IWC総会決裂 商業捕鯨再開案白紙に
6月23日20時45分配信 産経新聞
【ロンドン=木村正人】モロッコで開かれている国際捕鯨委員会(IWC)の年次総会は23日再開されたが、今後
10年間の暫定措置として捕獲制限を設けた上で捕鯨を認める議長案の協議は棚上げされた。南極海の調査
捕鯨などをめぐる捕鯨国と反捕鯨国の溝が埋まらなかったためだ。3年を費やしたIWCの正常化プロセスは
白紙に戻った。
リバプール副議長はこの日「商業捕鯨モラトリアム(一時中止)など主要課題についてまだ多くの作業が必要」と、
合意を得るのは困難との考えを示した。
副議長は新たな議長修正案をまとめて合意を目指したが、協議は紛糾。総会を21日から2日間休会にして、
捕鯨国と反捕鯨国の直接交渉に結果を委ねたものの、対立をさらに鮮明にしただけだった。
反捕鯨国は、日本が南極海の調査捕鯨を断念して日本沿岸の商業捕鯨再開という“実”をとる可能性があると
計算したが、日本の捕鯨団体は「南極海の調査捕鯨は“外堀”だ。調査捕鯨の廃止に応じたら次は内堀の沿岸
捕鯨の番だ」と逆に警戒心を強めていた。
IWCは20年以上も捕鯨国と反捕鯨国の対立が続いており、今回、議長案を軸に妥協が成立するとの期待が
寄せられていた。
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