アメリカが世界的に嫌われている(敬遠されている、畏怖されている、妬まれているの全てを含む)のは否めないんだろうが、
超大国の斜陽を単純に「小気味よい」などと喜ぶ輩が、大国の斜陽で何を得るのか考えてみればよいと思う。
1)成功者を妬み、成功者が「自分と同じか、それより下」に没落するのを望むのは、
努力をしないで世界が【自分を基準に】平均的になればよい、と考える者だ。
働かずに同じだけよこせ、と言い放つ共産主義者の思考だw
2)敵対者の失墜を望むと同時に、その敵対者が得ていた特権的な地位に、自らが座ることを目指す者は、
結果として、自分が第二のアメリカになろうとする。権力簒奪者の思考だ。
3)アメリカの失墜の後に、新たなアメリカ的超大国の出現を望まないものは、
世界が秩序を失うことに意味と機会とを見出そうとする者だ。結果的に、
安定した秩序がある限り自分の地位も権力も変わらないから、世界が秩序を失えば
自分がその秩序の上位者になる機会があるはずだ、と考える。
アナーキストとテロリストが大義名分を共有する世界を望む者の思考だ。
日本の経済は、「軍事的安全保障への積極的参加」を放棄することで、本来そこに注ぎ込まれる「抜かずの宝刀」
の維持費をコストカットし、その上で「アメリカが守った海洋航行権、貿易の安定、ドル基軸」といったものに、
乗っかっているだけの話ではある。
謂わば、ドルというOSの上で、日本経済というアプリは効率よく動いた、というだけの話で、
「高性能なアプリがあれば、OSが不安定になるのはむしろ小気味良い」というのは、
どんだけ的外れで傲慢な話か、ということのような気がする。
アメリカというOS提供者が、世界にそのOS供給をやめたら小気味がいいかと言われれば、
ドル基軸というOSの上でしか動かない日本経済アプリが、規制や仕様変更を頻繁に繰り返す中華OSの上で
効率的に成果を発揮できるとも思いにくい。
栄光やらなんやら言いたいなら、日本経済は独自のOSを【世界標準】にする努力も込みですべきだが、
そこまではやってこなかったしできないし今後もやらない。
まあ、「アメリカ以外の面倒を見ているヒマがなくなった」ということになるのかどうかはわからんけど、
【貯金をしないでものを買い続ける(最終債権者になる)】ような無限の購買力wを、
アメリカに替わってやれるような「貪欲で消費欲豊かな国」があるなら、
アメリカの代わりにならないこともないかもしれないけど、どうなんだかね?