母方の祖父
戦地の話はしてくれたことがないが・・・
曾祖父の代に満州に渡ってた。
満州で仕事してたら戦争が始まったけど、行きたくないから大学受験。
流石に現代戦で馬は使わないだろうと獣医系の学部へ。
内地の大学(二松学舎つってた)には落ちたが、朝鮮の大学に受かったのでそっちへ。
満州出身で日本人にあまり馴染めず朝鮮人の友達が多かったらしい。
同級生取り年上で、顔も老けてたので付いたあだ名が、「アボジ(朝鮮語で親父)」
内地からの日本人は必修の朝鮮語がテンデ駄目だったので、爺ちゃんを仲介して朝鮮人に教わってたらしい。
支那語の授業になると爺ちゃん大人気。
そのうち学徒動員がはじまって爺ちゃんも出征。
友達の朝鮮人は招集かからなくて悔しくて泣いてたそうな。
見せてもらった出征の時の日の丸の寄せ書きには、
「武運長久我等のアボジ」やら、「見敵必殺 金○○」やら・・・
他にもハングルでなにやらびっしり書かれてた。
多分ネットに写真あげたら発狂する奴が出るレベル。
そんな爺ちゃんだが、俺の小さい頃に肘ついて食べてたり茶碗持たなかったりしたら、
「センジンみてーな食い方すんな!」と怒鳴られてた。
祖母も満州生まれで、夫婦揃って中華料理好きなもんで、
爺ちゃんが糖尿になるまでは正月2日目から満漢全席。