【日々是世界】国際情勢分析 シー・シェパード強制捜査に揺れる豪
2009.3.10 08:50
日本の調査捕鯨阻止を公約にしてきたオーストラリアのラッド政権が、反捕鯨派の同国メディアから激しい
批判にさらされている。同国の近海で日本の調査捕鯨船への過激な妨害を続ける米環境保護団体シー・
シェパードに対して、豪連邦警察が強制捜査に踏み切ったからだ。ただ、少数ながら、シー・シェパードの
行き過ぎた行動を戒める冷静な意見もみられる。
最大発行部数を誇るヘラルド・サン紙は2月22日付の記事(電子版)で、「強制捜査は、日本の苦情を
受けて行われたことが確認され、国民的な激しい怒りに火をつけた」と報道。オーストラリア放送協会(ABC)・
電子版は「ラッド政権がこれまで下した決定の中で、最も不人気なものとなるだろう」と、シー・シェパードを
支える政党「緑の党」のブラウン党首のコメントを大きく伝えた。
連邦警察は捜索で、抗議船に乗船していた有料CS放送局「アニマル・プラネット」のスタッフが撮影した
VTRも押収した。このVTRは、シー・シェパードのドキュメンタリー番組用の映像資料で、押収されたままだと
番組を制作することができない。昨年のドキュメンタリー番組はアニマル・プラネットで放映された後、DVDで
販売された。