しょうもない知識を披露するスレ 第17幕

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183名無し三等兵
大戦中の女性パイロットと言えばソ連のリトヴィヤク中尉やドイツのハンナ・ライチェが
有名だが、イギリスにも女性ながらロンドン民間防衛隊委員長を務める女性パイロット
ポーリーン・ガウアー率いる女性8名で創設された民間航空防衛隊という部隊がある。

部下はオーストリア初の民間パイロット第一号で数々の記録を持つエミー・ジョンソン
アイスホッケー選手のモナフリー・ドランダー、バレエダンサーのロナ・リース、
大臣を歴任した自由党の重鎮ウォルター・ランシマン子爵の令嬢マーガレットなど
様々な経歴の持ち主で、軍を志願しながら女性を受け入れない各国の女性が次々に
集まり、出身国は28カ国に及び、女性だけでなくパイロットを志願しながら身体測定で
試験に落ちた人々も受け入れ、あらゆる人種と階層で構成される多国籍部隊になった。

航空輸送補助部隊(ATA)として民間組織初の空軍指揮下の部隊となり、後方での
輸送や連絡の任務に当たることになったが、軍からは政府の人気取りの宣伝で、
女と落ちこぼれの部隊では機材の無駄遣いと廃止の陳情が出されたほどだった。

しかし中央飛行学校(CFS)というATAの専門学校があり、小柄な女性に適した独自の
教育システムと操縦方法を編み出し、我々は見世物ではないと曲芸飛行以外の
あらゆる操縦技術が叩き込まれ、あらゆる機体の操縦ができるまで徹底的に訓練した。

ATAのパイロットは正規のパイロットの三倍の任務をこなす成果を出し、RAFも実力を
認めざるをえなくなり、馬鹿にして連絡機や小型輸送機の操縦しか認めていなかったが、
次第に戦闘機や四発爆撃機の輸送、作戦空域への貨物人員の輸送、救助機の操縦と
様々な任務を任せ、海外にまで出撃するRAF航空支援部隊随一の精鋭になった。

戦時中のATAは出撃回数30800回、総飛行時間415000時間、130種類以上の飛行艇を
除くRAFのあらゆる機体を操縦し、人員輸送で一人の死傷者も出さないという不滅の
大記録を残している。