F22導入 絶望的に 米下院幹部 駐米大使に『輸出困難』
2009年7月30日 朝刊
【ワシントン=岩田仲弘】米下院国防歳出小委員会のジョン・マーサ委員長(民主党)が、日本が次期主力
戦闘機の候補に挙げていた最新鋭戦闘機F22の輸出は困難との見通しを藤崎一郎駐米大使に直接伝えて
いたことが分かった。
複数の米議会関係者が二十八日に明らかにした。
これにより、日本のF22導入は絶望的になった。
F22をめぐっては上院がこのほど、国防費改革を進めるオバマ大統領の方針に従って七機分の新規購入
経費(十七億五千万ドル)を削除した上で二〇一〇会計年度の国防権限法案を可決した。
下院は一方、十二機を新規調達するための費用(三億六千九百万ドル)を盛り込んだ国防歳出法案を
三十日にも採決するが、ホワイトハウスの行政監理予算局(OMB)は二十八日、法案がそのまま可決された
場合、大統領が拒否権を行使するとの声明を発表。
マーサ氏はこれまでF22の新規調達に積極的な姿勢を示していたが、こうした一連の動きを受け、調達費を
配備済みのF22の修理・維持費に振り替える修正案を提出した。
また、上下両院で可決された国防権限法案には、海外輸出の可能性を調査し、議会への報告を求める修正
条項が盛り込まれ、今秋両院協議会で取り扱いが協議されるが、マーサ氏のスポークスマンは、国防歳出法案
には軍事機密を保護する観点から海外輸出を禁じた「オービー条項」があり、輸出は困難との考えをあらためて
指摘。マーサ氏は同様の考えを藤崎大使にも直接伝えたとみられる。
ttp://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009073002000100.html