28 :
名無し三等兵:
>>10 書評スレで書いたこと全部を自分への返事と思い込んでる、ってこと。
草むしりとゴミ拾いだけやってろって感じ。
>>28 手堅いでしょう。偏向は・・・宮崎映画見て気にする人居ないでしょう(今更)。
それと同じです。
流石に帝政ドイツにスキンヘッド登場とかないと思うけど。
『武器輸出三原則入門』信山社
同じ著者の前著『輸出管理入門』を入手したくて本屋に行ったが無かったのでこれを購入。
この本は2000円前後だったが輸出管理入門は4200円で高いです。
輸出管理本や貿易実務本には書式のフォーマットなどを示して本当に仕事につかえるように
書かれたものがあるが、この本は実証研究と提言本。
副題は「神話と実像」。スタイルは神話(俗説)批判。
著者は1973年生まれなので、幼いころ自明のものとして受容した平和教育への疑問を強く持ったと考えられる。
また、平和主義の教条性は巷間指摘されることなので、それに対抗するためにマニュアル本が欲しかったのだろう。
冒頭で「神話の世界の住人になってない人はまだ安心」と書いている辺りに、そうした意識を感じる。
なお、本書の便利な点は冒頭で神話を19個設定し、逐条批判のスタイルをとっているところ。
わざわざ該当ページに誘導までしてある。
批判スタイルの本の中でも、基本的な箇条書きの整理が出来てない本もある
ので、それに比べれば本書は読みやすさに心を砕いてて良心的と言える。
神話批判については著者の意見も交えながら、実証的である。
資料には国会会議録が多く使われているが、オーラルヒストリーやノンフィクションのような方法で
当の防衛、通産、外務官僚の証言を拾ったり、月刊朝雲、国防、軍事研究、通産ジャーナルから
この話題を抜き出すというパターンは殆どない。
問題は「誰が神話を言っているのか」についてはソースが不完全であること。
批判本にはありがちな欠点である。
かつて全く明示しないことを信条とする本もあったし(反論が嫌だったのかな)、
その手の方針を評価する無能な機会主義の書評家がいた位だ
(今でもそいつのツイッターで脂肪分ギトギトのこってりツイートが拝聴可能。余り公言してないがオタク集団「原発ゴミ」にも協力していると推測される)。
さて、本書についてチェックすると、
神話1〜7:該当ページ付近にはソースを見つけられず
神話8「三原則のために国際武器共同開発が出来ない」は遠因に外務省の答弁
神話9「三原則の例外化は憲法違反」福島瑞穂
神話10〜12:該当ページ付近にはソースなし
神話13「武器輸出は悪だ」は53ページにあるが13ページに社会、公明議員2名、71ページにも類似の懸念が載っている。
神話14「日本は武器輸出をしたことがない」首藤正彦、犬塚直史
神話15「世の中に役に立つものが武器であることはおかしい」:ソースなし
※ただし15は三原則というより教条平和主義であり、誰でも反論できる類の神学論争である。
著者の捻った回答は参考になるが、これが模範的な答え方とは思わない。
神話16「自動車の輸出であっても軍事利用なら三原則に抵触」:ソースなし
※ただし北朝鮮軍向けトラック輸出に対して社会党が賛成していた事実を指摘
神話17「軍事用途であれば輸出を禁止するのが三原則」直上に社会党議員の記載あり
神話18,19は対米関係の例外扱いに関する神話だがソースなし。
精読すればソースが見つかる個所はもう少し増えるかもしれない。
細かいことに拘る五月蠅い奴がいるのでこの点を付記しておく。
随所に挿入される小ネタにも事欠かない。湾岸戦争で中国の武器輸出に抗議したところ、
サウジにも輸出しており抑止力の一助になったと反論されるくだりは古典の逸話を読まされている気分にすらなる。
小ネタの多くはトピックという小欄に纏まっているが、田英夫が発展途上国から武器の必要性を説かれて困った話など、本文中で紹介されるものもある。
ただ、上記神話の主張者のチェックからして、保守側への切込みは甘い。
あと一か所、19ページ「原発事故でロボットが活躍できなかったのは日本の軍事研究が大学で忌避されたから」という議論をしているが、これは間違い。
確かに今回の事故で米軍のロボットが投入された事実はあるが、『原子力eye』2011年11月号では、日本の原子力開発の間違いとして、
せっかく本誌で1990年年代末にロボット開発を取り上げているのに、成果に結びついてないことが挙げられている。
ネットを漁ればこのロボットが後継機も作られず2006年頃廃棄された話は何度かニュースになっており、
「軍事研究の忌避のため」という理解は明白な間違いであり、只の自滅的行為であることが分かる。
なお、廃棄を指示した際の首相は塩津計の言う「天災政治家」小泉某だったそうだが、詳細は知らない。
原発ゴミのような人種が今回の事故でありもしない神話を幾つかばら撒いてるが、
神話批判をする者としてこのような神話を創造するのは如何なものかと思う。タカ派の技術オタクに利用されないように、気をつけることが大事。
文春新書のケビン・メア本の体験談とは一見似ているが全く性質の異なる話である。