★退陣3条件―自民党よ大人になって
菅直人首相が「一定のめど」を口にしてから1カ月近く、やっと中身を明言した。
第2次補正予算、特例公債法、再生可能エネルギー特別措置法の成立だという。
はっきりしてしまえば驚く内容ではない。やれやれ、これでようやく政治の混乱が収まり、前へ動きだす。
と、思いきや、国会は空転している。退陣3条件が整うめどが立たない。
自民党が、復興関連人事で参院議員を総務政務官に一本釣りされたことに態度を硬化させているのが一因だ。
谷垣禎一総裁は「自民党の協力は一切いらないという意思表示だ」と、かんかんだ。
石原伸晃幹事長も「信用できないの一言に尽きる。議論を進める信頼関係がない」と切り捨てる。
「これは禁じ手だ」「わが党に対する挑戦だ」など、党内の怒りも収まらない。
協調関係を求めておきながら、懐に手を突っ込んできた首相への批判が渦巻くのは当然のことだ。
だが、ここは自民党にもっと大人になってほしい。
国民は、菅首相にあきれるとともに、首相を批判するだけで止まったままの国会に失望しているのだ。
3条件は、どれも当たり前の内容だ。それを進めるために首相が進退をかけなければならないこと自体がおかしい。
さらに与野党が足を引っ張りあうさまは、国民には見るに堪えない。 (続く)
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