RAND OP287
RANDの米陸軍研究部門であるアロヨセンターは
不正規戦における機甲戦力の役割について各国軍と海兵隊から聞き取り。
米海兵隊 AAV-7を装甲兵員輸送車として使用。歩兵戦闘車としてみれば
艦艇から上陸海岸までの浮航のための車両であるAAV-7はブラッドレーに劣る。
イラクでは予備役海兵大隊がAAV-7を使っていて大型仕掛け爆弾の炸裂で
転覆し搭乗していた20名超が一度に亡くなったことあり。
戦車はM1A1を使用。TUSK(Tank Urban Survival Kit)の構成装備の多くを取り入れて
いる。また、海兵隊戦車大隊は従来の4個中隊にさらに1個追加しつつあり。
機甲車両は歩兵作戦の支援で、小隊もしくは単車で用いられることあり。
英陸軍 バスラでは軽歩兵作戦を重用するもウォーリアとチャレンジャーも2009年の
撤退まで使い続ける。歩兵作戦のため小部隊で分散運用は海兵隊と同様。
戦車には威嚇効果あり、戦車が一帯にいると武装勢力の活動が著しく低下。
唯一の限界は兵站上の負荷。武装勢力の攻撃で失われたチャレンジャーは無し。
ただし損傷したものはあり。装甲を付加していくうちに車重は75トン近くとなった。
英陸軍続き
アフガンへチャレンジャーを持ち込んでいない理由
・ヘルマンド州は僻地であり、兵站上で難題となる
・カナダ軍のレオパルド2が隣のカンダハル州に展開しており必要に応じて支援えられる
・ウォーリアをアフガンへ派遣している
ウォーリアは仕掛け爆弾とRPGに対抗すべく装甲追加、軽戦車として使われている
最近の報道では戦車をモスボールし機甲部隊の隊員を他の任務に転じる構えと
伝えられている。実行されれば英陸軍で最重量の装甲戦闘車両は30トンのウォーリア
となる
カナダ軍
2000年から2001年にその後10年から15年の姿を決する内部検討あり
・古いレオパルド1の後継を用意せず、LAVを用いた軽中戦力へと移行することとなる
しかし、2006年にカンダハル州へ派遣され重戦力についての認識一変
・LAVの25mm機関砲は建造物などに対し威力不足、地雷・迫撃砲・RPG・無反動砲
に対する防護も不十分、機動も路上に制限され路外でははまりこむ
・現地指揮官は戦車の派遣を要請、まずレオパルド1が、続いてレオパルド2を
ドイツとオランダから余剰分を緊急に買い付けて送り込んでいる
レオパルド2が現地展開したのは2008年夏
・レオパルド1にまさる成功をおさめている
・歩兵作戦の支援で小部隊で用いられる、戦車を伴う車列は伏撃の可能性が大きく減る
・これまで重大な損傷を受けたのはレオ1 1両、レオ2 2両 乗員戦死は1名のみ
・路外機動力あり、スタックしたLAVの回収などもしている
・全周にRPG対策の金属装甲、乗員の居住性改善で冷房(cooling system)をとりつけ
デンマーク軍
ヘルマンド州に大隊戦闘群を派遣
・軽歩兵と機械化中隊の混成で、段列・支援部隊がつく
・レオパルド2 1個小隊が2007年から派遣されており、英軍を支援
威嚇効果、小部隊運用は他軍に同じ 山岳地形と兵站上の負荷あり
最大の脅威は仕掛け爆弾で工兵支援が必要となるときある
・しかし、戦車に損傷を与えるには極めて大型のものが必要で埋設は手間
120mm砲は精確で、付随損害・民間人被害を局限
・武装勢力との交戦が始まると即応可
・武装勢力が戦車火力に注意しているのは明らか
・戦車が一帯で行動していると武装勢力の活動がかなり低下
#120mm砲のくだりは比較対象が155mm榴弾砲やGMLRS(誘導ロケット弾)、
航空爆弾(250キロ、500キロ、1トン)などだろう。
#次にイスラエル軍のもあるのだが省略。