平成の日本では有り難味もヘッタクレも無い味の素ですが、ウチの祖母の少女時代だった
昭和一桁の時代の味の素はかなり貴重な代物だったそうで。
祖母の実家は何人もの小作人を抱える裕福な農家だったのですが、それでも当時はかなり
高価だった味の素を毎日の食事にホイホイ使える訳ではなく、村の雑貨屋なんかには売って
いないので、普段は味の素の小瓶を戸棚の奥深く厳重に保管していました。
秘伝の味(笑)を使うのは盆正月や村祭りや運動会や冠婚葬祭の時に限られ、主に庭で飼っている
鶏を潰して作った鳥飯にその魔法の粉(笑)を振りかけ炊き込んでいたのですが、鳥飯を
振舞われた親戚一同は「どうやったらこんな味が出来るのか?」と皆不思議がりつつ何杯も
お代わりをしまくっていたそうです。 親戚らがその魔法の種を明かされたのは随分後だったそうで。