【アジア】中国・99式戦車【最強】

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736名無し三等兵
>698-700 の記事を読んで気になったことは、チェチェンで大きな損失をこうむる
原因の1つとなった、記事では自動消火装置程度しか触れられていないが、二次
爆発による全損をどれだけ抑えられる様になったのかという点。

ttp://web.archive.org/web/20051230070048/http://angrif.hp.infoseek.co.jp/atc.htm
第一次チェチェン戦争では、無望な都市への戦車突入をさせられたロシア軍
の戦車部隊が、ロシア側の戦車の特徴をよく知るチェチェン側による戦車の
弱点を重点的に狙う攻撃により、正面装甲の防御力とは関係ない所で被害
を出す事になったのだがT-80は特に被弾後の二次爆発による被害を起こし
やすいと指摘された。

この原因としては幾つかの指摘が成されているが、「グランドパワー」2003年9
月号の古是三春氏のT-80特集記事を見ると、T-80はぎりぎりまで乗員スペー
スを削減した車内に、1840リットル(T-72は1000リットル)に及ぶ莫大な燃料と
半燃焼式装薬を含む弾薬に挟み込まれた状態に置かれていた。二次爆発を
起こした際に損害が大きくなったのは、この大量の車内燃料に原因の一端
があったのではないだろうか。

ロシア軍は戦後にガスタービンエンジン搭載戦車を止めた事、ディーゼルエン
ジン搭載型のT-80UDでは燃料搭載量が1300リットルに減らされている(燃費
向上により大量の燃料搭載が必要なくなった点もあるが)はこのことを裏付け
る物と思われる。
737名無し三等兵:2009/04/23(木) 05:40:47 ID:???
試験に用いられたT-90とT-80Uはいずれも第一次チェチェン戦争には
参加していないので、これらの車両が弱点を攻撃された場合どうなるか
は未知数である。

これを考える手がかりになると思われるのは>451で紹介されたこちらの
サイトであろう。

ウクライナとロシア、それぞれのT-80近代化
ttp://btvt.narod.ru/4/84vs80u.htm

最初に断っておくが、T-80Uの開発は1980年代なのに対して、T-84Uは1990
年代であり、T-84Uはチェチェン戦争の戦訓を汲み取る事が出来たので、改
良のレベルが高い。

T-80U(ロシア)…より厚い複合装甲+コンタクト5ERA
T-84U(ウクライナ)…新型の防御力が向上した溶接鋼板製砲塔に複合装甲を装
            備、その上にモジュール化されたニージュERAを装備。車体
            側面のサイドスカートの面積増加。

ウクライナのT-84Uの砲塔換装は、ロシアからの砲塔供給が停止したための苦
肉の策ではあったが、結果的に防御力を改善する事に成功している。


「脆弱性の改善」
ウクライナの技術者は、戦車の安全性を向上させるには砲弾搭載量を減らすの
も止むを得ないとした。元々のT-80では45発の砲弾や装薬が車内各部に満遍な
く配置されており、被弾時のリスクを増していた。ウクライナのT-84Uでは、搭載砲
弾を40発に減らしている(自動装填装置に28発、操縦手右側に7発、5発は砲塔後
部に設置した装甲区画に搭載。)戦闘室と砲弾区画の分離を意図。T-84Uはディー
ゼルなので搭載燃料も減らす事ができる。
738名無し三等兵:2009/04/23(木) 05:57:27 ID:???
一方、T-80UはT-84Uのような車内配置まで見直した改良は行われておらず(設
計が1980年代初めなので、チェチェンの教訓を組み込む事は不可能)なので弾
搭載数は45発のまま。ガスタービンエンジンで燃料搭載量はT-80と変化無く、車
内に多数の砲弾と燃料が分散している状況には変化は無い。

そのため、脆弱な部分に被弾した際には潜在的な二次爆発のリスクは抱え続
けて居る可能性があると思われる。被弾試験で二次爆発が起きなかったのは
消火装置の改善による物か、脆弱な箇所が被弾しなかったことによるのかは
もう少し材料の欲しいところ


ロシアでチェチェンの戦訓を組み込んだT-80の改良型が登場するのは、1990年
代末に登場するT-80UM-1を待つ必要がある。

ttp://btvt.narod.ru/4/t-80u.htm
こちらの下のほうにT-80UM-1の説明がある。防御面ではアクティブ防御システ
ム(アレーナ、シトーラ1、ドローズドの装備)の装備が目立つが、車内配置の改
良については触れられていない。ただし、ディーゼルエンジンなので搭載燃料は
大幅に減らされているのでこの点は改善されているのが分かる。

しかしT-80は製造元のオムスク工場の経営難と企業規模縮小により、T-84やT-
90Aのような砲塔換装といった大規模な改良は行えないまま生産を終える事にな
りそうな状況にある(チョールヌイ・オリョールがそれに当たる車両だったのかもし
れないが、こちらも試作に終わった)