【戦場おける】騎兵総合スレ【馬の利用】

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53名無し三等兵
794 :名無し三等兵 :2006/06/29(木) 00:20:38 ID:???
東部戦線に2回目の夏がきた。ドイツ軍の進撃は留まる所を知らず
ヒトラーは最終的な勝利に向けた次の強烈な一手を計画していた。
しかしそれは終わりの始まりとなった。 スターリングラードだ。
この任務を成功させる為には、利用可能なあらゆる精鋭部隊が必要となった。
全戦線から多くの師団が引き抜かれ、新兵とは言わないまでも平均的な部隊、
つまりルーマニア、イタリア、その他の弱小枢軸国軍が入れ替わりに配備された。

しかしソ連軍はこの動きに素早く反応し、このドイツ軍の弱点に対して積極的な攻勢を開始した。
7月から8月にかけて、ソ連歩兵部隊はドン河西方の橋頭堡を拡大しようと何度も攻撃を重ねていた。
イタリア軍部隊の一部は、この試みを打ち砕くために交戦に巻き込まれた。

このソ連軍を撃退することを目的とした反攻の間この地域にいた
2つのイタリア軍騎兵部隊の一つ「サヴォイア連隊」は
ドン河畔に向けて北方に移動するよう命じられた。

連隊はIsbuscenskij市付近の"213.5高地"として知られる地域に到達し、夜の間そこに野営した。

54名無し三等兵:2009/05/17(日) 08:00:40 ID:???
795 :名無し三等兵 :2006/06/29(木) 00:21:56 ID:???
翌早朝、キャンプと陣地をたたむ前に、騎兵斥候はいつも通り連隊の進路のパトロールに向かった。
その過程で斥候隊は広大なヒマワリ畑を調べるために入っていた。
向日葵畑の偵察が終わり掛けた時だった。
「あれはなんだ?赤い星のついたヘルメットが地面を這ってるぞ?」

斥候隊は不意をつかれたが、そのソ連兵に銃撃を浴びせて適切に対処した。
しかし数秒後、斥候隊は地獄の真っ只中に取り残されていた。

彼らをとりまくヒマワリ畑のあらゆる地点から数百のソ連兵が一斉に叫びながら発砲を開始したのだ。

 夜間、82mm迫撃砲の支援を受けたソ連軍歩兵2個大隊がこっそりと河を渡り、
イタリア軍野営地から数百メートルの地点に塹壕を掘り、待ち伏せ準備を整えていたのだ。
野営地に据え付けられた機関銃の機敏な反応と連隊付属の馬載砲兵の速射砲撃は、
押し寄せるソ連兵の波を一時的に食い止めはしたものの、
時間が経つにつれて敵の圧力は激しくなっていった。
イタリア軍指揮官は今こそ訓練の成果を発揮すべき時だと判断した。

「騎兵突撃だ!」
55名無し三等兵:2009/05/17(日) 08:01:25 ID:???
796 :名無し三等兵 :2006/06/29(木) 00:23:44 ID:???
第2騎兵中隊は敵正面からではなく側面から突入する為
大きく迂回して敵左翼に突撃するよう命じられた。
この迂回機動は完璧に成功しソ連軍は完全な不意打ちを食らった。
ソ連軍は再照準する暇もなく騎兵に蹂躙された。
ソ連兵の多くが強烈な剣の一撃によって頭を真っ二つに割られ
その他大勢は即座に降伏するか逃げ去った。

騎兵中隊は前進を続けると、抵抗は次第に強力になり損害が大きくなっていった。

その為、第4騎兵中隊が下馬して敵正面に向かう事になった。
これにより第2騎兵中隊への圧力はやや弱まり、彼らは再結集して反転し
敵の右翼から左翼にかけて再び突撃する事が出来た。

その直後、中央への攻撃を援護するため第3騎兵中隊が同じ命令を受けた。突撃せよ!

第3騎兵中隊の指揮官が最初の突撃と同じ接近方法を採らず敵中に真直ぐ突っ込んだのは
疑問の残る決定で、この所為で必要以上の犠牲が生じる事になった。

にも関わらずこの二回目の突撃で敵は完全に崩壊し、ソ連軍は第二線陣地も捨てて退却した。
ソ連軍の損害は死傷450名で、500名が捕虜になった。

戦いが終わると、こんな展開になるとは思っていなかった
イタリア騎兵たちは一様に同じ言葉を口にした。

「サヴォイアが突撃したんだ、サヴォイアが突撃したんだ!」

完全に機械化された戦争においては夢でしかなかった事が実現したのだ。