>>565の続き
注目したのは、その後の分析です。
「この決断には、敵正規空母発見の報を受けて最大攻撃力を発揮するため、
あくまで雷爆協同攻撃に拘って悲劇的敗北を呼んだミッドウェー海戦と同一の
思考を根底としたものである事に注目されたい。
日本海軍はワシントン海軍軍縮条約以来、米英両国に対する決定的な数的
劣勢を克服するため、戦うならば必ず敵艦を沈める事をドクトリンの中核に
置いてきた。
特に戦艦や空母と言った主力艦は、損傷させるだけでは数ヶ月の修理で
前線に復帰してくるだろうが、沈めてしまえばいかに巨大な工業力を持つ
とはいえ、新たな戦力投入には数年の期間を必要とする。ここに勝機がある。
つまり”肉を斬らせて骨を断つ”を積み重ねることによって勝利の可能性を
見出すという考え方である。しかしこの思想の追求は、逆に敵艦撃沈に拘る
あまり、戦術の柔軟性や即応性を制限する弊害も生じさせていたのだ」