英国、核抑止でSSBNヴァンガード級後継に論議あり
June 20, 2009
Defence cuts may put Trident replacement plan on scrapheap
Michael Evans, Defence Editor, and Suzy Jagger, Political and Business Correspondent
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/politics/article6536097.ece 自由民主党指導者のNick Cleggは既存のと同様の弾道弾潜水艦で抑止を維持するのに反対と言明
ロバートソンNATO事務局長はトライデント後継計画を国防見直しの対象に含めるべきとする
廃止ではなく、現級の寿命を延長する余地はあり、その間に米ロの核削減で進展があれば英国も
多国間削減の取り組みに参加することもありえる
トライデント後継計画は初期段階にある。BAEシステムズ、海軍、国防省が新潜水艦の設計をしている
海軍は2024年の就役を主張しており、海軍筋はヴァンガードの船体はこれ以上の延長は無理。
抑止パトロールの断絶を防ぐためすでに2019年から2024年へすでに延長されている
自由民主党の前指導者であるAshdown卿は国防省は来年には100億ポンドの財政赤字となる
中、計画を廃止すべきと話す
英海軍はトライデント後継計画のほか、39億ポンドの6万5千トン級空母2隻の計画がある。
・国防見直しの対象となっている。今年末までに10億ポンドの費用が投じられることとなる
・1号艦の鋼材切り出しは7月に行われる予定
2003年に英軍参謀総長を最後に退役したBoyce卿(提督)は将来の政権がトライデント後継を
廃止するのならば、今すぐにヴァンガード級4隻を退かせるべきだと話す。2024年で核抑止を
終えると決定しておきながら、その時までトライデント搭載パトロールを継続するのはありえぬ。
後継がないなら、トライデント搭載艦乗組員の意味も失われる。10年後に誤りだったとしても
すでに運用能力は失われている。再度の立ち上げは容易ではない。
保守党の下院国防委員会委員のJames Arbuthnotはこれまで3回、議会は報告書を作成したが
国防省の財政状況からみて今会期末までに再度、調査を行うこともありえるとする
元の英軍参謀総長であるBramall卿はトライデント後継に反対の立場を明らかにしている
他にも元陸軍参謀総長らが反対の声をあげている
一方、6月に国防相を辞任したばかりのJohn Huttonはトライデント搭載艦を更新しないのは
信じられないほど近視眼的。いわば一方的に自分を武装解除するようなもので、英国にとって
全く何も得られないと批判。
サッチャー政権で国防相をつとめたJohn Nott卿は、トライデントを打ち切れば破滅となる。
英国の防衛の基礎だと話している
#英国の報道はトライデント計画(Trident Program)の一言でトライデント弾道弾、搭載原潜、
これらをひっくるめた核抑止戦力構築、パトロールなどを意味させている。
コメント欄では発射権限や支援衛星は米国の手中にあるとの指摘あり。