18日東京版
5円のモヤシ料理味わってみよ 無職 本間多恵子(新潟市中央区 40)
「ジャ、ジャ、ジャ、ジャーン」と彼が夏の賞与の明細を見せてくれました。何と手取り6万7355円。
彼は高卒で地元の会社に勤め、私と娘2人を養い、家のローンも払いながら長女を今春から大学
にも通わせています。
大不況の中、失業率は高まり、生活苦の果てに死を選ぶ人すらいると聞きます。生きることさえ
大変な世相。すべて政治家の皆様のせいとは言いません。しかし格差社会の中で逼迫(ひっぱく)
した生活を本当にご存じでしょうか。私のように1袋5円のモヤシの特売チラシに、交通事故後の体
も顧みず自転車を走らす国民の姿を知ってください。
彼は賞与も激減、月収も半分になりました。にもかかわらず悔しさを「ジャ、ジャ、ジャ、ジャーン」
とユーモアに換え、「家のローンが払えただけでもいいよ」と不満をかみ殺しています。「アニメの殿
堂」などで、そんな健気(けなげ)な国民に報いることができると本気でお考えですか。首相は一度、
5円のモヤシ料理を食べ、国民のための政治とは何か、考え直してください。