692 :
GF長官:2009/06/13(土) 20:46:05 ID:???
>>691の続き
「虚構戦記」という題名は聞き慣れないですが、「はじめに」の中に、
「確かに娯楽としての小説ならば、どのようなご都合主義や荒唐無稽な設定も
作者の自由であるが、最近では一方的な主張を下敷きとして、当時の日本軍や
関係者を『〜していれば勝てたのに、行わなかった』と断罪し、歴史の後知恵と
思い込みで『こうするべきであった』と断定する人物もかなり多い。
これらはもはや、シミュレーションと呼ぶに値しない単なる想像上の産物、言う
なれば『仮想戦記』ではなく『虚構戦記』とでも呼ぶべきしろものである」
まったく同感。
非現実的な「仮想戦記」の設定をもとに、史実の軍人を批評することには、常々
疑問を懐いてきましたから。(改)スレ
>>89の通りです。
693 :
GF長官:2009/06/13(土) 20:47:57 ID:???
>>692の続き
「かつての旧日本軍指導者たちは確かに無能であったろう。彼らは毎年莫大な
経費をかけ、それにふさわしい名誉と権限を与えられた『国防のプロ』なのであり、
それが結果として国を破滅させた以上は『無能者』と非難されても当然である。
とはいえ、彼らのほとんどは故人であり反論も期待できない。
そんな相手に対し、後世の知識という『神の視点』に基づいて一方的な断罪を
行うのは、極めて簡単な行為ではあるが、あまりにも安直なやり口ではないで
あろうか。
少なくとも当時の関係者にとっての常識や、彼らの得ていた情報などを基本に
置くべきであり、戦後わかった情報や、後世の常識に基づく身勝手な主張は、
むしろ太平洋戦争に対する正しい認識を持つことを妨げるものではないかと思う」
いやもう、当スレの趣旨そのまんまですな。感動した!
本編でしばしば登場する「誰々になりきって考えてみましょう」というのは、
つまりはこういうことですから。
こういう書籍が出版されるようになったとは、まことに嬉しい限り。
戦後60数年を経て、時代は少しずつ変わって来ているようですね。
南雲大将、貴方の味方は確実に増えていっていますよ!
694 :
GF長官:2009/06/13(土) 21:22:08 ID:???
>>690の続き
ひるがえって五航戦の搭乗員たちは、7日夜をどう過ごしたのか。
司令部とは異なり、こちらは文字通りの「体力勝負」ですから。
「二層に分かれた瑞鶴の格納庫では、原田整備長が陣頭指揮で不眠不休の
整備作業を続けていた。発動機を整備し、油漏れを探し、被弾箇所を修理する。
数少なくなった九七艦攻は、とくに念入りに整備がおこなわれた」(『暁の珊瑚海』)
整備兵が徹夜なのは間違いないでしょうな。
一機でも多く攻撃兵力を確保せよと、司令部から厳命されていたことは間違いない。
695 :
GF長官:2009/06/13(土) 21:23:12 ID:???
>>694の続き
「『整備長、敵はすぐ近くにいる』
帰投直後、士官室で江間大尉が言った。『明日こそ、必ずやりますよ』
嶋崎少佐は明日の攻撃計画の検討に余念がない。
おそらくこの両指揮官は、二度にわたる出撃で疲労の極に達していたのだろうが、
原田整備長が見て、そんな気配はどこにも感じられなかった。
『薄暮の攻撃で多くの同僚を亡くし、かろうじて帰った搭乗員たちがきわめて冷静で
また明日もこのような激闘を繰り返すのかと思うと、同情と驚嘆を禁じえなかった』」
確かに仕事でも納期が迫っていると、いわゆる「火事場の馬鹿力」で乗り切れるもの
ですが、残念ながら長続きしない。
緊張の糸が切れると、一気に疲労が押し寄せてくるので、やはり少しでも休んで体力
の回復に努めてもらいたいものですね。
696 :
GF長官:2009/06/13(土) 21:24:13 ID:???
>>695の続き
「居住区に降りると、まだ箸をおいたままの食器がいくつかならべられたままであった。
未帰還機の搭乗員たちのものである。
多くの乗員たちが車座になって、薄暮攻撃の無残な結末に耳をかたむけていた。
口惜し涙にくれる者もいたし、怒りをおさえかねてぐるぐると歩き回る者もいた」
なにしろ一挙に17名もの同僚を失ったのですから、その虚脱感は想像も及びません。
戦争映画ではお馴染みですが、「戦友の遺品整理」の場面は涙を誘います。
「それより後は一本の 煙草も二人わけてのみ
ついた手紙も見せ合うて 身の上話くりかえし
肩を抱いては口癖に どうせ命はないものよ
死んだら骨を頼むぞと 言いかわしたる二人仲
思いもよらず我一人 不思議に命ながらえて
赤い夕日の満州に 友の塚穴掘ろうとは」 (軍歌『戦友』)
ここは御国を何百里、はなれて遠き珊瑚海、
南の夜空に輝くは、友の御霊か十字星、の風情か。
697 :
GF長官:2009/06/13(土) 21:25:17 ID:???
>>696の続き
戦記の類を読むと、「戦友同士の絆」というものは、今日の我々には想像も
つかない深いものであると知らされますね。
『エリア88』(新谷かおる/作)には、こういう台詞が出てきます。
「戦場に戻るのかね?」
「・・・ああ。戦友たちの声が聞こえてくるんだよ。戦場を離れた男の耳に残る
ものは、爆音でも悲鳴でもなく、友のやさしい声だけなんだ。それは信頼を、
命をあずけ合った人間同士にしか聞こえない声さ」
学生時代、一つの目標に向かって励ましあった友人との思い出は、今でも
懐かしいですが、そういうものとは、また違うのかもしれません。
>>691より
>この作戦がいかに危険で、綱渡りにも等しい
>一重の成功であった、という事実が軽視されがちである
全く同意です。 今度探して買ってきますわ。
ハワイ作戦のみならず南方攻略作戦も数字と現状を突き詰めてやったら
理論以前に図上兵棋ですら、途中で中止せざる終えないものばかりです。
MIでは、宇垣図演というエピソードもありますが、それ以前の段階です。
ハワイは、X日-1に敵部隊に不時会敵、乱戦となって
南雲部隊のほとんど全滅する状態も現出。
だからといって動いている南方攻略作戦は止まらない。
軍令部が投機的作戦といったのは、その辺の事情からです。
>戦後60数年を経て、時代は少しずつ変わって来ているようですね。
いや、ハワイ陰謀説はシカゴの一部学派が唱えて自国で相手にされなかったので
日本に持っていったら大ウケしたという経緯があります。
さらにこの学派は、当時から超少数派です。昭和30年末から盛んに喧伝されましたが
昭和40年後半には定説通り「米国は日本が攻撃してくることを知っていたが、
そこがハワイであることを知らなかったし、仮に攻撃を受けても
あれほどの被害がでるとも思ってなかった。 マニラから出航した某機帆船も件からも分かるように
要するに、米国は先に撃たせる事しか考えていなかったが、ハワイがそうなるとは
思っても見なかった」と言う事で決着が付いています。
ただし、最近盛り上がった米国は知っていたという論の背景には、
開戦に伴う日本人強制収容の非人道性を認め
ほぼ同時期に行われた、戦時中強制収容された日系人に対し、
政策の誤りを謝罪し賠償金を支払う事で事を決着させた経緯と性質と全く同じものです。
要するに、後で謝罪して賠償した方が安く付くからです。
キンメル提督等のハワイ攻撃で罷免ないし更迭された軍人の
汚名返上と名誉回復に一役買ったわけです。 そういう論が盛り上がればね。
既に当該の人々は鬼籍に入り、遺族ばかりですが彼らを救済することは意味があります。
つまり、「知ってたけどごめんね、だけど合衆国政府は謝りますし、その不名誉な事実も取り消します」なら
軍人の家系としては名誉が回復されるのと同じであり、陰謀云々はどうでもよいわけです。
ま、米国内のスパイ網を壊滅させて情報を途絶させ作戦を有利にする為の日系人強制収容コストは、
情報漏洩のリスク低下に役立ち勝利にも貢献し、さらに原爆の情報を与えず、勝利に大貢献したわけです。
それによってもたらされる非難等で掛かったコストは、勝った後数十年たって行う(ほとぼりさめて)
謝罪と賠償金よりも安いものなのです。
ですから、大本営陸軍情報参謀は「日本人はおめでたい、注意せよ」と警鐘を鳴らした訳です。
プロパガンダというのは恐ろしいもので、陰謀論に踊らされた日本は、
真珠湾奇襲を戦後再び逆利用されたわけです。 戒めとすべきではないかと思う次第だし、
恐るべきはプロパも徹底利用する、米国政府でしょうな。最近は原爆投下も道義的に誤りであったと言っておりますが
これも二重三重の裏があると考えてよろしいかと。 日本人の感情を懐柔するに徹底平和教育され
原爆投下した米国に謝罪をの世論が逆利用され、米露の核拡散の懸念を背景にした核廃絶の
(捨てるきっかけはインパクトがあった方がよいし説得力もいる、それには被爆国の感情が一番であるというわけで)
まあ、GF長官には釈迦に仏法を説くでしょうがw
700 :
GF長官:2009/06/15(月) 21:11:54 ID:???
>>698 それは重畳。
>ハワイは、X日-1に敵部隊に不時会敵、乱戦となって 〜
>軍令部が投機的作戦といったのは、その辺の事情からです。
このあたりは、そのまま記述されていますね。
>>699 これも恐縮。
>まあ、GF長官には釈迦に仏法を説くでしょうがw
スレ立てから一年が経ち、自らの成長を自負するものではありますが、
まだまだ付け焼刃ですからねぇ。
>真珠湾奇襲を戦後再び逆利用されたわけです
なるほど、そういうことだったのか。
欧州戦線での英国の老獪さにも舌をまきますが、米国人の「情報の使い方」は
ホントかなわないな。
最近では、オバマ大統領の「核廃絶宣言?」を真に受けている「市民団体」の輩
を見て、同じことを感じました。
701 :
GF長官:2009/06/15(月) 21:37:32 ID:???
>>697の続き
そして、明日の主役になる(であろう)高橋赫一少佐。
『暁の珊瑚海』によれば、翔鶴機関長・中川武男機関中佐との間に、以下の
やりとりがあったそうです。
中川「飛行機隊は何をやってるんだ。
タンカーを空母と間違えるし、薄暮攻撃では敵を見つけながらやられっ
ぱなしで帰ってくる。そんな未熟な腕でどうするつもりなんだ」
高橋「いや、われわれも真剣に任務を果たしているんだ。
確かに索敵機のミスはあった。しかし、航空作戦ではすべてを完璧に
ということは有り得ない。今日一日我々は後手に回ったが、明日は必ず
やりますよ」
中川「搭乗員がしっかりしてくれないから、心配でたまらん。もし米機動部隊
に母艦がやられるようなことがあったら、どうするつもりか」
702 :
GF長官:2009/06/15(月) 21:38:27 ID:???
>>701の続き
そこへ、塚本航海長が割って入ってきた。
高橋「航海長、聞いて下さい。機関長は搭乗員を信用できぬ、と言われる。
まったく残念です」
塚本「攻撃の失敗は何も搭乗員の責任ばかりではないと思います。むしろ、
敵情判断を的確にできなかった作戦指導上の誤りもあると思います。
しかし、隊長も二度の飛行で疲れ切っているようだから、議論は打ち切り
にしたらどうですか。明日もまた、隊長は出撃するのですよ」
やはり「花形」である砲術・水雷・飛行科と、「裏方」である機関科とでは、仲が
悪かったのかもしれません。
703 :
GF長官:2009/06/15(月) 21:41:08 ID:???
>>702の続き
それでも悔しさがにじみ出ていますよね。
「飛行機隊の不甲斐なさ」を誰よりも自覚していたのが高橋少佐でしょうから。
邀撃戦を除いて、通常の空母戦で二度も出撃することは極めて稀です。
その戦果が「タンカーと駆逐艦」では、「信用できない」と言われても反論は
できない。
原少将も辛かったでしょうが、高橋少佐は信頼する部下たちを目の前で多数
失ったわけですから、復仇の念はより強かったと思われます。
たとえ休息時間が用意されたとしても、寝付けなかったのではないかと。
結局、彼は翌日の戦闘で戦死することになります。
戦史をひもとく我々は、一個の軍人の「人生最後の夜」を知りながら、ただ
見守るしか術はない。
もし神というものが存在するのならば、「無慈悲もここに極まれり」と言わね
ばなりません。
今はただ、翌朝の五航戦の奮闘を念じるのみ。
704 :
GF長官:2009/06/15(月) 21:41:47 ID:???
>>704の続き
ようやく一日目が終わりました。
ざっと2スレを消費してしまったな。
珊瑚海海戦といえば、「史上初の空母決戦」ということで、8日の戦闘が注目
されますが、この7日も「前哨戦」として見逃せない。
一日目の戦闘経過を、これだけ丹念に検証したのは、当スレが嚆矢ではと
自負するものであります。
ま、あまり需要はないでしょうが・・・後世の史冊の批評を待つ、なんてな。
GF長官の次回作にご期待下さい!
ー完ー
>>700 >市民団体
阿川氏が言ってましたが「狼が肉食禁止!草食にする!という旗を振って、
それみたウサギが喜んでいる愚と同じだ」と1988年頃に書いてましたね。(海軍こぼれ話)
米露も使えない兵器をSTART1や2で廃絶する費用で四苦八苦してますから
米国防省は「冷戦のツケ」と言う報告書で、1998年以降核兵器破棄で出る核廃棄物処理と保管(盗まれたら困る)に
ほぼ核兵器開発と配備増産の費用と同じ額が使われているとしていますから。(世紀を越えて 核兵器)
廃絶にせよ、その査察に完璧を期したとしても「基地内に隠された一発」と言う疑惑が出るのは確実ですし
もし相手がだました場合「その廃絶の履行」を相手側に強要する手段はないわけですから
この問題は非常に微妙ですね。 まあ冷戦下では核による抑止、それに伴う秩序維持+条約履行が基本だったので
上の様なこともあり得ましたが、現在は通常兵器の精度が上がってますので、騙して脅してもおそらく通常兵器による
徹底的且つ高精度な破壊が待っているだけですんので、おそらく廃絶は可能でしょうが
不正規戦がお得意なゲリラさんにはこのお上品な理屈は通じませんからね。 要するにそこに流れる前に
話が通じる相手(最低限国家であること)だけで廃絶に向かうでしょう。
仮に流れたにせよ、その場合は「我々は勇気を持って核を廃絶し人類を核の惨禍から脱出させた。
しかし、テロ組織(つうかゲリラでしょうw)は核を持って人類を脅している云々……」と言うアピールが出来ますからね。
おっと、核をきちんと廃絶し、アルカイダな人たちが核を持って脅した瞬間彼らは世界から
国家を越えた地球と人類の敵に成るわけですな。 いやはや、これはもはや陰謀ではなく
廃絶に伴う副次効果を考慮した戦略ですな。
いやはや侮れませんな。 自分で作って某国に2発投下下後、自分らで数を増やし
どうもいかんと判断したら、自分らで廃絶。 その後持った組織や国家は人類の敵ですか。
司馬懿も裸足で逃げ出しそうですな
707 :
GF長官:2009/06/17(水) 20:58:45 ID:???
>>705 ちょwwこれからが本番だって!
高橋「俺たちの戦いは、まだ始まったばかりだ!」
>>706 やはり、日本人はお人よしすぎるのかな・・・
>「基地内に隠された一発」と言う疑惑が出るのは確実ですし
まさに沈黙の艦隊だ。
708 :
GF長官:2009/06/17(水) 21:04:04 ID:???
>>328で九七艦攻を零戦と誤認した米パイロットの話が出てきましたが、
戦場においては、この手の話はよくあるようです。
「戦場における敵味方の誤認はしばしば起こりがちで、あるベテランパイロットは
横から見て隼と思い込んで編隊を組もうとしたら、P−38だったと語ったことがある」
(『太平洋戦争航空史話』秦郁彦/著)
我々が写真を見比べるのとは、ずいぶん違うようだ。
709 :
GF長官:2009/06/17(水) 21:22:10 ID:???
>>704の続き
日付が変わりまして、昭和17年5月8日。
いよいよ人類が初めて経験する空母決戦です。
オラ、なんかワクワクしてきたぞ!
「7日夕刻南北に分かれた日米両機動部隊は、翌8日朝ほとんど同時に
相互に相手を発見した。そしてまた、ほとんど同時に相互に航空攻撃を
かけ、母艦同士の決戦が展開された」 (『戦史叢書』)
710 :
GF長官:2009/06/17(水) 21:23:56 ID:???
>>709の続き
この日最初の動きは、「第五戦隊機密第863番電」(0110時)
(1)行動予定ヲ変更シ、8日0500、南緯10度40分・東経156度30分付近ニ
達シ、南乃至南西ノ索敵ヲ行フコトニ改ム
(2)0500ヨリ、針路215度・速力18節
当初の予定は、
>>615の通り、5月8日0000時から針路240度・20節で南西下
することになっていましたが、索敵開始点を北へ120浬移動させたことに伴い、
0045時北西に変針(A)、
0115時針路0度で北上(B)し、
索敵機発進は0400時(C)、
0500時に南緯10度40分・東経156度30分(D)に達し、針路215度に変針。
711 :
GF長官:2009/06/17(水) 21:33:47 ID:???
>>710の続き
[MO機動部隊8日朝の行動図]
▲(D)南緯10度40分・東経156度30分(0500)
┏┛┃
針路215度・18節 ┏┛ ┃
┏┛ ┃
V (C)索敵機発進(0400)
┃
┃
┃↑
┃
(0115)針路0度(B) ▲南緯11度50分・東経156度50分(0000)
┗┓ ┏┛
┗┓┏┛
(A)針路北西(0045)
712 :
GF長官:2009/06/17(水) 21:38:25 ID:???
>>711の続き
さて問題の索敵計画ですが、索敵開始点を北へ120浬移動すること以外、
具体的な事項(
>>625)は、まだ何も決まっていません。
ここからは航空参謀の仕事ですね。
三重野武少佐、頼みますよ!
713 :
GF長官:2009/06/19(金) 21:12:19 ID:???
>>712の続き
続いて0220時に、索敵計画を発表。
「瑞鶴 140度・155度・170度
翔鶴 185度・200度・215度・230度
進出距離250浬・側程右30浬・発艦0400」(『戦史叢書』)
機種は九七艦攻。各線1機の計7線です。
索敵範囲は、140度から230度なので、南東から南方、南西にかけて。
それにしても、8日朝の索敵は、MO機動部隊の艦攻7機とツラギ九七大艇3機(
>>665)
の計10機。前日の綿密な索敵計画(仁スレ
>>150)と比べると、ずいぶん淋しくなったもんだ。
714 :
GF長官:2009/06/19(金) 21:13:39 ID:???
>>713の続き
実は『瑞鶴戦闘詳報』によれば、これより前0026時に、一度索敵計画が報じられている。
つまり、上記0220時のものは「改訂版」だったというわけです。
改訂前の計画では、
「瑞鶴 80度・100度・120度
翔鶴 120度・140度・160度・180度
進出距離250浬・側程右40浬・発艦0400」
>>713と見比べると分かりますが、索敵範囲が大きく異なります。
80度から180度なので、東方から東南、南方にかけてになる。
120度線が重複しているようだが、書き間違いかな?
715 :
GF長官:2009/06/19(金) 21:15:46 ID:???
>>714の続き
そして!、史実で米機動部隊を発見した菅野兵曹長機が担当したのが200度線だった。
あぶないあぶない。改訂前だったら、また見逃すところだった。全くヒヤヒヤさせやがるぜ。
当初は米機動部隊は南東方に所在すると考えられていたようです。
MO機動部隊を追撃してくるとの判断だったのかな。
しかし、この索敵計画変更の裏で何があったのか。気になりますねぇ。
また、原少将の「強い意思」が関与したのだろうか。
でも、この時間だとたぶん就寝中だな。まさか夢のお告げが・・・?
現在第一機動艦隊は北北西に避退中。
戦果不明であります。 って昨日はマリアナ沖海戦であります。
南雲中将が指揮を執っておれば。
■ 1944/06/20 0000〜0001時
東経136 137 138 139 (中略)142 143度
| | | | | |
北緯 \
15度 □2F(20日0000) /
北緯15度東経137度10分 /
\ /
14度 □3F(20日0000) ←□TF58 0001(追撃開始)
北緯14度東経136度30分 (北緯14度東経142度)速力17ノットで西進)
13度
この時点での小澤司令部の判断は混乱し、敵情は不明。
ミッチャーは58任務部隊の一部を残し西進。
>>715 GF長官、AAでの地図お上手になりましたな。
┏←の記号を縦横無尽に使い、更なる作戦航路図の作成を期待しております。
GF長官方式のスレ進行を見習いマリアナスレ6を企図しています。
ただし、その始まりは南太平洋海戦からになりそうです。
航空隊の消耗の末の海戦ですので、海戦の経過では意味がないので。
何故そうなってしまったのか、またアウトレンジ戦法がいかに現実を見ていなかったか
南雲スレとは違い、小澤中将名将説の誤りをただすスレになる予定。
ニミッツ提督の本は一級資料ですが、モリソンのは南雲の扱いはひどいですからね。
概して、米海軍に多大な被害を与えた提督は愚将、戦果を挙げさせた将は名将扱いですからね。
軍事系のバブルも弾けたようなので、ようやく50年の間定説とされたものを
なんだか良く分らない理論で否定した、説をゆっくり論破する予定です。
719 :
GF長官:2009/06/20(土) 17:01:36 ID:???
>>716 そうでしたね。>って昨日はマリアナ沖海戦であります。
ついに、歴戦の空母翔鶴に最後の時が・・・敬礼
>>718 有難うございます。
>GF長官、AAでの地図お上手になりましたな。
まあ、慣れかな。斜線をどう表現すればいいか悩んでおりましたが、
「罫線記号」の組み合わせにより、うまくいきました。
>GF長官方式のスレ進行を見習いマリアナスレ6を企図しています。
これは期待。淵田・奥宮共著の『機動部隊』も、南太平洋海戦からでしたね。
南雲スレは「南太平洋海戦編」で実質終了なので、二つ合わせて「通史・
太平洋海戦史」の完成か?
手前味噌で恐縮ですが、当スレの「時系列戦史検証」形式はかなりお勧め。
該当時期に、何が常識で、何が常識でなかったか。
過去の戦訓でまず何が思い浮かぶのか。
自然に自分の思考が、当時の指揮官に近づいていきますので。
「指揮官になりきる」には、非常に好都合です。
720 :
GF長官:2009/06/20(土) 17:06:09 ID:???
>>719の続き
>米海軍に多大な被害を与えた提督は愚将、戦果を挙げさせた将は名将扱いですからね
『実録・第二次世界大戦』(秦郁彦/著)の中で、「名将論」が出てきますが、
日本では今村均、小沢治三郎両将軍が挙げられています。ご指摘の通り、
モリソン博士の絶賛評も合わせて。
南雲提督の「な」の字も出てきやしない。
ま、南雲びいきの本職からしても、名将と呼ぶにはいささか躊躇しますが・・・
私見ですが、真珠湾奇襲成功をもって、南雲中将はその軍人生命を全うした
とみなして良いと考えています。
ちなみに、同書の中で著者が「日本軍最高の名将」として紹介しているのが、
宮崎繁三郎陸軍中将。
今、『名将宮崎繁三郎』(豊田穣/著)を購入して読み進めていますが、この人は
ホントにすごい。いかなる不利な状況においても、絶対に負けない。
不敗将軍、ヤン・ウェンリーを思い出します。
こんな人物が日本に居たとは。なんでこんなに無名なんだろうか・・・
721 :
GF長官:2009/06/20(土) 17:29:31 ID:???
今週の新刊情報。
『彩雲のかなたへ』(田中三也/著)
「ワレニ追イツク、グラマンナシ」でお馴染みの、日本海軍が世界に誇る
傑作艦上偵察機・彩雲の物語です。
というか、他国に「艦偵」は存在しないか・・・
その中で、偵察員の訓練方法がありましたので、少し紹介。
(1)艦型識別
訓練には、影絵や模型を使用する。
影絵は映画『トラ・トラ・トラ』等に出てくる「艦影当てクイズ」(伊スレ
>>173)の要領。
模型は地上に並べて、建物の屋上から肉眼や双眼鏡で見て識別する。
722 :
GF長官:2009/06/20(土) 17:31:45 ID:???
>>721の続き
(2)天測航法
太陽や星の位置から自機の位置を計算する。六分儀を用いて、
最初は仰向けの状態から、最後は着座姿勢で観測できるようにする。
星座の覚え方などもあり、例えば、さそり座のアンタレスは、
「さそりの首は貴女です−アンタレス」と覚えるらしい。
(3)洋上遠距離航法
ある高度における風向・風速の測定。
100浬の飛行ごとに、自機の位置を確認する。
(2)の天測航法と併用。
(4)高高度局地偵察
高度8千mから、横須賀軍港を敵基地に見立てて、艦種・艦位を記入し、
暗号文で打電。零戦相手に模擬空戦も。
この時の挿話として、誤って戦艦1隻を余分に多く報告してしまい、教官
に指摘されたところ、「三笠です」と言って切り抜けたとか。
当時から、記念艦として横須賀にありましたからね。
723 :
GF長官:2009/06/20(土) 17:32:44 ID:???
>>722の続き
(5)写真撮影
伊豆大島上空から撮影し、現像後「実体双眼鏡」を用いて、船のマストの
高さ等を計算。
(註)実体双眼鏡とは、60%重複した二枚の写真を並べて見ることにより
立体視を可能にする三次元立体眼鏡のこと。
垂直連続撮影の際には、高度・針路の維持が不可欠で、一式陸攻に搭乗
して伎倆を学んだそうです。
(6)通信
送信・受信・暗号作成等
同僚機の天候情報から天気図を作成し、天気予報を行うなんてことも。
以上のような課程を修了し、「熟練偵察員」となるわけですね。
724 :
GF長官:2009/06/20(土) 17:52:29 ID:???
>>715の続き
原少将以下、これら索敵機にかける期待は、並々ならぬものがあったでしょう。
当人たちは、それをよく自覚していたと思われます。
「旗艦瑞鶴では、薄暮攻撃から帰ったばかりの横枕秀綱三飛曹が、この朝の
索敵機に登用された。
『興奮していたせいか、なかなか寝付けなかった。頭の芯まで疲れていたが、
起こされるとすぐに目覚めた』と、彼は回想している」
725 :
GF長官:2009/06/20(土) 17:53:15 ID:???
>>724の続き
「牛島静人一飛曹は、偵察員として自分に課せられた責任の重さに、身が引き
締まる思いだった。沈着な行動で索敵任務に駆り出されることの多かった彼は、
若い操縦員・畑中正人三飛曹の昂ぶった気持ちを静めるように、わざと気軽な
口調で語りかけた。
『昨日で相手の位置が分かっているんだから、なあに簡単に見つかるさ』」
(『暁の珊瑚海』)
こちらまで、緊張感が伝わってくるようです。
昨日の失敗に懲りた手前、当然ながら熟練偵察員ばかりが選抜されたことは
間違いありません。
726 :
GF長官:2009/06/20(土) 17:55:00 ID:???
>>725の続き
そして、本日一番の功労者である、翔鶴乗組・菅野兼蔵飛曹長の登場です。
「菅野機の電信員・岸田清次郎二飛曹は、搭乗員ベッドで出発の支度を整えて
いた。この19歳の搭乗員は黙々と飛行服に身をかためる。まだ寝息をたてている
同期生に向かって、静かな声で『言ってくるよ』と声をかけると、勢いよく飛行甲板
に駆け上がっていった。それが、岸田二飛曹の最後の姿となった。
甲板では、菅野機長が出発前の打ち合わせをしていた。
岸田二飛曹が近づいていくと、『岸田君、今度こそ大丈夫だよ』と確信に満ちた
口調でいった。その言葉の意味を、彼は数時間後に知ることになる」
727 :
GF長官:2009/06/20(土) 17:55:51 ID:???
>>726の続き
わずか19歳で出撃とは。特攻隊員の遺書を読む時にも感じることですが、
彼らの言葉や態度に比べて、自らの怠惰な日常が恥ずかしくなってしまいます。
自分が19歳の頃は・・・とてもお話になりませんな。
とにかく空母決戦では、敵艦隊を発見しないことには、話が始まらない。
わずか7機、21名の「眼」に期待するよりない。
願わくは、彼らに天佑神助のあらんことを!
728 :
GF長官:2009/06/24(水) 20:59:25 ID:???
>>216 薄暮攻撃について。
ミッドウェーでも山口司令官が薄暮攻撃を企図しましたが、なぜ「薄暮」という
時間帯が選ばれるのか。こんなのを見つけました。
「つぎの問題は、いかにして敵艦隊の猛砲火を突破して目標に肉薄するかで
あった。研究の結果、日没後30分後の5分間、または日出前30分頃の5分間
に攻撃をかけると、上空からは艦船の視認が可能で、しかも下からは飛行機が
識別できない天与の一瞬間があることを発見した。
そこで、この貴重な5分間を狙って突撃するため、戦隊は中隊(9機)単位の
夜間編隊爆撃を訓練し、ほぼ全員が夜間行動可能の域に達した」
(『太平洋戦争航空史話』秦郁彦/著)
通常、日没直後は地上が暗く、空はまだ明るい状態というのは体験できますが、
海上では、それが逆転する「瞬間」があるようですね。
珊瑚海での夜間攻撃では、日没が1614時で米空母との遭遇が1645時(
>>288)
偶然にも、「天与の一瞬間」だったわけです。
米側が気づくのに遅れた理由は、このあたりにあるかも。
729 :
GF長官:2009/06/24(水) 21:05:51 ID:???
730 :
GF長官:2009/06/25(木) 21:00:20 ID:???
特報!!
デアゴスティーニ社より、『週刊零戦をつくる』が出るようです(8月25日創刊)
まだ公開前の情報ですので、くれぐれも内密に・・・
今日届いた案内によれば、全金属製モデルで、プロペラピッチや翼端まで可動式。
しかも、翼端灯はLED内臓で点灯するらしい。
欲しい!ぜひ欲しい!!
しかし、問題は大きさだな。
1/16スケールって、全長560mm・全幅750mm・・・どこに置くんだよ orz
あとは製作時間。「大和」のときも苦労したからなぁ。
・・・うーむ、どうしよう
731 :
GF長官:2009/06/25(木) 21:42:37 ID:???
>>727の続き
既述(
>>622)の通り、索敵機発進後0550時に六戦隊二小隊(衣笠・古鷹)が合同。
これで、戦闘態勢は整った。あとは索敵機の報告を待つばかり。
「MO機動部隊の7機の索敵機は、8日0415から0425にかけて発進した。
このうち200度線に出た翔鶴艦攻一機が、首尾よく敵を発見した。
第一電は0622発信され、0630母艦に届いた。以後触接して敵情を知らせてきた」
(『戦史叢書』)
732 :
GF長官:2009/06/25(木) 21:43:32 ID:???
>>731の続き
公刊戦史には、送受信時刻が記されているので引用します。
発信 受信
0622(0630)敵空母部隊見ユ
0622(0640)敵空母ノ位置、味方ヨリノ方位205度・235浬、針路170度・速力16節
0625(0646)附近天候晴、風向120度、風速7米、雲高800米、視界15粁
0654(0656)敵ハ130度ニ変針ス
0655(0656)敵ノ東方ヨリ触接ス、触接容易ナリ
0710(0719)海上濛気断雲アリ、雲高800米、進撃高度200米以下
0720(0729)敵ノ兵力陣形序列、爾前ノ通リ
0740(0740)敵飛行機群、味方主力ニ向フ、30機
0750(0802)更ニ敵飛行機群、味方主力ニ向フ、高度2000米、敵ハ直衛ヲ配ス
0755(0808)我今ヨリ帰途ニツク
733 :
GF長官:2009/06/25(木) 21:44:40 ID:???
>>732の続き
「この機は菅野機であった。寸秒を争う繁劇な行動中に12通(前記電報の他にまだ
2通あった)の適切な電報を発信したが、全部暗号文であった」
残り2通とは、味方攻撃隊と合同した後「ワレ誘導ス」と反転したものと、誘導を終え
帰投する旨を報告したものの2通です。
実に素晴らしい!
わずか7機であっても、熟練者の担当線に当たれば何の問題もないことは、
「索敵考察の章」(
>>560)で述べた通りですね。
734 :
GF長官:2009/06/25(木) 21:45:29 ID:???
>>733の続き
さて、本日最大の功労者である菅野兼蔵飛曹長ですが、戦歴を調べてみると、
真珠湾攻撃では、第二波水平爆撃隊としてカネオ飛行場攻撃に参加。
ラバウル攻略支援では、マダン攻撃に参加(水平爆撃)
インド洋作戦では、ツリンコマリ攻撃に参加(水平爆撃)
珊瑚海海戦一日目では、ネオショー攻撃に参加(雷撃)、薄暮攻撃には参加せず。
他にもあるかもしれませんが、『翔鶴飛行機隊戦闘行動調書』にあるのはこれだけ。
薄暮攻撃に選抜されなかったということは、「熟練搭乗員」というわけでもないのかな。
意外にも、索敵任務は開戦後これが初めてのようです。
索敵能力が優れているからといって、索敵専門なわけではないのかも。
やはり、みんな攻撃隊に参加したいだろうし、順繰りに割り振っていたのだろうか。
まあ、ベテランばかりが偵察に出ていたら、新人が育たないだろうし。
735 :
GF長官:2009/06/26(金) 21:08:48 ID:???
>>734の続き
では、
>>732の内容を見ていきましょう。
発信・受信の時刻を見ると、20分ほど要しているものもあれば、ほぼ同時のものも
ありますね。
菅野機は翔鶴所属なので、五航戦司令部がある瑞鶴には、翔鶴経由で届けられた
のか、それとも直接受信したのか。
まずは、「0622(0630)敵空母部隊見ユ 」
待望の敵艦隊発見電です。
原少将、良かったですねぇ。
これで見つからなかったら、内地へは帰れないですよ。
736 :
GF長官:2009/06/26(金) 21:10:34 ID:???
>>735の続き
菅野機が発進したのは、0420頃(
>>731)だから約2時間後。
九七艦攻の巡航速度は140節ですから、280浬飛行した後に発見したことになる。
「進出距離250浬・側程右40浬」の計画(
>>714)なので、側程から復路に入ろうとした
あたりで見つけたと考えられます。
それは、続報に「味方ヨリノ方位205度・235浬」(
>>732)とあることからも分かります。
次スレのテンプレでは、索敵線先端に達した時点をもって、附近に敵空母が居ないと
みなすのが「常識」であるように書きましたが、そうとも言えないようですね。
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1245844940/10 その違いを考えてみますと、
珊瑚海海戦の原少将は敵空母撃滅のみに専念できるのに対して、
ミッドウェーの南雲長官は基地制圧の任務もあり、再攻撃要請もあったことから、
「あと30分」が待てなかったのでしょう。
737 :
GF長官:2009/06/26(金) 21:21:07 ID:???
[菅野機の行動図](推定)
索敵機発進(0420頃)┏●MO機動部隊
┃↓(針路215度)
┃
┏┛
┃
↓▼菅野機
┃(針路200度・進出距離250浬)
米機動部隊発見(0622) ┏┛
▽ ┃
┗━━┓ ┃
┗━━┓ ┃
← ┗━┛索敵線先端(0607頃)
側程(右30浬)
738 :
GF長官:2009/06/26(金) 21:27:31 ID:???
>>737の続き
こう見ると、ほぼ索敵線先端附近で発見したことが分かります。
>>626では「索敵開始点を北に120浬寄せる」という原少将の計画変更を
絶賛しましたが、これがもし「140浬北に寄せる」だったならば、米空母の
位置は索敵圏外になってしまい、発見は叶わなかったでしょう。
あぶない、あぶない・・・
本当に戦場では紙一重の決断の連続ですよねぇ。
739 :
GF長官:2009/06/27(土) 18:38:23 ID:???
>>738の続き
続いては、(
>>732)
0622(0640)敵空母ノ位置、味方ヨリノ方位205度・235浬、針路170度・速力16節
米機動部隊の位置(0600時)は、南緯14度23分・東経154度32分。
ほぼ正確な報告ですね。
ただ彼我の距離が235浬というのは少し遠い。
陸上基地の場合は、真珠湾攻撃のときの230浬というのもありましたが、
敵艦船の場合は移動するだけに、ある程度の余裕が必要でしょう。
ここは即時発進か、それとも、もう少し距離を縮めてから攻撃隊を出すのか、
原少将に決断が迫られます。
しかし、敵針が170度(南下)だけに、距離を詰めるのには時間を要しそうだ。
740 :
GF長官:2009/06/27(土) 18:39:55 ID:???
>>739の続き
更に続報(
>>732)
0625(0646)附近天候晴、風向120度、風速7米、雲高800米、視界15粁
天気晴朗ニシテ浪モ穏ヤカナリ・・・といったところでしょうか。
「しかし、米機動部隊は南下したために寒冷前線の保護幕を出て、快晴の絶好
の視界の中にあった。このため、昨日米軍に味方した天候は、本日は日本軍の
味方となっていた」 (『戦史叢書』)
前日は、さんざん日本側を悩ませ、あるいは救いもした気まぐれな天候ですが、
この日はどうやら、我が方に味方してくれたようですね。
741 :
GF長官:
>>740の続き
『暁の珊瑚海』によれば、『米海軍大学校研究』の中で、「米側に不利な点」として、
「In clear weather area」と指摘しています。
「ただ一つ、米軍側にはっきりしていたことは気象条件の不利である。
『この晴天はもはや救いようもなかった』と、同研究は結論づける。
『空はあくまでも晴れ上がり、視界はどこまでも広がっていた。雲はほとんどなく、
雨も降らない。風は南東方向から吹いており、風速15〜18ノット。この快晴は
一日中続いた。それに比べて、日本側は・・・』
気象条件のマイナスは、誰の目にも明らかであった。
ツラギ空襲、祥鳳撃沈と巧まずして雲のヴェールで身をつつみ隠してきた二隻の
米空母は、いま珊瑚海でさえぎるもののない明るい洋上にさらし出されているのだ」
(『暁の珊瑚海』)