明や戦史叢書の「味方機が自軍の艦隊を追いかけて」といった記述の背景も得心できた。

その他にも「こういう取り方もあるのか」といった点が多く盛り込まれている。同じ戦いでも記述者によって細かな事実が変わるのは書痴なら
誰でも経験済みだと思うが、この本の特徴的なところは、今までの俗説批判本(福田本、佐藤本、左近允本)等とも違った論理によって栗田長官を
擁護している場面がまま見受けられることだ。

特に、405ページの示唆は大切。米側の25日の揚陸状況は記録がまちまちではっきりしていないという記述のことである。
私は「恐らくアクションレポートは残されているだろう」位は思っているが、この宿題を指摘した史家を文字で見たのは初めて。
名無し時代から2chで言及していたが、聞いた風な栗田評のレスで埋め尽くされ、相手にされなかったので悔しい思いをしてきた。
未解明な点をリストアップしない戦史家の悪癖と言える。私も2007年から疑問に思ってきたが、この疑問が活字になったのは嬉しい。
是非戦史家にはこの宿題を片付けていただきたいものだ。ま、英語の本なら指摘例はあるかもしれないけどね。
937名無し三等兵:2012/03/05(月) 22:35:16.57 ID:???
>名無し時代から2chで言及していたが、聞いた風な栗田評のレスで埋め尽くされ、相手にされなかったので悔しい思いをしてきた。

お前の場合は、コミュ障のせいじゃねーの?
938岩見浩造 ◆Pazz3kzZyM :2012/03/05(月) 22:37:46.00 ID:???
ただし、疑問に思ったところもある。

*西村艦隊については勇戦を称えるあまり、オルデンドルフの弾切れ説を採用しているが、
フィールド本や大岡本、佐藤本を読めば、残弾数は明記されている筈である。この点については著者が間違いだと思う。 

*360ページ、戦艦の主砲を上陸軍の殺傷に使うことについて躊躇があった旨、著者に語っているそうだが、
これが本心であるのかは疑問。それは栗田長官が逃げ腰だからという理由ではなくて、
開戦劈頭上陸作戦に何度も参加し、ベンガル湾で輸送船狩りを指揮した一人であり、
ガ島への砲撃作戦も実施、当時はそれなりに戦果を挙げたと思われていたから
(その戦果を否定するのは日本では平成に入って出た『まさか物語』まで無かったと思う。)。
もし本当に戦術判断ではなくそういった「武人の精神」で海戦の最中に躊躇があったのなら、
別の意味で指揮官としての適性に疑問が沸く。
個人的には俗論で言われる程不適な人物と思っていなかったので、残念な材料だったね。

*394ページで「固く沈黙」「弁解しない精神」と述べているが、
ではGHQ参謀二部歴史課への受け答えや児島本は何なのか。
児島氏はテープまで持ち込んで3回にわたりインタビューしている筈である。

*巻末でどちらが勝ったかは歴史が評価すると述べているが、
これは文学表現としても許容範囲外だと思う。勇戦しても負けることは往々にしてある。
939岩見浩造 ◆Pazz3kzZyM :2012/03/05(月) 22:43:08.29 ID:???
また巻末参考文献欄に記されている書物に児島襄、細谷四郎、小島清文、佐藤和正、左近允尚敏、都竹卓郎、カール・ソルバーグ各氏の著作が挙げられていない。

例えば、著者は発信元について南西方面艦隊を強調しているが、栗田長官は細谷氏には陸軍機からのものと語っている。他の著作も当事者の一人だったか、
当事者に取材して書かれた著作ばかりであり、これらと異なる記述についてどのような見解をお持ちなのか、興味があるところである。

381ページに巻末リストにない小島本が挙げられていることを見ると、このリストは「著者がある程度は信用するに足る本」と判断した本のリストなのかもしれない。
なお、伊藤氏とのやり取りの真相は『悲劇の提督』ですでに文章化されており、同書を知っていれば言及したはずだろうから、児島本は知らない可能性もある
(地方新聞での連載が元だしね。もっとも、まだ本書を全部読んでないので本文中で言及あればこれは撤回)。

出来れば他の本に比べてソースに特徴がある神野正美、岩佐二郎にも目を通していただきたいところであるが、
それは難しいかもしれない。
現状、戦闘詳報はアジ歴で確認することが出来るが、著者はアテネ版を使用されているので、
最新情報の入手には難があったことも推量される。
940岩見浩造 ◆Pazz3kzZyM :2012/03/05(月) 22:45:11.67 ID:???
>>937
書評は?
941岩見浩造 ◆Pazz3kzZyM :2012/03/05(月) 22:50:13.17 ID:???
>>937
1944年10月25日の米第7艦隊の揚陸状況と砲火支援群の動きが特定できる資料の提示でもいいわ。
まだ見たことないんでね。何せ英語は中学の頃から成績が悪かったもんで。
942名無し三等兵:2012/03/05(月) 22:50:22.25 ID:???
>>940
書評は?
943名無し三等兵:2012/03/05(月) 22:57:13.22 ID:???
>>942
その答えは流石にない。
まずは書評を書き込むべき。
944名無し三等兵:2012/03/05(月) 22:59:31.96 ID:???
ここに居ついてるアンチは本に興味があるわけでもなさそうだし、何がしたいんだろうなw
945名無し三等兵:2012/03/05(月) 23:05:16.18 ID:???
ま、荒れそうな内容は隔離スレでやってくれ。本人も「俺のスレ」って言ってるくらいだし。

…仕事が忙しくて、年末買った「勇者の海」まだ手つかずなのに…orz
946名無し三等兵:2012/03/05(月) 23:17:12.72 ID:???
>>945
絡んでおいて次に隔離スレに追い出そうとするのがアンチの策略ってわけだな。
947名無し三等兵:2012/03/05(月) 23:26:55.83 ID:???
NGしといた