南雲忠一中将を再評価するスレ(奴)

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691名無し三等兵:2010/06/14(月) 23:09:54 ID:???
>>675
インド洋で英東洋艦隊をボコボコにしてみたかったな。
空襲で空母インドミとフォーミを沈め、他の戦艦にも損害を与える。
夜間に水上砲戦に持ち込んでウォースパイトやR4隻を金剛型戦艦で包囲殲滅する。
692名無し三等兵:2010/06/15(火) 00:01:58 ID:???
金剛型戦艦の兄弟(金剛の生家はエゲレス)の末裔と戦うのは本望かもねえ。
693名無し三等兵:2010/06/15(火) 09:09:55 ID:???
>>691
制空権を奪取した状況でわざわざ夜戦に持ち込むとは、マタパン岬を再現したいんですね。
694GF長官:2010/06/15(火) 21:48:44 ID:???
>>683 ここは南雲スレの組織票を総動員してだな・・・
ライバルはストパン2期か、こいつは手強いぞ。よし作戦会議だ!→>>685

>>684 レーダーは外せないな。無線も欲しいし防弾も、あと消火設備も充実させて・・・
うーむ、何百枚売ればいいんだ?

>>685 源田艦隊w

>>690 お前はもう死んでいる・・・って何のスレだ、ここは。

>>691 同意。ガ島反攻がなければ、新生第三艦隊VS英東洋艦隊が実現したかも。

>>692 師弟対決ですな。

>>693 戦艦部隊にも活躍の機会を!
695GF長官:2010/06/15(火) 22:38:56 ID:???
NHKの朝ドラ『ゲゲゲの女房』。今週のタイトルは「連合艦隊再建」
ついに本職にも出演依頼か・・・と思ったら、プラモデルの話でした。
まぁ、日本男児なら誰もが通る道ですよねぇ。

>>689の続き

味方駆逐艦の魚雷により処分されたはずだったが・・・

「ところが同艦はこの時沈没せず、まだ生存者が残っていたのである。
翌日早朝主隊所属の鳳翔の索敵機(九六艦攻)はなお浮いている飛龍を発見し、
偵察の結果、艦上に人影があり帽子を振っていたと報じた」   (『戦史叢書』)

>>687で紹介した写真はこの時のもの。
これらの生存者は機関科員でした。
696GF長官:2010/06/15(火) 22:40:39 ID:???
>>695の続き

機関科とは実に苛酷な職場です。
兵科と機関科との格差については先に触れましたが(>>565)、砲術科や飛行科等の
”花形”と比べると、対照的に裏方の印象は拭えない。

またその職務上、最後の最後まで部署を離れることは許されない。軍艦にとって、
戦闘海域での機関停止は死刑宣告に等しいですからね。

「艦が沈む場面で、艦首を海中に突っ込み、艦尾を空中に突き出して、そのまま
スルスルと引き込まれるように姿を消すのをよく見る。そのとき空中で勢いよく
スクリューが回っているのを見かける。それは艦底の機関室で機関科員がちゃんと
配置を守っていることの証しである」 (『指揮官たちの太平洋戦争』吉田俊雄/著)

仮に総員退艦が下令されても、艦底に位置する機関室から最上部の飛行甲板まで
脱出するには困難を極める。

「なにしろ缶も機械も艦底にあるから、さあ総員退艦だと言われても、上甲板への
通路は火の海だったり、閉めていた防火・防弾・防水用のハッチや隔壁が敵弾の
ために開かなくなったりして、出るに出られないことの方が多い」
697GF長官:2010/06/15(火) 22:41:46 ID:???
>>696の続き

ミッドウェー海戦全体で見ても、

[機関科戦死者数]
      機関科/全体
赤城    115/267 (43%)
加賀    212/811 (26%)
蒼龍    121/392 (31%)
飛龍    242/711 (34%)
計     690/2181 (31%)

全体から言うと整備科(721名・33%)が一番多いが、これは格納庫内の誘爆
による死者だと考えられる。

「搭乗員の犠牲の大きさよりも、格納庫や飛行甲板にいた整備科の兵員たちの
戦死が目立つ。機関科という艦底近くに閉じ込められた配置で死んだ人々の多さ
にも目をとめられたい」                  (『記録ミッドウェー海戦』)
698GF長官:2010/06/15(火) 22:43:23 ID:???
>>697の続き

故に機関科将校には、兵科将校とは異なる一面が求められていた。
「機関長というのは、部下の前でまず立派に死んでみせるのが任務なんだ」

その心は。

「機関科では実際に機械を動かすのは下士官や兵の仕事だ。そしてその命令は
艦橋から通信機で伝えてくる。

例えば”第四戦速”と命令があったら、主機の回転数をどれだけに増し、缶では
バーナーのどれとどれを使って蒸気圧を何キロにする、というふうにマニュアルで
すべて決まっている」

つまり、職務的には機関長はそこに居ても居なくても良いことになる。
対する兵科将校は状況に応じて判断し、命令を下さなければならない。
699GF長官:2010/06/15(火) 22:45:24 ID:???
>>698の続き

では、機関長は何のために居るのか。
それが上記の「部下の前で立派に死んでみせる」です。

「敵の魚雷が命中し海水が機関室に奔入して来る。敵の砲弾・爆弾が機関室に
貫通炸裂する。そんな時室内では高温高圧の蒸気が噴出し、一瞬にして焦熱
地獄になる。火攻めに水攻めで逃げ場を失い、否応なしに死に直面してパニック
を起こしそうになる。

そういう状況で若い兵たちを落ち着かせるものは、皆から見えるところに居る
機関科将校が慌てず騒がず、眉一つ動かさずに守所を離れぬことである。
根が生えたようにそこから動かぬ。動かずにいれば死ぬことは分かっている。

それを見て部下たちは、”俺たちだけが死ぬんじゃない。機関長も一緒に死んで
くれるんだ”とようやく落ち着きを取り戻すのだ」
700GF長官:2010/06/15(火) 22:46:34 ID:???
>>699の続き

兵学校とは異なり、機関学校では卒業席次はあまり問題とされず、
「軍人として命を懸けよ、下積みになれ、名利を求めるな、死をもって己の職責を果たせ」
と徹底的に叩き込まれるようですね。

軍艦が沈む時、艦内ではもう一つ別の死闘が展開されていることを心に留め置きたいと
思います。

飛龍の機関科員が多く取り残された事実は、彼らが最後まで持ち場を死守していたことを
示すものであり、同時に、まだ生存者が居るのにも関わらず魚雷を射ち込んだ行動から、
通信系統の途絶、並びに意思疎通の欠如に起因する「指揮系統の崩壊」が生じていたこと
を知ることが出来ますね。
701GF長官:2010/06/16(水) 21:26:24 ID:???
>>700の続き

飛龍機関室に迫り来る危機!
・・・と言っても、命中弾が機関室まで到達したわけではないので被弾直後は無傷。
しかし、格納庫内で発生した火災の影響が徐々に現われ始めた。

飛龍機関長附・萬代久男機関少尉の回想から、

「飛龍被爆時、機関科指揮所に機関長、機械分隊長などと配置についていた。
飛龍は大火災となり、機械室の給気装置から煙と火焔が入り苦しくなった。
被爆約2時間(?)後、艦橋との電話連絡が途絶えた。
当時は機械室の天井は赤く焼け、熱気と煙のため焦熱地獄のようであった」
                                      (『戦史叢書』)
702GF長官:2010/06/16(水) 21:31:48 ID:???
>>701の続き

[飛龍艦内略図]

                  ┏━━┓
                  ┃艦橋┃     飛行甲板
━━━━┳━━━━━━━┻━━┻━━━━━━━┳━━━━━━
      ┃          上部格納庫          ┃
      ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
      ┃          下部格納庫          ┃
━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━━━
            機械室    缶室
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                    艦底
703GF長官:2010/06/16(水) 22:00:18 ID:???
>>702の続き

まずは、「給気装置から煙と火焔が入り苦しくなった」。

機関室は喫水線下にある。密閉された空間で罐を焚いていれば、当然酸欠状態になる。
そこで新鮮な空気を取り入れるための「通風筒」と呼ばれる給気装置が設けられていた。
ちょうど、ターボ車のボンネットに開いている吸気口を思い浮かべれば良いかと。

ところが、火災により通風筒が機能しなくなってしまった。

「通路は煙と炎で充満している。空気を取り入れる役目をする通風筒があるのだが、
そこから本来の新鮮な空気ではなく、熱風というより炎の柱と言って良いかもしれない、
そいつが吹き込んできた。すでに意識を失う者が続出していた」 (『ミッドウェー戦記』)
704GF長官:2010/06/16(水) 22:04:02 ID:???
>>703の続き

この影響で8つの缶室のうち4室が停止した。
しかし缶の半分は生きていたので、前述の通り28ノットを出すことが可能だった(>>688

『妙高型重巡』によると、妙高の缶室は前部で12あり、全力で35ノットですが、
第一巡航全力では使用缶数は7で、28ノット。
飛龍の場合も缶室の半分だけでも、これくらいは出せそうですね。

未だ戦闘行動には支障なし。機関長以下の総意としては、
「機関室は我々が死守するから、何とか上部の火災を消し止めてもらいたい。
消火さえ成功すれば飛龍は助かる」との思いで一致していたでしょう。

だが、その願いも空しく火災は格納庫全体に広がり、収まる気配はない。
萬代少尉の証言に「機械室の天井は赤く焼け」とありますが、
下甲板(=下部格納庫の床面=機械室の天井)が赤く焼けているのは、
下部格納庫が火の海になっていたことを示すもの(>>702
705GF長官:2010/06/16(水) 22:06:07 ID:???
>>704の続き

そんな中、

「突然機関科の缶部指揮官・日下部知二中尉が、下士官一名をともなって
艦橋に上がってきた。風路から這い上がったために、全身汗と油と煤で汚れ、
まったくアフリカの黒人のようである。

”機関科は熱気と硝煙と火焔の煙で呼吸さえ困難であります。しかし総員
決死の覚悟で部署を守っています。現在出し得る速力は28ノット。どうか
一刻も早く消火をして下さい”

加来艦長は日下部をねぎらい、途中は危険だから艦橋にとどまるように
勧めたが、彼は再び風路から缶室に帰っていった。上司、同僚、部下が
命懸けで戦っている処へ帰るのが当然だという様子であった」
                      (『勇断提督山口多聞』生出寿/著)

機関科魂ここにあり、といった感じですね。
すでに通路は煙で塞がれていますから、サンタクロースよろしく通風筒を
上がってきたわけです。

以上のように、艦内の状況は深刻でしたが、艦橋も機関室も誰一人として
艦の放棄など考えてはいない。未だ士気旺盛なり。
その間も拡大する一方の格納庫火災。闘魂多聞丸は飛龍を救えるのか。
706GF長官:2010/06/16(水) 22:08:07 ID:???
明日より出張で仙台へ行って参ります。
今回は久しぶりに飛行機なので、航空偵察訓練でも実施しようかな。
果たして上空から艦種識別はどの程度可能なのか?

次回は土曜日に ノシ
707GF長官:2010/06/16(水) 22:12:52 ID:???
少し早いですが、いつも留守中に奇襲されるのでw

次スレ
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1276688293/

本職は南雲スレ興廃の関頭に立ち、神霊の加護を信じ、住人一同の必死体当たりの
勇戦により、誓って荒らしを殲滅して、聖旨に副い奉らんことを期す。
708名無し三等兵:2010/06/16(水) 22:14:53 ID:???
長官、>>682

>>675 対等の条件でなければ勝っても価値がないのか。いつから戦争はスポーツになったんだ?

と言ってるのに>>694

>>691 同意。ガ島反攻がなければ、新生第三艦隊VS英東洋艦隊が実現したかも。
>>693 戦艦部隊にも活躍の機会を!

と、戦争に“ロマン”を求めてどうすんですか(苦笑)?

想定状況が色々不明ですが、巡洋戦艦に過ぎない金剛型を純戦艦のR級にぶつけるなんてリスク以外の何物でもないでしょう。
ましてや夜戦だと、夜間蝕接が継続できなきゃ地中海海戦線の例のとおりレーダーで不意打ち喰らう可能性大かと。
金剛型の水上戦使用は、不期遭遇時の空母の盾、残敵掃討、巡洋艦以下の撃破で十分だと思いますが。
709名無し三等兵:2010/06/17(木) 23:38:13 ID:???
やっと規制がとけたか。

>>681
>「造船学上、砲塔に装甲を施す主目的は何ですか?
被弾しても砲撃し続けるという継戦能力保持の為。
装甲が薄くても断片防御の効果はあり、それも継戦能力保持の一環。

>また、弾薬庫のそれと何が異なるのですか?」
弾薬の量が段違い。


>>708
>巡洋戦艦に過ぎない金剛型を純戦艦のR級
巡洋戦艦じゃない罠。
改装後は旧日本海軍は金剛を戦艦に分類しとる罠。
言いたいことはだいたい理解できるけど、開戦時の金剛型は戦艦であることは疑いようがない罠。
710708:2010/06/18(金) 21:13:38 ID:???
>>709
>改装後は旧日本海軍は金剛を戦艦に分類しとる罠。

「分類」だけなら、比叡は戦没まで“練習戦艦”のままですけどね。
金剛型は第一次改装で水平・水中防御を強化し若干の速力低下(1.5ノット減)で“戦艦”に分類変更されましたけど、
垂直防御の弱体さは以後も基本的にはそのままなので、「実質的には巡洋戦艦のまま」と考えている次第です。
あくまで個人的見解ですので争う内容はありませんです。
711GF長官:2010/06/19(土) 18:30:18 ID:???
>>708 ありゃりゃ、ネタじゃなかったのか。てっきり仮想戦記の話かと。
また読み間違えたな・・・orz

>戦争に“ロマン”を求めてどうすんですか(苦笑)?
だってさ、金剛型四隻揃ったのはこの時だけだったし、
あの一斉回頭の写真は一番のお気に入りだし、
夜戦になれば南雲長官の真価が・・・!

>>709 有難うございます。
砲塔に直撃弾があっても、誘爆→大火災発生→沈没とは考えにくいですね。
不適切な喩えでした。すみません。

>>710 巡洋戦艦って浪漫がありますよねぇ、バトルクルーザー!
712GF長官:2010/06/19(土) 18:42:47 ID:???
今週の立ち読み情報
『連合艦隊VSバルチック艦隊』(ロバート・フォーチェック/著、平田光夫/訳)

オスプレイ対決シリーズの新刊です。
>>563で出てきた測距について。当時の測距義は、

(露)リュージュク測距儀(有効距離4000ヤード=3658メートル)1880年製
(日)バー&ストラウドFA3測距儀(有効距離6000ヤード=5486メートル)1903年製

ロシアの方はマストの高さの目盛りを読み、実際の高さとの比較から換算して出す。
日本側のは二つの望遠鏡から成り、左右の照準像が重なった時に距離が出る。

日本の方は精度が良く、換算の必要がないので修正が容易だったとか。
それにしても開戦前年に出来たばかりの測距儀を採用するとは。進取尚武!
713GF長官:2010/06/19(土) 18:49:12 ID:???
久々の飛行機なので少し興奮気味でしたが、大したネタは無かったですねぇ。

仙台空港1905着だったので、仙台上空は薄暮の時間帯。
天気快晴でしたが、わずかに艦影がぼんやりと黒く見える程度で艦種識別どころじゃない。
航跡も見えないので、どっちに動いているのかも分からない。
やはり航空偵察は難しいですなぁ。

それと出発前の非常時の対応説明、
「救命胴衣のふくらみが足りない時はホースから息を吹き込んで下さい」
せっかくCA(重巡じゃないよ)の実演を楽しみにしてたのに、映像で済まされてしまった。
今はこれが主流なのか、JALのバカヤロー!
714GF長官:2010/06/19(土) 19:26:33 ID:???
>>705の続き

そして今回の本題である「通信系統の途絶」と「意思疎通の欠如」です。

萬代少尉の回想(>>701)には、「被爆約2時間後、艦橋との電話連絡が途絶えた」とあるが、
公刊戦史も(?)と記しているように、おそらくは記憶違いではないかと。
飛龍被弾(1403)から総員退艦(2330)まで9時間余りあるので、もっと長い間通話可能
だったと思われる。

「艦長の加来は機関科員を脱出させようとして電話をかけた。かすかではあったが、まだ
電話は通じた。第四機関室にいた機関長の相宗邦造機関中佐が出た。
”脱出は可能か”と加来が問うと、
”出来ません”という返事が返って来た」              (『ミッドウェー戦記』)

この段階では艦橋−機関室間の通話は、まだ維持されていたようです。
加来艦長と相宗機関長はともに手が離せないため、ここから司令部と機関室とのやりとりは
久馬武夫機関少佐(二航戦機関参謀)と萬代機関少尉に委ねられた。
715GF長官:2010/06/19(土) 19:27:52 ID:???
>>714の続き

時間経過を確認すると、

1403 被弾
1543 日没
1556 火勢が少しおさまる。速力微速(4ノット)
1630 左舷へ7度傾斜
1635 敵機攻撃圏外への離脱を図る。速力強速(16ノット)
1810 第一戦速赤二○(18ノット)
1823 再び火勢強まる。速力微速(4ノット)
     艦橋に火が回ったため司令部は飛行甲板へ避難。機関室との連絡不通
1905 第十駆逐隊の駆逐艦風雲が飛龍左舷より放水開始
1945 第十七駆逐隊の駆逐艦谷風が飛龍右舷より放水開始
2000 後部舵取機室と機関室との電話がつながる
     機関停止(機関がやられたのではなく、消火作業に専念するため)
2030 火勢弱まる。加来艦長は両駆逐艦に礼を述べ放水をやめさせた
2058 格納庫内で誘爆発生
     決死隊が組織され、機関室への通路確保に向かうも失敗
716GF長官:2010/06/19(土) 19:29:16 ID:???
>>715の続き

この経過を見ると、火災が発生した場合は艦は停止した方が良さそうですね。
速力を上げると、ちょうど山火事が強風にあおられて拡大してしまうように、
消火作業がはかどらない。

ただ夜があければ敵機の来襲が予想されるだけに、ずっと止まっているわけ
にもいかない。どの時点で離脱を決断すべきか、評価が分かれそうだ。
これも第一次ソロモン海戦等で見られた、制空圏を持たない悲哀か。

もう一つはようやく鎮火の見込みが出てきたのに、途中で駆逐艦による放水を
やめさせたこと。詳しい状況が分からないし、放水停止が誘爆につながったのか
直接の因果関係も断定できないので何とも言えませんが、もう少し慎重だった方が
良かったかもしれません。
717GF長官:2010/06/19(土) 19:30:04 ID:???
>>716の続き

艦橋から飛行甲板に逃れた久馬参謀は自ら決死隊を率いて機関室への突破を
試みるが、火勢が強すぎて果たせず。そこで唯一生きていた通信系統であった
舵取機室へ向かい機関室との通話を図った。

機関室側の受話器を取ったのが萬代少尉です。
二人の間にはどのような会話が交わされたのか。
718名無し三等兵:2010/06/20(日) 21:18:55 ID:???
>>712
バー&ストラウド製測距儀(レンジファインダー)については、故小倉磐夫氏の
『カメラと戦争―光学技術者たちの挑戦』朝日文庫のご一読をお薦めします。
http://homepage2.nifty.com/muraji/gunji/camera.htm
当時の光学機器メーカーがいかに軍事と密接に関わっていたか。
また光学系のみならず、高射指揮装置の開発やノルデン爆撃照準器のコピー
などの制御装置と言うか、アナログ式コンピュータというか、今日で言うハイテ
ク関連の開発をほとんど一手に引き受けていた事も分かります。
著者は東大理学部出身でバリバリの専門家ですが、本書は一般向けで読み
やすいですよ。むしろ軍事知識的に若干薄味かもしれませんが。
長年アサヒカメラ「ニューフェース診断室」の担当ドクターを務められた事で
有名な方です。
719GF長官:2010/06/21(月) 21:05:13 ID:???
>>427で紹介した蒼龍の写真が違っていたので訂正を。

萌えよ!空母学校 二時限目
http://furusityofu.gozaru.jp/index.html/sinjyuwan/moe-2.html
下から二番目の写真です。

御覧の通り、全長が推定しにくいような角度から撮影し、また飛行甲板より下から
見上げる視点であるため、艦橋の上部しか見えない構図になっている。

「これは開戦前に唯一公表されていた蒼龍の写真で、基準排水量10050トン、
速力30ノット、寸法なども控えめな数字を発表していた。
特にこの写真では艦橋が一部しか見えないので、『ジェーン海軍年鑑』でも、
怪しげな艦型図を作成し、搭載機も30〜40機程度と推定していた」
                       (『写真日本の軍艦 第三巻』空母1)

確かにこの角度からだと、龍驤クラスに見えなくもないかな。
720GF長官:2010/06/21(月) 21:31:40 ID:???
>>718 有難うございます。>『カメラと戦争―光学技術者たちの挑戦』
本職に写真の趣味はありませんが、面白そうですね。

これまでスレ内で紹介して頂いた書籍は、順番に図書館で借りています。
現在は『海軍反省会』(戸高一成/著)。
珊瑚海海戦関連では、末国正雄中佐(第五戦隊参謀)の証言から。

「珊瑚海海戦においてはね、四艦隊長官(井上中将)の命令を無視して、
五航戦司令官(原少将)と五戦隊司令官(高木中将)の相談で、北へ100
マイル(実際は120浬)位置を移している。5月7日の晩です。

夜間に飛行機を収容した後にですね、四艦隊長官から明日機動部隊は
ここへ行けっていう電報が来てるんですが、それを五戦隊と五航戦と相談
の上で、なけなしの飛行機になってるから北へ敵がおったら困るからですね。
721GF長官:2010/06/21(月) 21:33:37 ID:???
>>720の続き

明日は南の方へ偵察機を六機しか使えない(実際は七機)。それで敵を
掴める位置へどうしても移動しなけりゃならんっていうのでね、四艦隊長官の
電報を幕僚がポケットに入れとけということになって、私がポケットへ入れて、
両司令官が相談で北へ移った問題があるんです」

詳しい経緯は、以下を参照のこと。
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1237378505/582

本編の中では、「索敵開始位置を北へ120浬移動させた」ことは、原少将の
臨機応変な対応だと絶讃しましたが、どうやらこの件は四艦隊司令部に報告
してなかったようですね。

「ポケットに入れとけ」とあるように、握りつぶしたわけです。
今までは、こういう話は信憑性が疑わしいと思っていましたが、ここまではっきり
と書かれてしまうと、そうも言ってられなくなりましたねぇ。
ミッドウェーの赤城やレイテの大和でも、「ポケットに入れとけ」があったかも。
722GF長官:2010/06/21(月) 21:34:51 ID:???
>>721の続き

どうも本職の評価とは裏腹に、参謀間では原少将の評価は低かったようで、
同じく野元為輝大佐(瑞鶴艦長)の証言から。

「私はね、その(珊瑚海海戦)直後に五航戦に乗った訳なんです。そしたら、
山岡三子夫君(五航戦先任参謀)が、珊瑚海の話を盛んにやるんですよ。

五航戦司令官も、五戦隊司令官もクソミソに言うんだな。司令官の決断力が
ないんです。あの時は山岡さんが非常に困ったらしいですな。原さんという人は
強そうな豪傑みたいな格好はしていて、なかなか決断の鈍い所があるもんだから」

まぁ主観全開なので全面的に受け入れるわけにはいきませんが、人物評価とは
実に色々な見方があるもんだなと思います。
723GF長官:2010/06/21(月) 21:46:31 ID:???
号外号外〜 
今週の新刊情報『歴史通7月号』

久々に本職のツボを浪漫ちっくストライクしたトンデモ本だったので、ぜひご一読を。
「山本五十六は名将だったのか」と題し、特集を組んでいます。
対談形式の記事なのですが、その内容たるや・・・

「インド洋作戦で南雲機動部隊は、ハーミスだけ沈めてさっさと引き返した。
あの時はそのまま突っ込んでスエズ運河を爆撃し、既成事実を作っておけば
良かったのに、それをしなかった。当時インド洋に英戦艦は居なかったし、居た
としても簡単に撃沈できたんだから」
724GF長官:2010/06/21(月) 21:47:28 ID:???
>>723の続き

この程度で驚いてちゃいけませんよ!続いては珊瑚海海戦、

「最後の海軍大将として、今井上成美を褒める人が多いけれど、あの人が指揮
した珊瑚海海戦の航跡図というものがある。それを見ると、一晩中ウロウロして
るんですよ。
あんなもの、敵艦隊がどこに居たってシドニーに帰って来るに決まっている。
こっちが優位なんだから、先回りして南下し、待ち伏せするべきだった。
井上は気が小さくて、実戦向きの指揮官じゃなかった。もっと度胸のある田舎モノ
を起用するべきだった」

・・・仮想戦記の話じゃないよね?
てか、仮想戦記でもこれはないだろ・・・

一応、肩書きを紹介しておきますか。
日下公人(評論家)
茂木弘道(史実を世界に発信する会 事務局長)

お願いだから、妄想を世界に発信するのだけはやめてくれw
725名無し三等兵:2010/06/21(月) 22:05:09 ID:???
>>723 >>724
またまたご冗談をww
本書きレベルの人がそんな事書くわけないじゃないかw
「GF長官は嘘つき創作太郎www」と言う為に書店で確認してきてやるわww
726GF長官:2010/06/21(月) 22:22:41 ID:???
>>717の続き

電話口に出た萬代少尉は、機関室の被害状況を説明し、
「息苦しいですが頑張りますから、早く火災を消してまた航進を起こすように
して下さい」と訴える。
すでに蓄電池の容量が減って電話の出力が下がり、音量が小さくなっていた。

聞き取りにくくなった声に耳を澄ましていた萬代少尉に、久馬参謀の驚くべき
言葉が届いたー「機関長へ、何か言い残すことはないか」

「声は小さかったが、話の内容は青天の霹靂というか、あきれてものも言えない
というものであった。萬代は自分の耳を疑いながら、相宗機関長にそのままを伝えた。
相宗は、何をたわけたことを・・・というようにキッとなったが、
”何もない。そんなことより早く火を消せと言え”と答えた」 (『勇断提督山口多聞』)
727GF長官:2010/06/21(月) 22:25:18 ID:???
>>726の続き

『ミッドウェー戦記』の萬代少尉の回想では、機関長自らが受話器を奪って、
「言い遺すことはないかとは何事か!」と怒鳴ったらしい。

その後再び萬代少尉がかわり、
「飛龍が沈むとは、まだ我々は考えていない。
強いて遺言を求められるなら、思い残すことは何もないが、ただ今後の戦いに備える
ための貴重な体験資料を伝えることが出来ないのが残念だ。それだけだ」
と続けた。

両者のやりとりから分かるのは、「意思疎通の欠如」。

萬代少尉が「機関室も全力を尽くすから、司令部も全力で消火に努めて欲しい」と
伝えているのに対し、久馬参謀は「もはや機関室全滅は時間の問題」と思い込ん
でいる。機関長に遺言を求めていることからも、それがうかがえる。
728GF長官:2010/06/21(月) 22:27:31 ID:???
>>727の続き

久馬参謀の”誤判断”は明らかですが、それを簡単に非難することは出来ない。
現に彼自身が機関室への通路を確保しようと赴き、機関室周辺の絶望的な状況を
肌身を以て体験した直後の話なのだから、無理もないと言える。
更に双方とも混乱した状況で、また電話の声も不明瞭だったと思われる。

これらの会話の直後、電話は普通となった。バッテリー切れです。
そして、久馬参謀はこれを「機関室全滅」と判定した。

「午後十時十五分、火が消えた艦橋で久馬機関参謀は、山口司令官と加来艦長に
次のような要旨の報告をした。

”機関長から、機関科員は全員持ち場を死守しているが、すでに多数の兵は力尽き、
次々と倒れているという状況報告があったので、機関長に何か言い遺すことはないか
と聞くと、何もないと”

加来は唇をかみしめてこの報告を聞き、しばらく考えていたが、やがて思い切った
ように姿勢をあらため、山口に”司令官、本艦の命運もこれまでと思います。乗員の
総員退去を命じます”と言った」

かくして飛龍放棄は決まった。
729名無し三等兵:2010/06/21(月) 22:28:50 ID:???
>>724 もっと度胸のある田舎モノを起用するべきだった」

このあたりがネタ(釣り・故意のトンデモ?)臭いな…。
730GF長官:2010/06/21(月) 22:29:02 ID:???
>>728の続き

空母戦は相手を視界内に捉えず、双方とも索敵情報を基にして、手探り状態で
戦闘を進めて行く。故に錯誤が生じやすいのだが、一旦被弾すると、勝手知ったる
艦内の状況すらつかめなくなる。普段は顔を合わせて、言葉を交わす間柄であっ
ても錯誤に陥ってしまうのです。

戦争とは、もともと「非日常の世界」でありますが、中でも更なる「非日常」が展開
されるところに、ダメコンの難しさがあると思います。
まさに「有事の中の有事」。
「常在戦場」や「治に居て乱を忘れず」の格言が、そのまま適用される事例と言える
でしょう。
731GF長官:2010/06/21(月) 22:43:46 ID:???
>>725>>729 いえいえ、本職自身が一番信じられなかったくらいですから。
『歴史群像』とか『歴史街道』とかの隣に平積みしてあったんですよ!
表紙を見て、「ああ、また山本五十六凡将論か、淵田とか千秋とか出てくるんだろ」
と手に取ってみたら(ry
732名無し三等兵:2010/06/21(月) 23:04:11 ID:???
千秋いうなw
733名無し三等兵:2010/06/22(火) 14:38:38 ID:???
ああ、あのみなみけ姉妹。

姉  瑞鶴 (ほよよんさん
真ん中 隼鷹(暴れるの好き
妹 瑞鳳 (地道に努力
734名無し三等兵:2010/06/22(火) 17:04:37 ID:???
>>721
>ミッドウェーの赤城やレイテの大和でも、「ポケットに入れとけ」があったかも。

うろ覚えですが、その末国中佐が3F参謀時の南太平洋海戦でも同じことをやったと、昔の丸の座談会で本人が述べていました。
内容は南太平洋海戦会敵直前の艦隊行動に関するもので、
GFから随時来る艦隊行動指示に「忠実に遂行しなければならない」と憔悴気味の南雲長官に休息を取らせるため、
参謀一同が示し合わせてGF電を握り潰し、末国中佐が自分のポケットに入れたと。
要は、現場の3F参謀がGF命令を妥当ではないと判断し、邪魔になる南雲長官をハブッたみたいです。

まあ、その判断が妥当であったかどうか、結果として作戦(海戦)を左右したかどうかを別にしても、
これらが事実であるとすれば、命令と統帥という軍隊組織の根本を自ら否定しているわけで。
随時あるいは事後にその旨報告をしているならば話しはまた別ですけど。
(とはいえ、組織社会では普通にありがちなことでもありますが)
735名無し三等兵:2010/06/22(火) 18:50:36 ID:???
ネルソンが片目に目を当てて、見えない見えない、と言うエピソードがあったな。
736名無し三等兵:2010/06/22(火) 18:52:12 ID:???
○片目に手を
×片目に目
737名無し三等兵:2010/06/22(火) 19:12:59 ID:???
>>731
歴史通見てきた。
い号作戦の日本は1000キロ先まで飛行したとか書いてあったと記憶している。
何の事か最初わからなかったが、よくよく考えればブイン〜ガダルカナルは600km弱、ラバウル〜ポートモレスビーは800キロであり、両方とも四捨五入すれば1000キロ。
つまり、い号は1000キロ先まで飛行したで全然間違いではなかったわけだ。
他の内容?
歴史群像が面白かったという記憶しか残りませんでしたw
738名無し三等兵:2010/06/22(火) 19:32:49 ID:???
これはまたアウトレンジ廚が沸く前兆だな
739GF長官:2010/06/22(火) 21:26:27 ID:???
>>732 ”さん”を付けろよ、バカ野郎

>>733 このスレは、南雲機動部隊所属空母の平凡な日常を淡々と描く物です。
過度な期待はしないでください。
あと、部屋は明るくして、モニター画面から3メートルは離れて見やがって下さい。

戦闘旗をかかげて〜ドキドキ楽しんじゃおう〜防空能力上昇みててね〜♪

>>734 有難うございます。これは初耳でした。
>要は、現場の3F参謀がGF命令を妥当ではないと判断し、邪魔になる南雲長官をハブッたみたいです。
南雲長官カワイソス・・・でもあの航跡図を見ると、そりゃ憔悴もするわなぁ。
740GF長官
>>735 隻眼隻腕提督ホレーショ・ネルソンですね。

1801年4月2日、デンマーク艦隊とのコペンハーゲン港海戦。
エレファント号にあったネルソン提督が追撃戦に移ったところ、旗艦ロンドン号の
ハイドパーカー提督から「戦闘中止、後退して戦線を収拾せよ」の旗旒信号。

「”提督、艦隊旗艦より信号!戦闘中止です” 檣楼の見張が告げた。
”なに、戦闘中止だと?” ネルソンは望遠鏡で旗艦のマストを見た。しかし彼は、
それを容認しようとはしなかった。

”見えぬな。戦闘中止の信号などは見えん” 彼は望遠鏡をひねり回しながら言った。
”提督、見えませんか” ハーディ艦長が言った。
”見えん、わしが片目のせいかな”
”そうですか、それは弱りましたな。では、戦闘を中止する必要はありませんな”
ネルソン隊はなおも砲撃を続け、遂にデンマーク側は白旗を掲げた」
                                   (『炎の提督』豊田穣/著)

さすがはロイヤルネイビー、帝国海軍の師匠だけはありますな。