母親の伯父貴(母と20くらい年上)が特攻隊員だった。
知覧で出撃日も決められ、銀シャリも喰った。
「いよいよお別れか」と覚悟を決めた時に終戦。
価値観が変わってしまい、伯父貴は酒浸りの日々。
大地主の長男だった伯父貴は見合いで伯母と結婚。
その後も生活態度は変わらず、給料のほとんどを呑みに使い、酒に酔っては暴力を振るう親戚の鼻つまみ者。
とうとうオヤジさんにも見放され、財産は伯父貴を飛び越えて従兄弟へ譲られた。
そんな従兄弟は相続したアパート、貸し家から上がってくる家賃だけで遊んで暮らせるいいご身分。伯父貴は老人ホームに押し込められてしまった。