www.nids.go.jp/publication/kiyo/pdf/bulletin_j5-2_9.pdf
生産力拡充計画の重点目標である普通鋼材の生産は、 太平洋戦争に入る前、 日中戦争前半期
からすでに停滞していた。 それでは何故当時の産業の米であり超重点産業でもあった鋼材の
生産が停滞したのであろうか。
従来は、 屑鉄の禁輸に象徴される原料が生産停滞の原因とされている。 しかし、 屑鉄が禁輸
されるのは、 1940年秋でありながら、 鋼材の生産はその前年1939年から減少しはじめたこと、
普通鋼材の原料にあたる鋼の生産は1937 年から41年まで逓増していることなどから(従来からの
通説である)原料が生産停滞の原因ではない。