みんす党ですが禿げてねーから

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113名無し三等兵
 「動物農場」は旧ソ連のスターリン独裁体制に対する風刺である。スターリンは今でこそ独裁者だが、オーウェルが
この寓話(ぐうわ)を書いた第二次大戦の末期はドイツのヒトラーをやっつけた英雄だった。

 当時のソ連はイギリスの同盟国であり、イギリスの論壇も世論も社会主義の旗手に好意的で、著者は孤立した。
四つの出版社に断られ、五つ目でようやく日の目を見たとオーウェル伝は伝えている。

 「動物農場」の豚は、人間を追い出した翌日から牛の乳をしぼって飲み始めた。オーウェルを好んだ開高健は、
この寓話の主題は「一杯の牛乳から始まり、最後は他の動物を殺して食い始める革命の堕落」だと書いている
(「今日は昨日の明日」84年筑摩書房)。

 福祉には財源がいる。外交には相手がある。公約見直しが堕落とは限らない。だが、「自民党の利益誘導は
悪いが、民主党の利益誘導は良い」という新公約は受け入れられない。「改革のため」「政局安定のため」という
詭弁(きべん)に鈍感であっていいはずがない。

 公共事業の予算配分(個所付け)情報を自治体や土建業者に流し、見返りに選挙で支援を受ければ利益
誘導だ。先日、自民党より露骨な民主党の情報伝達が話題になった。

 この問題は先週、首相が国土交通相を口頭注意して幕引きとなったが、おかしい。首相は情報を漏らした
民主党幹事長室を責めず、このやり方に反対した国交相を責めた。豚の代わりに牛や羊が謝っている。基本が
見失われている。民主党の先行きを危ぶむ。(敬称略)(毎週月曜日掲載)