>>559の続き
「どこか倦怠感が漂っている。今度もまた、ただ一走り索敵をするだけで、
空くじを引きスカパ・フローに戻って、来週はまた索敵・・・
英国艦隊にとって、この戦争はドイツ人相手の戦いというより、倦怠感を
敵にまわしての戦いといった感じがする。
ドイツ側は英国の弩級戦艦の火力と正面切って対抗するのを好まない。
英国の海岸に時々奇襲攻撃をしかけたり、ハートルプールやスカボローに
爆弾を落として市民を殺傷したりはするが、その仕返しをしてやる間もなく、
敵はいつだってヤーデ港の基地にさっさと取って返してしまう。
ジュリコー司令長官は、ドイツ艦隊を網にとらえたいと、幾度となく艦隊を
率いて北海を横断し、索敵に努めてきた。
あるいは敵をそそのかして出撃させようと、ドイツの鼻先で挑発行為に出る
こともある。しかし、ドイツ野郎は用心深い。