ところが、陸海空3自衛隊の予算配分は長年、ほぼ固定されている。今は、3自衛隊の部隊を統合運用する時代に
なったのに、組織を守ろうとする各自衛隊の縦割り意識が依然強く、冷戦後の防衛力の見直しが不十分なままだ。
陸上自衛官は、他国に比べて、幹部や中堅が多く、若手が少ないという、いびつな階級構成になっている。平均年齢
も高い。
現状では、来年度以降、退職手当の増加などで数百億円単位で人件費が膨張し、装備費や訓練費を圧迫しかね
ない。給与・定年制の見直しや再就職支援の強化など人件費抑制策の検討が急務だ。
定員削減には、政治の役割が重要となる。157の陸自駐屯地の統廃合には、特に過疎化が進む地元の反対が
強いが、安全保障と過疎対策は区別すべきだ。
北沢防衛相らが自ら優先順位を判断し、地元の理解を得る努力をしなければならない。
(2010年11月21日01時20分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20101120-OYT1T00916.htm