モリソン博士のハワイ作戦批判への反論
戦術面
「艦船ではなく基地施設・タンクを攻撃すべき」
・ドック内にいた駆逐艦カッシン、ダウンズ、ショーの3艦は大爆発・大火災をを起こしたが、ドック自体の損傷は軽微。
・そもそも単なる桟橋等でもない限り、恒久施設として築港された港の港湾能力を完全に破壊することはほぼ不可能である。
破壊出来るかどうかではなく、“復旧”出来るかどうかは『補給が継続出来るかどうか』である。
・艦船を攻撃せず基地施設・タンクを攻撃することは、至近に在泊している艦艇群より一方的に対空砲火を浴びることになる。
軍港地区(というよりハワイ全体)における最大の対空火力は、在泊艦艇群である。
これを制圧せず他目標を優先的に空襲することには、軍事的合理性を見出だせない。
戦略面
「馬鹿げている」
・本当に馬鹿げているなら真珠湾の損害を『戦艦2隻損傷他…』などと
ミッドウェーの大本営発表もびっくりな報道管制を戦争末期まで行う必要は無い。
米議会が被害の実態を知るのは戦後の調査委員会においてである。
なお、現地を視察したノックス海軍長官(記憶ミスならスターク作戦部長)が、あまりの惨状に精神的ショックを受けている。
政略面
「取り返しのつかない失敗」
・ハワイを攻撃するかどうかで、米国の生産能力が上下するなどと言う、非科学的現象が発生するのであろうか?
・精神的・士気の面で見ても、フィリピン、グアム、ウェークが攻撃・占領を受けているにも関わらず、
ハワイが攻撃されなければその分だけ米世論が宥和的になる、軍の士気が下がる、などということが有り得るのだろうか?
そもそも「パネー号誤爆事件」ですら日米開戦の危機となった現実を無視してはいないか?