軍事板書籍・書評スレ37

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258名無し三等兵
前スレの地震ネタだが、少し感想を。

http://mltr.ganriki.net/faq05s02.html#14895
【質問】
 原子力資料情報室って信用できる機関なんだろうか・・・?

>(技術的な後継者を育成できなかった)ため,原子力資料情報室の信頼度劣化は顕著であり,現在では見る影もないと考えます.
>よって,彼らの言説は故高木仁三郎氏の生前,没後(2000年)で区別するべきと愚考します.

私も震災前はそういう風に見ていたことは否定しない。JSFなんかも「反原発団体だから」という接頭語をよくつけてツイートしている。
だが、震災後、思想はともかく指摘には正当な内容「も」あると思うようになった。

私が情報室の出版物で読んだのは『原発は地震に耐えられるか』(2008年3月31日)
というかウェブサイトを別にすれば情報室の本でまともに読んだのはこれだけ。
各地の反対運動家が地元原発について書いた記事を集めたもの。

この本も大抵の原発震災本と同じく、記述の大半を活断層評価への疑問で埋め、発電所に近辺が大地震の震源になり得ることを強調している。

ざっと見た感じ、津波への脅威について述べたのは福島県にある原発について書いた斉藤氏の記事だけ。
津波は情報室としては恐らくメインの売りではなかったのだろう。

しかし、この記事の指摘が現象面では最も近い。津波の過小評価への疑問と言うだけなら正鵠とすら言えそうだ。
「当てずっぽうで言ったら当たったに過ぎません」と切り捨てようとは思わないね。
259名無し三等兵:2011/04/28(木) 05:51:24.16 ID:???
>昨年推本がホームページ上に公表した、主要海溝型地震の評価結果は、「今後30年以内に7%以下の確率で福島県沖において
>マグニチュード7.4前後の地震が発生する」という。
(略)
>福島県が2001年度に策定した地震防災緊急事業5カ年計画は、津波について、同県沖において、
>過去に100〜200年程度の周期でマグニチュード7前後の地震が同一の場所で数回繰り返し発生したと認めている。
>富岡町仏浜を中心とする地域で最大6.1mにおよぶ津波水位を想定する。津波対策の現状では、
>概ね津波高が海岸保全施設の天端高(設計高潮位+設計波に対する必要高+余裕高)を下回っている。
>しかし、海岸地形や海底地形などの特性により実際の津波高が想定地震による津波高を上回る可能性がある。
>また、地震動や液状化により海岸保全施設の構造物自体が被災し、施設が持つ本来の機能が損なわれる可能性もあるので、
>「津波対策のより一層の充実強化に努めることが重要である」としている。

>では福島原発はどのような津波対策がなされているのだろうか。東京電力は、「既往最大の津波を考慮し、さらに、原子力発電所の津波評価技術に基づき
>過去最大及び、想定される最大規模の津波を考慮した検討も実施している」という。

>実際はどうなっているのか。99年8月付と思われる福島第二原発2号機の「原子炉設置許可変更申請書」中の「設計波高」の部分を参照すると、
>「津波に対しては、記録にある異常潮位(チリ地震津波)」がO.P.(小名浜港平均海面)+3.122m。この時の潮位は小名浜測候所において
>平常潮位より2.2m高い(仙台管区気象台報告)塑望平均満潮位O.P.+1.490mの時に同程度の津波が来襲してもO.P.+3.699mであり、
>敷地地盤高はO.P.+4.0m〜O.P.+1.2mであるので安全」としている。余裕は計算上たったの40センチ弱しかない。
>東京電力は計算上の40センチ弱の余裕を安全と表現し、私たちはこれを危険であるととらえる。

>斉藤春光「福島原発は地震に耐えられるのか」(全国一般全国協議会いわき自由労働組合加盟)


惜しいのは全交流電源喪失への言及が無いことで、それは例の吉井議員が風車が表紙の著書(題名は忘れた)で
ネットで読めるものよりもう少し詳しく書いて結びつけている。